2024-520901 - 知財ポータルサイト『IP Force』 (2024)

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公表特許公報(A)

(11)【公表番号】

(43)【公表日】2024-05-27

(54)【発明の名称】びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を治療するための抗CD79Bイムノコンジュゲートを使用する方法

(51)【国際特許分類】

A61K 39/395 20060101AFI20240520BHJP

A61P 35/02 20060101ALI20240520BHJP

A61K 45/00 20060101ALI20240520BHJP

A61P 37/06 20060101ALI20240520BHJP

A61K 38/08 20190101ALI20240520BHJP

A61K 47/68 20170101ALI20240520BHJP

A61K 47/65 20170101ALI20240520BHJP

A61K 31/454 20060101ALI20240520BHJP

A61P 43/00 20060101ALI20240520BHJP

C12N 15/13 20060101ALN20240520BHJP

【FI】

A61K39/395 L

A61P35/02

A61K39/395 D

A61K45/00

A61P37/06

A61K38/08

A61K47/68

A61K47/65

A61K39/395 N

A61K31/454

A61P43/00 121

C12N15/13 ZNA

【審査請求】未請求

【予備審査請求】未請求

(21)【出願番号】P 2023569796

(86)(22)【出願日】2022-05-11

(85)【翻訳文提出日】2023-11-22

(86)【国際出願番号】 US2022072267

(87)【国際公開番号】W WO2022241446

(87)【国際公開日】2022-11-17

(31)【優先権主張番号】63/187,858

(32)【優先日】2021-05-12

(33)【優先権主張国・地域又は機関】US

(81)【指定国・地域】

(71)【出願人】

【識別番号】509012625

【氏名又は名称】ジェネンテック, インコーポレイテッド

(74)【代理人】

【識別番号】110002077

【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人

(72)【発明者】

【氏名】ヒラタ, ジェイミー ハルエ

(72)【発明者】

【氏名】ムシック, リサ リネア

【テーマコード(参考)】

4C076

4C084

4C085

4C086

【Fターム(参考)】

4C076CC27

4C076EE41

4C076EE59

4C076FF34

4C084AA02

4C084AA22

4C084BA01

4C084BA10

4C084BA16

4C084BA23

4C084BA41

4C084BA42

4C084DC50

4C084NA05

4C084NA14

4C084ZB081

4C084ZB271

4C084ZC751

4C085AA13

4C085AA14

4C085AA16

4C085AA25

4C085CC23

4C085DD62

4C085EE03

4C086AA01

4C086AA02

4C086BC22

4C086GA07

4C086MA03

4C086MA04

4C086NA05

4C086NA14

4C086ZB08

4C086ZB27

4C086ZC75

(57)【要約】

本明細書に提供されるのは、免疫調節剤(例えばレナリドミド)及び抗CD20抗体(例えばオビヌツズマブ又はリツキシマブ)と組み合わせて抗CD79b抗体を含むイムノコンジュゲートを使用して、B細胞増殖性疾患(例えばびまん性大細胞型B細胞リンパ腫「DLBCL」)を治療する方法である。
【選択図】図7

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【特許請求の範囲】

【請求項1】

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療を必要とするヒトにおいて、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を治療するための方法であって、ヒトに対して、有効量の:
(a)式:

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[式中、Abは、(i)配列番号21のアミノ酸配列を含む超可変領域H1(HVR-H1);(ii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(iii)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(iv)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(v)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(vi)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む抗CD79b抗体であり、
pは、1と8との間である]を有するイムノコンジュゲートと、
(b)免疫調節剤と、
(c)抗CD20抗体と
を投与することを含み、
ヒトが、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療中又は治療後に、少なくとも完全寛解を達成する、方法。

【請求項2】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療中又は治療後に、完全寛解を達成する、請求項1に記載の方法。

【請求項3】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約70%、少なくとも約74%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療中又は治療後に、最良の全体応答を達成する、請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療中又は治療後に、最良の完全寛解を達成する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。

【請求項5】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療中又は治療後に、客観的奏功を達成する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。

【請求項6】

完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の持続時間が、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の最初の発生時から評価して、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、又はそれよりも長い期間である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。

【請求項7】

ヒトが、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療の開始から評価して、疾患の進行なしで、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、又はそれよりも長い期間生存する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。

【請求項8】

ヒトが、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療の開始から評価して、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、少なくとも約11カ月、又はそれよりも長い期間生存する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。

【請求項9】

抗CD79b抗体が、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)と、(ii)配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)とを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。

【請求項10】

抗CD79b抗体が、(i)配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖と、(ii)配列番号35のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。

【請求項11】

イムノコンジュゲートが、ポラツズマブベドチンである、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。

【請求項12】

免疫調節剤が、レナリドミドである、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。

【請求項13】

抗CD20抗体が、リツキシマブである、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。

【請求項14】

ポラツズマブベドチンが約1.8mg/kgの用量で投与され、レナリドミドが約10mgと約20mgとの間の用量で投与され、リツキシマブが約375mg/mの用量で投与される、請求項13に記載の方法。

【請求項15】

ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブが、誘導期中に28日サイクルで投与され:
ポラツズマブベドチンは、約1.8mg/kgの用量で、各28日サイクルの1日目に静脈内投与され、
レナリドミドは、約10mgと約20mgとの間の用量で、各28日サイクルの1~21日目の各々に経口投与され、
リツキシマブは、約375mg/mの用量で、各28日サイクルの1日目に静脈内投与され、
任意選択的に、誘導期は、少なくとも6回の28日サイクルを含む、
請求項14に記載の方法。

【請求項16】

ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブが逐次的に投与される、請求項15に記載の方法。

【請求項17】

各28日サイクルの1日目に、レナリドミドがリツキシマブに先行して投与され、リツキシマブがポラツズマブベドチンに先行して投与される、請求項16に記載の方法。

【請求項18】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、完全寛解を達成する、請求項15~17のいずれか一項に記載の方法。

【請求項19】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約70%、少なくとも約74%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、最良の全体応答を達成する、請求項15~18のいずれか一項に記載の方法。

【請求項20】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、最良の完全寛解を達成する、請求項15~19のいずれか一項に記載の方法。

【請求項21】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、客観的奏功を達成する、請求項15~20のいずれか一項に記載の方法。

【請求項22】

完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の持続時間が、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の最初の発生時から評価して、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、又はそれよりも長い期間である、請求項18~21のいずれか一項に記載の方法。

【請求項23】

ヒトが、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療の開始から評価して、疾患の進行なしで、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、又はそれよりも長い期間生存する、請求項15~22のいずれか一項に記載の方法。

【請求項24】

ヒトが、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療の開始から評価して、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、少なくとも約11カ月、又はそれよりも長い期間生存する、請求項15~23のいずれか一項に記載の方法。

【請求項25】

レナリドミド及びリツキシマブが、誘導期の6番目の28日サイクル後の強化期中にさらに投与される、請求項15~24のいずれか一項に記載の方法。

【請求項26】

レナリドミドが、約10mgの用量で、強化期中の各月の1~21日目の各々に経口投与され、
リツキシマブが、約375mg/mの用量で、強化期中の隔月の1日目に静脈内投与される、
請求項25に記載の方法。

【請求項27】

レナリドミドが、強化期中に最大6カ月間投与される、請求項26に記載の方法。

【請求項28】

リツキシマブが、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に投与される、請求項26又は27に記載の方法。

【請求項29】

レナリドミド及びリツキシマブが、強化期中に逐次的に投与される、請求項25~28のいずれか一項に記載の方法。

【請求項30】

レナリドミドが、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に、リツキシマブに先行して投与される、請求項29に記載の方法。

【請求項31】

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療を必要とするヒトにおいて、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を治療するための方法であって、ヒトに対して、有効量の:
(a)式:

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[式中、Abは、(i)配列番号21のアミノ酸配列を含む超可変領域H1(HVR-H1);(ii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(iii)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(iv)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(v)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(vi)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む抗CD79b抗体であり、
pは、1と8との間である]を有するイムノコンジュゲートと、
(b)免疫調節剤と、
(c)抗CD20抗体と
を投与することを含み、
ヒトが、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療の開始後少なくとも約4ヶ月以内に疾患の進行を示さない、方法。

【請求項32】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療中又は治療後に、完全寛解を達成する、請求項31に記載の方法。

【請求項33】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約70%、少なくとも約74%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療中又は治療後に、最良の全体応答を達成する、請求項31又は32に記載の方法。

【請求項34】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療中又は治療後に、最良の完全寛解を達成する、請求項31~33のいずれか一項に記載の方法。

【請求項35】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療中又は治療後に、客観的奏功を達成する、請求項31~34のいずれか一項に記載の方法。

【請求項36】

完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の持続時間が、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の最初の発生時から評価して、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、又はそれよりも長い期間である、請求項32~35のいずれか一項に記載の方法。

【請求項37】

ヒトが、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療の開始から評価して、疾患の進行なしで、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、又はそれよりも長い期間生存する、請求項31~36のいずれか一項に記載の方法。

【請求項38】

ヒトが、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療の開始から評価して、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、少なくとも約11カ月、又はそれよりも長い期間生存する、請求項31~37のいずれか一項に記載の方法。

【請求項39】

抗CD79b抗体が、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)と、(ii)配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)とを含む、請求項31~38のいずれか一項に記載の方法。

【請求項40】

抗CD79b抗体が、(i)配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖と、(ii)配列番号35のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、請求項31~39のいずれか一項に記載の方法。

【請求項41】

イムノコンジュゲートが、ポラツズマブベドチンである、請求項31~40のいずれか一項に記載の方法。

【請求項42】

免疫調節剤が、レナリドミドである、請求項31~41のいずれか一項に記載の方法。

【請求項43】

抗CD20抗体が、リツキシマブである、請求項31~42のいずれか一項に記載の方法。

【請求項44】

ポラツズマブベドチンが約1.8mg/kgの用量で投与され、レナリドミドが約10mgと約20mgとの間の用量で投与され、リツキシマブが約375mg/mの用量で投与される、請求項43に記載の方法。

【請求項45】

ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブが、誘導期中に28日サイクルで投与され:
ポラツズマブベドチンが、約1.8mg/kgの用量で、各28日サイクルの1日目に静脈内投与され、
レナリドミドが、約10mgと約20mgとの間の用量で、各28日サイクルの1~21日目の各々に経口投与され、
リツキシマブが、約375mg/mの用量で、各28日サイクルの1日目に静脈内投与され、
任意選択的に、誘導期は、少なくとも6回の28日サイクルを含む、
請求項44に記載の方法。

【請求項46】

ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブが逐次的に投与される、請求項45に記載の方法。

【請求項47】

各28日サイクルの1日目に、レナリドミドがリツキシマブに先行して投与され、リツキシマブがポラツズマブベドチンに先行して投与される、請求項46に記載の方法。

【請求項48】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、完全寛解を達成する、請求項45~47のいずれか一項に記載の方法。

【請求項49】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約70%、少なくとも約74%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、最良の全体応答を達成する、請求項45~48のいずれか一項に記載の方法。

【請求項50】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、最良の完全寛解を達成する、請求項45~49のいずれか一項に記載の方法。

【請求項51】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、客観的奏功を達成する、請求項45~50のいずれか一項に記載の方法。

【請求項52】

完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の持続時間が、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の最初の発生時から評価して、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、又はそれよりも長い期間である、請求項48~51のいずれか一項に記載の方法。

【請求項53】

ヒトが、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療の開始から評価して、疾患の進行なしで、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、又はそれよりも長い期間生存する、請求項45~52のいずれか一項に記載の方法。

【請求項54】

ヒトが、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療の開始から評価して、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、少なくとも約11カ月、又はそれよりも長い期間生存する、請求項45~53のいずれか一項に記載の方法。

【請求項55】

レナリドミド及びリツキシマブが、誘導期の6番目の28日サイクル後の強化期中にさらに投与される、請求項45~54のいずれか一項に記載の方法。

【請求項56】

レナリドミドが、約10mgの用量で、強化期中の各月の1~21日目の各々に、経口投与され、
リツキシマブが、約375mg/mの用量で、強化期中の隔月の1日目に、静脈内投与される、
請求項55に記載の方法。

【請求項57】

レナリドミドが、強化期中に最大6カ月間投与される、請求項56に記載の方法。

【請求項58】

リツキシマブが、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に投与される、請求項56又は57に記載の方法。

【請求項59】

レナリドミド及びリツキシマブが、強化期中に逐次的に投与される、請求項55~58のいずれか一項に記載の方法。

【請求項60】

レナリドミドが、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に、リツキシマブに先行して投与される、請求項59に記載の方法。

【請求項61】

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療を必要とするヒトにおいて、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を治療する方法であって、ヒトに対して、有効量の:
(a)式:

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[式中、Abは、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)と、(ii)配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)とを含む抗CD79b抗体であり、
pは、2と5との間である]を有するイムノコンジュゲートと、
(b)レナリドミドと、
(c)リツキシマブと
を投与することを含み、
イムノコンジュゲートが約1.8mg/kgの用量で投与され、レナリドミドが約10mgと約20mgとの間の用量で投与され、リツキシマブが約375mg/mの用量で投与され、
ヒトが、イムノコンジュゲート、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療中又は治療後に、少なくとも完全寛解を達成する、方法。

【請求項62】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療中又は治療後に、完全寛解を達成する、請求項61に記載の方法。

【請求項63】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約70%、少なくとも約74%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療中又は治療後に、最良の全体応答を達成する、請求項61又は62に記載の方法。

【請求項64】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療中又は治療後に、最良の完全寛解を達成する、請求項61~63のいずれか一項に記載の方法。

【請求項65】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療中又は治療後に、客観的奏功を達成する、請求項61~64のいずれか一項に記載の方法。

【請求項66】

完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の持続時間が、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の最初の発生時から評価して、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、又はそれよりも長い期間である、請求項61~65のいずれか一項に記載の方法。

【請求項67】

ヒトが、イムノコンジュゲート、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療の開始から評価して、疾患の進行なしで、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、又はそれよりも長い期間生存する、請求項61~66のいずれか一項に記載の方法。

【請求項68】

ヒトが、イムノコンジュゲート、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療の開始から評価して、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、少なくとも約11カ月、又はそれよりも長い期間生存する、請求項61~67のいずれか一項に記載の方法。

【請求項69】

pが、3と4との間である、請求項61~68のいずれか一項に記載の方法。

【請求項70】

抗体が、(i)配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖と、(ii)配列番号35のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、請求項61~69のいずれか一項に記載の方法。

【請求項71】

イムノコンジュゲートが、ポラツズマブベドチンである、請求項61~70のいずれか一項に記載の方法。

【請求項72】

ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブが、誘導期中に28日サイクルで投与され:
ポラツズマブベドチンが、約1.8mg/kgの用量で、各28日サイクルの1日目に静脈内投与され、
レナリドミドが、約10mgと約20mgとの間の用量で、各28日サイクルの1~21日目の各々に経口投与され、
リツキシマブが、約375mg/mの用量で、各28日サイクルの1日目に静脈内投与され、
任意選択的に、誘導期は、少なくとも6回の28日サイクルを含む、
請求項71に記載の方法。

【請求項73】

ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブが逐次的に投与される、請求項72に記載の方法。

【請求項74】

各28日サイクルの1日目に、レナリドミドがリツキシマブに先行して投与され、リツキシマブがポラツズマブベドチンに先行して投与される、請求項73に記載の方法。

【請求項75】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、完全寛解を達成する、請求項72~74のいずれか一項に記載の方法。

【請求項76】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約70%、少なくとも約74%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、最良の全体応答を達成する、請求項72~75のいずれか一項に記載の方法。

【請求項77】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、最良の完全寛解を達成する、請求項72~76のいずれか一項に記載の方法。

【請求項78】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、客観的奏功を達成する、請求項72~77のいずれか一項に記載の方法。

【請求項79】

完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の持続時間が、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の最初の発生時から評価して、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、又はそれよりも長い期間である、請求項75~78のいずれか一項に記載の方法。

【請求項80】

ヒトが、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療の開始から評価して、疾患の進行なしで、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、又はそれよりも長い期間生存する、請求項72~79のいずれか一項に記載の方法。

【請求項81】

ヒトが、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療の開始から評価して、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、少なくとも約11カ月、又はそれよりも長い期間生存する、請求項72~80のいずれか一項に記載の方法。

【請求項82】

レナリドミド及びリツキシマブが、誘導期の6番目の28日サイクル後の強化期中にさらに投与される、請求項72~81のいずれか一項に記載の方法。

【請求項83】

レナリドミドが、約10mgの用量で、強化期中の各月の1~21日目の各々に経口投与され、
リツキシマブが、約375mg/mの用量で、強化期中の隔月の1日目に静脈内投与される、
請求項82に記載の方法。

【請求項84】

レナリドミドが、強化期中に最大6カ月間投与される、請求項83に記載の方法。

【請求項85】

リツキシマブが、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に投与される、請求項83又は84に記載の方法。

【請求項86】

レナリドミド及びリツキシマブが、強化期中に逐次的に投与される、請求項82~85のいずれか一項に記載の方法。

【請求項87】

レナリドミドが、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に、リツキシマブに先行して投与される、請求項86に記載の方法。

【請求項88】

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療を必要とするヒトにおいて、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を治療する方法であって、ヒトに対して、有効量の:
(a)ポラツズマブベドチンと、
(b)レナリドミドと、
(c)リツキシマブと
を、誘導期中に28日サイクルで投与することを含み、
誘導期中に、ポラツズマブベドチンが約1.8mg/kgの用量で投与され、レナリドミドが約20mgの用量で投与され、リツキシマブが約375mg/mの用量で投与され、
ヒトが、誘導期中又は誘導期後に、完全寛解を達成する、
方法。

【請求項89】

誘導期が、少なくとも6回の28日サイクルを含む、請求項88に記載の方法。

【請求項90】

ポラツズマブベドチンが、約1.8mg/kgの用量で、各28日サイクルの1日目に静脈内投与され、
レナリドミドが、約20mgの用量で、各28日サイクルの1~21日目の各々に経口投与され、
リツキシマブが、約375mg/mの用量で、各28日サイクルの1日目に静脈内投与される、
請求項88又は89に記載の方法。

【請求項91】

ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブが逐次的に投与される、請求項90に記載の方法。

【請求項92】

各28日サイクルの1日目に、レナリドミドがリツキシマブに先行して投与され、リツキシマブがポラツズマブベドチンに先行して投与される、請求項91に記載の方法。

【請求項93】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、完全寛解を達成する、請求項88~92のいずれか一項に記載の方法。

【請求項94】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約70%、少なくとも約74%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、最良の全体応答を達成する、請求項88~93のいずれか一項に記載の方法。

【請求項95】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、最良の完全寛解を達成する、請求項88~94のいずれか一項に記載の方法。

【請求項96】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、客観的奏功を達成する、請求項88~95のいずれか一項に記載の方法。

【請求項97】

完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の持続時間が、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の最初の発生時から評価して、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、又はそれよりも長い期間である、請求項88~96のいずれか一項に記載の方法。

【請求項98】

ヒトが、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療の開始から評価して、疾患の進行なしで、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、又はそれよりも長い期間生存する、請求項88~97のいずれか一項に記載の方法。

【請求項99】

ヒトが、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療の開始から評価して、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、少なくとも約11カ月、又はそれよりも長い期間生存する、請求項88~98のいずれか一項に記載の方法。

【請求項100】

誘導期に強化期が続き、強化期中に、レナリドミドが約10mgの用量で投与され、リツキシマブが約375mg/mの用量で投与される、請求項88~99のいずれか一項に記載の方法。

【請求項101】

レナリドミドが、約10mgの用量で、強化期中の各月の1~21日目の各々に経口投与され、
リツキシマブが、約375mg/mの用量で、強化期中の隔月の1日目に静脈内投与される、
請求項100に記載の方法。

【請求項102】

レナリドミドが、強化期中に最大6カ月間投与される、請求項100又は101に記載の方法。

【請求項103】

リツキシマブが、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に投与される、請求項100~102のいずれか一項に記載の方法。

【請求項104】

レナリドミド及びリツキシマブが、強化期中に逐次的に投与される、請求項100~103のいずれか一項に記載の方法。

【請求項105】

レナリドミドが、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に、リツキシマブに先行して投与される、請求項104に記載の方法。

【請求項106】

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療を必要とする複数のヒトにおいて、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を治療する方法であって、ヒトに対して、有効量の:
(a)ポラツズマブベドチンと、
(b)レナリドミドと、
(c)リツキシマブと
を、誘導期中に28日サイクルで投与することを含み、
誘導期中に、ポラツズマブベドチンが約1.8mg/kgの用量で投与され、レナリドミドが約20mgの用量で投与され、リツキシマブが約375mg/mの用量で投与され、
複数のヒトのうちの少なくとも約25%が、誘導期中又は誘導期後に、完全寛解を達成する、
方法。

【請求項107】

誘導期が、少なくとも6回の28日サイクルを含む、請求項106に記載の方法。

【請求項108】

ポラツズマブベドチンが、約1.8mg/kgの用量で、各28日サイクルの1日目に静脈内投与され、
レナリドミドが、約20mgの用量で、各28日サイクルの1~21日目の各々に経口投与され、
リツキシマブが、約375mg/mの用量で、各28日サイクルの1日目に静脈内投与される、
請求項106又は107に記載の方法。

【請求項109】

ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブが逐次的に投与される、請求項106~108のいずれか一項に記載の方法。

【請求項110】

各28日サイクルの1日目に、レナリドミドがリツキシマブに先行して投与され、リツキシマブがポラツズマブベドチンに先行して投与される、請求項109に記載の方法。

【請求項111】

複数のヒトのうちの少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%が、6回の28日サイクルの後に、完全寛解を達成する、請求項106~110のいずれか一項に記載の方法。

【請求項112】

複数のヒトのうちの少なくとも約70%、少なくとも約74%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%が、6回の28日サイクルの後に、最良の全体応答を達成する、請求項106~111のいずれか一項に記載の方法。

【請求項113】

複数のヒトのうちの少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%が、6回の28日サイクルの後に、最良の完全寛解を達成する、請求項106~112のいずれか一項に記載の方法。

【請求項114】

治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、客観的奏功を達成する、請求項106~113のいずれか一項に記載の方法。

【請求項115】

完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の持続時間が、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の最初の発生時から評価して、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、又はそれよりも長い期間である、請求項106~114のいずれか一項に記載の方法。

【請求項116】

誘導期に強化期が続き、強化期中に、レナリドミドが約10mgの用量で投与され、リツキシマブが約375mg/mの用量で投与される、請求項106~115のいずれか一項に記載の方法。

【請求項117】

レナリドミドが、約10mgの用量で、強化期中の各月の1~21日目の各々に経口投与され、
リツキシマブが、約375mg/mの用量で、強化期中の隔月の1日目に静脈内投与される、
請求項116に記載の方法

【請求項118】

レナリドミドが、強化期中に最大6カ月間投与される、請求項116又は117に記載の方法。

【請求項119】

リツキシマブが、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に投与される、請求項116~118のいずれか一項に記載の方法。

【請求項120】

レナリドミド及びリツキシマブが、強化期中に逐次的に投与される、請求項116~119のいずれか一項に記載の方法。

【請求項121】

レナリドミドが、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に、リツキシマブに先行して投与される、請求項120に記載の方法。

【請求項122】

ヒト又は複数のヒトのうちのヒトが、DLBCLに対する少なくとも1回の先行する治療法を受けたことがある、請求項1~121のいずれか一項に記載の方法。

【請求項123】

ヒト又は複数のヒトのうちのヒトが、DLBCLに対する少なくとも2回の先行する治療法を受けたことがある、請求項1~122のいずれか一項に記載の方法。

【請求項124】

ヒト又は複数のヒトのうちのヒトが、抗CD20抗体を含む化学免疫療法を含む、DLBCLに対する先行する治療法を受けたことがある、請求項1~123のいずれか一項に記載の方法。

【請求項125】

ヒト又は複数のヒトのうちのヒトが、DLBCLに対する先行する骨髄移植を受けたことがある、請求項1~124のいずれか一項に記載の方法。

【請求項126】

ヒト又は複数のヒトのうちのヒトが、DLBCLに対する先行するキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法を適用されたことがある、請求項1~125のいずれか一項に記載の方法。

【請求項127】

ヒト又は複数のヒトのうちのヒトが、適用されたDLBCLに対する最初の先行する治療に対して抵抗性であったDLBCLを有する、請求項122~126のいずれか一項に記載の方法。

【請求項128】

ヒト又は複数のヒトのうちのヒトが、DLBCLに対する直近の先行する治療法に対して抵抗性であったDLBCLを有する、請求項122~127のいずれか一項に記載の方法。

【請求項129】

DLBCLが再発性/難治性DLBCLである、請求項1~128のいずれか一項に記載の方法。

【請求項130】

DLBCLが、抗CD20抗体を含む少なくとも1つの先行する化学免疫療法レジメンによる治療後の、再発性/難治性のDLBCLである、請求項1~129のいずれか一項に記載の方法。

【請求項131】

ヒト又は複数のヒトのうちのヒトが、高用量化学療法及び自家造血幹細胞移植による治療後に疾患の進行を経験した、請求項122~130のいずれか一項に記載の方法。

【請求項132】

DLBCLが、CD20陽性のDLBCLである、請求項1~131のいずれか一項に記載の方法。

【請求項133】

DLBCLが、ポジトロン放射断層撮影(PET)陽性のリンパ腫である、請求項1~132のいずれか一項に記載の方法。

【請求項134】

ヒト又は複数のヒトのうちのヒトが、自家造血幹細胞移植に適格でない、請求項1~133のいずれか一項に記載の方法。

【請求項135】

ヒト又は複数のヒトのうちのヒトが、中枢神経系(CNS)リンパ腫又は軟膜浸潤を有さない、請求項1~134のいずれか一項に記載の方法。

【請求項136】

ヒト又は複数のヒトのうちのヒトが、少なくとも1つの二次元的に測定可能な病変を有する、請求項1~135のいずれか一項に記載の方法。

【請求項137】

少なくとも1つの二次元的に測定可能な病変が、コンピューター断層撮影(CT)スキャン又は磁気共鳴画像法(MRI)により評価して、その最大寸法が1.5cmより大きい、請求項136に記載の方法。

【請求項138】

ヒト又は複数のヒトのうちのヒトが、先行する同種造血幹細胞移植(SCT)を受けたことがない、請求項1~137のいずれか一項に記載の方法。

【請求項139】

ヒト又は複数のヒトのうちのヒトが、DLBCLへの無痛性疾患の形質転換の既往歴を有さない、請求項1~138のいずれか一項に記載の方法。

【請求項140】

ヒト又は複数のヒトのうちのヒトが、グレード2以上の神経系疾患を有さない、請求項1~139のいずれか一項に記載の方法。

【請求項141】

ヒト又は複数のヒトのうちのヒトが、0、1、又は2の米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータスを有する、請求項1~139のいずれか一項に記載の方法。

【請求項142】

ヒト又は複数のヒトのうちのヒトが、Ann ArborステージIII又はIVのDLBCLを有する、請求項1~141のいずれか一項に記載の方法。

【請求項143】

ヒト又は複数のヒトのうちのヒトが、3と5との間の国際予後指標を有するDLBCLを有する、請求項1~142のいずれか一項に記載の方法。

【請求項144】

請求項1~60及び122~143のいずれか一項に記載の方法に従って、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有し、その治療を必要とするヒトを治療するための、免疫調節剤及び抗CD20抗体との組み合わせでの使用のための、式:

2024-520901 - 知財ポータルサイト『IP Force』 (5)

[式中、Abは、(i)配列番号21のアミノ酸配列を含む超可変領域H1(HVR-H1);(ii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(iii)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(iv)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(v)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(vi)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む抗CD79b抗体であり、
pは、1と8との間である]を有するイムノコンジュゲートを含むキット。

【請求項145】

請求項61~88及び122~143のいずれか一項に記載の方法に従って、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有し、その治療を必要とするヒトを治療するための、レナリドミド及びリツキシマブとの組み合わせでの使用のための、式:

2024-520901 - 知財ポータルサイト『IP Force』 (6)

[式中、Abは、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)と、(ii)配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)とを含む抗CD79b抗体であり、
pは、2と5との間である]を有するイムノコンジュゲートを含むキット。

【請求項146】

pが、3と4との間である、請求項144又は145に記載のキット。

【請求項147】

抗体が、(i)配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖と、(ii)配列番号35のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、請求項144から146のいずれか一項に記載のキット。

【請求項148】

請求項88~143のいずれか一項に記載の方法に従って、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有し、その治療を必要とするヒトを治療するための、レナリドミド及びリツキシマブとの組み合わせでの使用のための、ポラツズマブベドチンを含むキット。

【請求項149】

DLBCLが、再発性/難治性DLBCLである、請求項144~148のいずれか一項に記載のキット。

【請求項150】

請求項1~60及び122~143のいずれか一項に記載のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を治療する方法における使用のための、式:

2024-520901 - 知財ポータルサイト『IP Force』 (7)

[式中、Abは、(i)配列番号21のアミノ酸配列を含む超可変領域H1(HVR-H1);(ii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(iii)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(iv)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(v)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(vi)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む抗CD79b抗体であり、
pは、1と8との間である]を有するイムノコンジュゲート。

【請求項151】

抗CD79b抗体が、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)と、(ii)配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)とを含む、請求項150に記載のイムノコンジュゲート。

【請求項152】

請求項61~88及び122~143のいずれか一項に記載のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を治療する方法における使用のための、式:

2024-520901 - 知財ポータルサイト『IP Force』 (8)

[式中、Abは、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)と、(ii)配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)とを含む抗CD79b抗体であり、
pは、2と5との間である]を有するイムノコンジュゲート。

【請求項153】

pが、3と4との間である、請求項150~152のいずれか一項に記載のイムノコンジュゲート。

【請求項154】

抗CD79b抗体が、(i)配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖と、(ii)配列番号35のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む、請求項150~153のいずれか一項に記載のイムノコンジュゲート。

【請求項155】

請求項88~143のいずれか一項に記載のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を治療する方法における使用のためのポラツズマブベドチン。

【請求項156】

DLBCLが、再発性/難治性のDLBCLである、請求項150~154のいずれか一項に記載の使用のためのイムノコンジュゲート、又は請求項155に記載の使用のためのポラツズマブベドチン。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2021年5月12日に出願された米国仮出願第63/187858号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に援用される。

【0002】

ASCIIテキストファイルでの配列表の提出
[0002]ASCIIテキストファイルでの以下の提出内容は、参照によりその全体が本明細書に援用される:コンピューター可読形態(CRF)の配列表(ファイル名:146392054040SEQLIST.TXT、記録日:2021年5月4日、サイズ:64KB)。

【0003】

発明の分野
[0003]本開示は、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)と組み合わせて抗CD79b抗体を含むイムノコンジュゲートを投与することにより、B細胞増殖性疾患、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を治療する方法に関する。

【背景技術】

【0004】

[0004]非ホジキンリンパ腫(NHL)は、世界で最も一般的な血液腫瘍であり、全体で13番目に多いがんである(Bray et al.,(2018)CA Cancer J Clin,68:394-424)。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、NHLの浸潤性の高いサブタイプであり、全NHL症例の約32.5%を占める。DLBCLは、成熟B細胞に由来し、未治療の患者では生存期間中央値が1年未満である(Rovira et al.,(2015)Ann Hematol,378:13961407)。DLBCL細胞の大部分は、細胞周期の開始及び分化において重要な膜抗原であるCD20を発現する(Anderson et al.,(1984)Blood,63:1424-1433)。

【0005】

[0005]DLBCLの第1選択治療は、多剤併用化学療法と組み合わせた抗CD20モノクローナル抗体による治療からなる(National Comprehensive Cancer Network 2018;Shen et al.,(2018)Lancet vol 5,e264)。第1選択療法によって治癒しない患者に対しては、高用量化学療法とそれに続く自家幹細胞移植が長期寛解の第2の機会を提供する。年齢、併存症又は他の要因のために幹細胞移植に適格でない再発性/難治性(R/R)DLBCL患者については、様々な化学免疫療法を含む種々の治療選択肢がある。しかしながら、これら化学免疫療法は、長期生存よりもむしろ緩和を目標として使用される傾向がある。R/R DLBCL設定のために最近承認された治療には、CAR-T療法及びベンダムスチン及びリツキシマブと組み合わせたポラツズマブベドチン-piiqが含まれる。

【0006】

[0006]再発性DLBCL患者の約半数は、難治性疾患のために第2選択療法に応答しない(Gisselbrecht et al.,(2010)J Clin Oncol,28:41844190)。難治性疾患又は虚弱のために幹細胞移植後に再発するか又は幹細胞移植に不適格である患者の転帰は不良である。加えて、年齢、併存症、又は他の要因のために、かなりの数の再発性/難治性患者が積極的治療法に不適格である。再発性又は難治性DLBCLに対する救済療法は、治療法に対する奏効率に関して有望な結果を示しているが、再発性又は難治性のDLBCL患者の長期生存は依然として限定的である(Lopez et al.,(2007)European J of Haematology 80:127-32;Gnaoui et al.,(2007)Ann Oncol 18:1363-68;Mounier et al.,(2013)Haematologica 98(11)1726-31)。

【0007】

[0007]したがって、当技術分野では、再発性又は難治性のDLBCL患者における新しい治療アプローチが必要とされている。

【0008】

[0008]特許出願及び公報を含む本明細書で引用されるすべての参照文献は、参照によりそれらの全体が本明細書に援用される。

【発明の概要】

【0009】

[0009]いくつかの態様では、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療を必要とするヒトにおいて、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を治療するための方法が提供され、この方法は、ヒトに対して、有効量の:(a)式:

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[式中、Abは、(i)配列番号21のアミノ酸配列を含む超可変領域H1(HVR-H1);(ii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(iii)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(iv)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(v)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(vi)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む抗CD79b抗体であり、pは、1と8との間である]を有するイムノコンジュゲート、(b)免疫調節剤、及び(c)抗CD20抗体を投与することを含み、ヒトは、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療中又は治療後に、少なくとも完全寛解を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療中又は治療後に、完全寛解を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約70%、少なくとも約74%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療中又は治療後に、最良の全体応答を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療中又は治療後に、最良の完全寛解を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療中又は治療後に、客観的奏功を達成する。いくつかの実施形態では、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の持続時間が、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の最初の発生時から評価して、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、又はそれよりも長い期間である。いくつかの実施形態では、ヒトは、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療の開始から評価して、疾患の進行なしで、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、又はそれよりも長い期間生存する。いくつかの実施形態では、ヒトは、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療の開始から評価して、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、少なくとも約11カ月、又はそれよりも長い期間生存する。

【0010】

[0010]いくつかの実施形態では、抗CD79b抗体は、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)と、(ii)配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)とを含む。いくつかの実施形態では、抗CD79b抗体は、(i)配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖と、(ii)配列番号35のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、ポラツズマブベドチンである。いくつかの実施形態では、免疫調節剤は、レナリドミドである。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、リツキシマブである。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンは、約1.8mg/kgの用量で投与され、レナリドミドは、約10mgと約20mgとの間の用量で投与され、リツキシマブは、約375mg/mの用量で投与される。

【0011】

[0011]いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブは、誘導期中に28日サイクルで投与され,ポラツズマブベドチンは、各28日サイクルの1日目に、約1.8mg/kgの用量で静脈内投与され、レナリドミドは、各28日サイクルの1~21日目の各々に、約10mgと約20mgとの間の用量で経口投与され、リツキシマブは、各28日サイクルの1日目に、約375mg/mの用量で静脈内投与され、誘導期は、少なくとも6回の28日サイクルを含む。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブは、逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、各28日サイクルの1日目に、レナリドミドがリツキシマブに先行して投与され、リツキシマブがポラツズマブベドチンに先行して投与される。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、完全寛解を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約70%、少なくとも約74%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、最良の全体応答を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、最良の完全寛解を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、客観的奏功を達成する。いくつかの実施形態では、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の持続時間が、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の最初の発生時から評価して、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、又はそれよりも長い期間である。いくつかの実施形態では、ヒトは、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療の開始から評価して、疾患の進行なしで、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、又はそれよりも長い期間生存する。いくつかの実施形態では、ヒトは、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療の開始から評価して、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、少なくとも約11カ月、又はそれよりも長い期間生存する。

【0012】

[0012]いくつかの実施形態では、レナリドミド及びリツキシマブは、誘導期の6番目の28日サイクル後の強化期中に、さらに投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、強化期中の各月の1~21日目の各々に、約10mgの用量で経口投与され、リツキシマブは、強化期中の隔月の1日目に、約375mg/mの用量で静脈内投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、強化期中に最大6カ月間投与される。いくつかの実施形態では、リツキシマブは、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミド及びリツキシマブは、強化期中に逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に、リツキシマブに先行して投与される。

【0013】

[0013]別の態様では、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療を必要とするヒトにおいて、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を治療するための方法が提供され、この方法は、ヒトに対して、有効量の:(a)式:

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[式中、Abは、(i)配列番号21のアミノ酸配列を含む超可変領域H1(HVR-H1);(ii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(iii)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(iv)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(v)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(vi)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む抗CD79b抗体であり、pは、1と8との間である]を有するイムノコンジュゲート、(b)免疫調節剤、及び(c)抗CD20抗体を投与することを含み、ヒトは、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療中又は治療後少なくとも約4カ月以内に、疾患の進行を示さない。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療中又は治療後に、完全寛解を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約70%、少なくとも約74%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療中又は治療後に、最良の全体応答を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療中又は治療後に、最良の完全寛解を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療中又は治療後に、客観的奏功を達成する。いくつかの実施形態では、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の持続時間は、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の最初の発生時から評価して、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、又はそれよりも長い期間である。いくつかの実施形態では、ヒトは、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療の開始から評価して、疾患の進行なしで、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、又はそれよりも長い期間生存する。いくつかの実施形態では、ヒトは、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療の開始から評価して、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、少なくとも約11カ月、又はそれよりも長い期間生存する。

【0014】

[0014]いくつかの実施形態では、抗CD79b抗体は、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)と、(ii)配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)とを含む。いくつかの実施形態では、抗CD79b抗体は、(i)配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖と、(ii)配列番号35のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、ポラツズマブベドチンである。いくつかの実施形態では、免疫調節剤は、レナリドミドである。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、リツキシマブである。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンは、約1.8mg/kgの用量で投与され、レナリドミドは、約10mgと約20mgとの間の用量で投与され、リツキシマブは、約375mg/mの用量で投与される。

【0015】

[0015]いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブは、誘導期中に28日サイクルで投与され、ポラツズマブベドチンは、各28日サイクルの1日目に、約1.8mg/kgの用量で静脈内投与され、レナリドミドは、各28日サイクルの1~21日目の各々に、約10mgと約20mgとの間の用量で経口投与され、リツキシマブは、各28日サイクルの1日目に、約375mg/mの用量で静脈内投与され、誘導期は、少なくとも6回の28日サイクルを含む。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブは、逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、各28日サイクルの1日目に、レナリドミドがリツキシマブに先行して投与され、リツキシマブがポラツズマブベドチンに先行して投与される。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、完全寛解を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約70%、少なくとも約74%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、最良の全体応答を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、最良の完全寛解を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、客観的奏功を達成する。いくつかの実施形態では、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の持続時間は、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の最初の発生時から評価して、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、又はそれよりも長い期間である。いくつかの実施形態では、ヒトは、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療の開始から評価して、疾患の進行なしで、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、又はそれよりも長い期間生存する。いくつかの実施形態では、ヒトは、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療の開始から評価して、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、少なくとも約11カ月、又はそれよりも長い期間生存する。

【0016】

[0016]いくつかの実施形態では、レナリドミド及びリツキシマブは、誘導期の6番目の28日サイクル後の強化期中に、さらに投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、強化期中の各月の1~21日目の各々に、約10mgの用量で経口投与され、リツキシマブは、強化期中の隔月の1日目に、約375mg/mの用量で静脈内投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、強化期中に最大6カ月間投与される。いくつかの実施形態では、リツキシマブは、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミド及びリツキシマブは、強化期中に逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に、リツキシマブに先行して投与される。

【0017】

[0017]別の態様では、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療を必要とするヒトにおいて、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を治療する方法が提供され、方法は、ヒトに対して、有効量の:(a)式:

2024-520901 - 知財ポータルサイト『IP Force』 (11)

[式中、Abは、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)と、(ii)配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)とを含む抗CD79b抗体であり、pは、2と5との間である]を有するイムノコンジュゲート、(b)レナリドミド及び(c)リツキシマブを投与することを含み、イムノコンジュゲートは、約1.8mg/kgの用量で投与され、レナリドミドは、約10mgと約20mgとの間の用量で投与され、リツキシマブは、約375mg/mの用量で投与され、ヒトは、イムノコンジュゲート、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療中又は治療後に、少なくとも完全寛解を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療中又は治療後に、完全寛解を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約70%、少なくとも約74%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療中又は治療後に、最良の全体応答を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、レナリドミド、及びリツキシマブを用いた治中又は治療後に、最良の完全寛解を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療中又は治療後に、客観的奏功を達成する。いくつかの実施形態では、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の持続時間は、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の最初の発生時から評価して、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、又はそれよりも長い期間である。いくつかの実施形態では、ヒトは、イムノコンジュゲート、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療の開始から評価して、疾患の進行なしで、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、又はそれよりも長い期間生存する。いくつかの実施形態では、ヒトは、イムノコンジュゲート、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療の開始から評価して、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、少なくとも約11カ月、又はそれよりも長い期間生存する。

【0018】

[0018]いくつかの実施形態では、pは、3と4との間である。いくつかの実施形態では、抗体は、(i)配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖と、(ii)配列番号35のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、ポラツズマブベドチンである。

【0019】

[0019]いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブは、誘導期中に28日サイクルで投与され、ポラツズマブベドチンは、各28日サイクルの1日目に、約1.8mg/kgの用量で静脈内投与され、レナリドミドは、各28日サイクルの1~21日目の各々に、約10mgと約20mgとの間の用量で経口投与され、リツキシマブは、各28日サイクルの1日目に、約375mg/mの用量で静脈内投与され、誘導期は、少なくとも6回の28日サイクルを含む。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブは、逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、各28日サイクルの1日目に、レナリドミドがリツキシマブに先行して投与され、リツキシマブがポラツズマブベドチンに先行して投与される。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、完全寛解を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約70%、少なくとも約74%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、最良の全体応答を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、最良の完全寛解を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、客観的奏功を達成する。いくつかの実施形態では、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の持続時間は、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の最初の発生時から評価して、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、又はそれよりも長い期間である。いくつかの実施形態では、ヒトは、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療の開始から評価して、疾患の進行なしで、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、又はそれよりも長い期間生存する。いくつかの実施形態では、ヒトは、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療の開始から評価して、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、少なくとも約11カ月、又はそれよりも長い期間生存する。

【0020】

[0020]いくつかの実施形態では、レナリドミド及びリツキシマブは、誘導期の6番目の28日サイクル後の強化期中に、さらに投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、強化期中の各月の1~21日目の各々に、約10mgの用量で経口投与され、リツキシマブは、強化期中の隔月の1日目に、約375mg/mの用量で静脈内投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、強化期中に最大6カ月間投与される。いくつかの実施形態では、リツキシマブは、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミド及びリツキシマブは、強化期に逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に、リツキシマブに先行して投与される。

【0021】

[0021]別の態様では、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療を必要とするヒトにおいて、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を治療する方法が提供され、この方法は、ヒトに対して、有効量の:(a)ポラツズマブベドチン;(b)レナリドミド;及び(c)リツキシマブを、誘導期中に28日サイクルで投与することを含み、誘導期中に、ポラツズマブベドチンは、約1.8mg/kgの用量で投与され、レナリドミドは、約20mgの用量で投与され、リツキシマブは、約375mg/mの用量で投与され、ヒトは、誘導期中又は誘導期後に、完全寛解を達成する。いくつかの実施形態では、誘導期は、少なくとも6回の28日サイクルを含む。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンは、各28日サイクルの1日目に、約1.8mg/kgの用量で静脈内投与され、レナリドミドは、各28日サイクルの1~21日目の各々に、約20mgの用量で経口投与され、リツキシマブは、各28日サイクルの1日目に、約375mg/mの用量で静脈内投与される。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブは、逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、各28日サイクルの1日目に、レナリドミドがリツキシマブに先行して投与され、リツキシマブがポラツズマブベドチンに先行して投与される。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、完全寛解を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約70%、少なくとも約74%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、最良の全体応答を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、最良の完全寛解を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、客観的奏功を達成する。いくつかの実施形態では、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の持続時間は、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の最初の発生時から評価して、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、又はそれよりも長い期間である。いくつかの実施形態では、ヒトは、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療の開始から評価して、疾患の進行なしで、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、又はそれよりも長い期間生存する。いくつかの実施形態では、ヒトは、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療の開始から評価して、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、少なくとも約11カ月、又はそれよりも長い期間生存する。

【0022】

[0022]いくつかの実施形態では、誘導期には強化期が続き、強化期中に、レナリドミドが約10mgの用量で投与され、リツキシマブが約375mg/mの用量で投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、強化期中の各月の1~21日目の各々に、約10mgの用量で経口投与され、リツキシマブは、強化期中の隔月の1日目に、約375mg/mの用量で静脈内投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、強化期中に最大6カ月間投与される。いくつかの実施形態では、リツキシマブは、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミド及びリツキシマブは、強化期中に逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に、リツキシマブに先行して投与される。

【0023】

[0023]別の態様において、本明細書に提供されるのは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療を必要とする複数のヒトにおいて、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を治療する方法であり、この方法は、ヒトに対して、有効量の:(a)ポラツズマブベドチン;(b)レナリドミド;及び(c)リツキシマブを、誘導期中に28日サイクルで投与することを含み、誘導期中に、ポラツズマブベドチンは、約1.8mg/kgの用量で投与され、レナリドミドは、約20mgの用量で投与され、リツキシマブは、約375mg/mの用量で投与され、複数のヒトのうちの少なくとも約25%が、誘導期中又は誘導期後に、完全寛解を達成する。いくつかの実施形態では、誘導期は、少なくとも6回の28日間サイクルを含む。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンは、各28日サイクルの1日目に、約1.8mg/kgの用量で静脈内投与され、レナリドミドは、各28日サイクルの1~21日目の各々に、約20mgの用量で経口投与され、リツキシマブは、各28日サイクルの1日目に、約375mg/mの用量で静脈内投与される。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブは、逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、各28日サイクルの1日目に、レナリドミドが、リツキシマブに先行して投与され、リツキシマブがポラツズマブベドチンに先行して投与される。いくつかの実施形態では、複数のヒトのうちの少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%が、6回の28日サイクルの後に、完全寛解を達成する。いくつかの実施形態では、複数のヒトのうちの少なくとも約70%、少なくとも約74%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%が、6回の28日サイクルの後に、最良の全体応答を達成する。いくつかの実施形態では、複数のヒトのうちの少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%が、6回の28日サイクルの後に、最良の完全寛解を達成する。いくつかの実施形態では、治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、6回の28日サイクルの後に、客観的奏功を達成する。いくつかの実施形態では、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の持続時間は、完全寛解、最良の完全寛解、客観的奏功、又は最良の全体応答の最初の発生時から評価して、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、又はそれよりも長い期間である。

【0024】

[0024]いくつかの実施形態では、誘導期には強化期が続き、強化期中に、レナリドミドは、約10mgの用量で投与され、リツキシマブは、約375mg/mの用量で投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、強化期中の各月の1~21日目の各々に、約10mgの用量で経口投与され、リツキシマブは、強化期中の隔月の1日目に、約375mg/mの用量で静脈内投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、強化期中に最大6カ月間投与される。いくつかの実施形態では、リツキシマブは、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミド及びリツキシマブは、強化期中に逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に、リツキシマブに先行して投与される。

【0025】

[0025]本明細書に提供される態様又は実施形態のいずれかのいくつかの実施形態では、ヒト又は複数のヒトのうちのヒトは、DLBCLに対する少なくとも1つの先行する治療法を受けたことがある。いくつかの実施形態では、ヒト又は複数のヒトのうちのヒトは、DLBCLに対する少なくとも2つの先行する治療法を受けたことがある。いくつかの実施形態では、ヒト又は複数のヒトのうちのヒトは、抗CD20抗体を含む化学免疫療法を含む、DLBCLに対する先行する治療法を受けたことがある。いくつかの実施形態では、ヒト又は複数のヒトのうちのヒトは、DLBCLに対する先行する骨髄移植を受けたことがある。いくつかの実施形態では、ヒト又は複数のヒトのうちのヒトは、DLBCLに対する先行するキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法を受けたことがある。いくつかの実施形態では、ヒト又は複数のヒトのうちのヒトは、ヒト又は複数のヒトのうちのヒトに適用されたDLBCLに対する最初の先行する治療に対して難治性であったDLBCLを有する。いくつかの実施形態では、ヒト又は複数のヒトのうちのヒトは、DLBCLに対する直近の先行する治療法に対して難治性であったDLBCLを有する。いくつかの実施形態では、DLBCLは、再発性/難治性のDLBCLである。いくつかの実施形態では、DLBCLは、抗CD20抗体を含んでいた少なくとも1つの先行する化学免疫療法レジメンによる治療後に、再発性/難治性のDLBCLである。いくつかの実施形態では、ヒト又は複数のヒトのうちのヒトは、高用量化学療法及び自家造血幹細胞移植による治療後に、疾患の進行を経験した。いくつかの実施形態では、DLBCLは、CD20陽性のDLBCLである。いくつかの実施形態では、DLBCLは、ポジトロン放射断層撮影(PET)陽性のリンパ腫である。いくつかの実施形態では、ヒト又は複数のヒトのうちのヒトは、自家造血幹細胞移植に適格でない。いくつかの実施形態では、ヒト又は複数のヒトのうちのヒトは、中枢神経系(CNS)リンパ腫又は軟骨膜浸潤を有さない。いくつかの実施形態では、ヒト又は複数のヒトのうちのヒトは、少なくとも1つの二次元的に測定可能な病変を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの二次元的に測定可能な病変は、コンピューター断層撮影(CT)スキャン又は磁気共鳴画像法(MRI)により評価して、その最大寸法が1.5cmより大きい。いくつかの実施形態では、ヒト又は複数のヒトのうちのヒトは、先行する同種造血幹細胞移植(SCT)を受けたことがない。いくつかの実施形態では、ヒト又は複数のヒトのうちのヒトは、DLBCLへの無痛性疾患の形質転換の既往歴を有さない。いくつかの実施形態では、ヒト又は複数のヒトのうちのヒトは、グレード2以上の神経系疾患を有さない。いくつかの実施形態では、ヒト又は複数のヒトのうちのヒトは、0、1、又は2の米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータスを有する。いくつかの実施形態では、ヒト又は複数のヒトのうちのヒトは、Ann ArborステージIII又はIVを有するDLBCLを有する。いくつかの実施形態では、ヒト又は複数のヒトのうちのヒトは、3と5との間の国際予後指標を有するDLBCLを有する。

【0026】

[0026]別の態様において、本明細書に提供されるのは、式:

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[式中、Abは、(i)配列番号21のアミノ酸配列を含む超可変領域H1(HVR-H1);(ii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(iii)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(iv)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(v)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(vi)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む抗CD79b抗体であり、pは、1と8との間である]を有するイムノコンジュゲートを含むキットであって、本明細書に提供される方法のいずれかにより、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有し、その治療を必要とするヒトを治療するために、免疫調節剤及び抗CD20抗体と組み合わせて使用されるキットである。いくつかの実施形態では、pは、3と4との間である。いくつかの実施形態では、抗CD79b抗体は、(i)配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖と、(ii)配列番号35のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。いくつかの実施形態では、DLBCLは、再発性/難治性のDLBCLである。

【0027】

[0027]別の態様では、本明細書に提供されるのは、式:

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[式中、Abは、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)と、(ii)配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)とを含む抗CD79b抗体であり、pは、2と5との間である]を有するイムノコンジュゲートを含むキットであって、本明細書に提供される方法のいずれかにより、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有し、その治療を必要とするヒトを治療するために、レナリドミド及びリツキシマブと組み合わせて使用されるキットである。いくつかの実施形態では、pは、3と4との間である。いくつかの実施形態では、抗CD79b抗体は、(i)配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖と、(ii)配列番号35のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。いくつかの実施形態では、DLBCLは、再発性/難治性のDLBCLである。

【0028】

[0028]別の態様において、本明細書に提供されるのは、本明細書に提供される方法のいずれかにより、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を有し、その治療を必要とするヒトを治療するための、レナリドミド及びリツキシマブと組み合わせて使用されるポラツズマブベドチンを含むキットである。いくつかの実施形態では、DLBCLは、再発性/難治性のDLBCLである。

【0029】

[0029]別の態様において、本明細書に提供されるのは、式:

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[式中、Abは、(i)配列番号21のアミノ酸配列を含む超可変領域H1(HVR-H1)と、(ii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2と、(iii)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3と、(iv)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1と、(v)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2と、(vi)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3とを含む抗CD79b抗体であり、pは、1と8との間である]を有するイムノコンジュゲートであり、本明細書に提供される方法のいずれかにより、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫を治療する方法における使用のための、イムノコンジュゲートである。いくつかの実施形態では、抗CD79b抗体は、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)と、(ii)配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)とを含む。いくつかの実施形態では、pは、3と4との間である。いくつかの実施形態では、抗CD79b抗体は、(i)配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖と、(ii)配列番号35のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。いくつかの実施形態では、DLBCLは、再発性/難治性のDLBCLである。

【0030】

[0030]別の態様では、本明細書に提供されるのは、式:

2024-520901 - 知財ポータルサイト『IP Force』 (15)

[式中、Abは、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)と、(ii)配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)とを含む抗CD79b抗体であり、pは、2と5との間である]を有するイムノコンジュゲートであって、
本明細書に記載される方法のいずれかによりびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を治療する方法における使用のためのイムノコンジュゲートである。いくつかの実施形態では、pは、3と4との間である。いくつかの実施形態では、抗CD79b抗体は、(i)配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖と、(ii)配列番号35のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。いくつかの実施形態では、DLBCLは、再発性/難治性のDLBCLである。

【0031】

[0031]別の態様では、本明細書に提供されるのは、本明細書に提供される方法のいずれかによりびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を治療する方法における使用のための、ポラツズマブベドチンである。いくつかの実施形態では、DLBCLは、再発性/難治性のDLBCLである。

【図面の簡単な説明】

【0032】

図1】[0032]実施例1に記載される第Ib/II相試験の試験設計の図である。C=サイクル;CR=完全寛解;D=日目;DLBCL=びまん性大細胞型B細胞リンパ腫;EOI=導入終了;Len=レナリドミド;PO=経口;Pola=ポラツズマブベドチン;PR=部分寛解;QD=毎日;Q2M=2カ月毎;R=リツキシマブ;RP2D=推奨される第II相用量;SD=疾患の安定。

図2】[0033]実施例1に記載される第Ib/II相試験の用量漸増期中に使用される3+3用量漸増スキーマの図である。

図3】[0034]実施例1に記載される第Ib/II相試験に使用される投薬レジメの概要を示す図である。

図4】[0035]実施例1及び2に記載される第Ib/II相試験の試験設計の概要を示している。CR、完全寛解;IV、静脈内;Len、レナリドミド;PO、経口;Pola、ポラツズマブベドチン;PR、部分寛解;R、リツキシマブ;RP2D、推奨される第II相用量。

図5】[0036]実施例2に記載される第Ib/II相試験の一次分析における試験集団の概要を示している。RP2D=推奨される第II相用量。

図6】[0037]実施例2に記載される第Ib/II相試験の一次分析において評価された患者について応答までの時間と応答の持続時間を示すスイムレーングラフである。中間応答は、Lugano基準(2014)に従ってCTにより評価された。EOI応答は、修正版Lugano基準(2014)に従ってPET-CTにより評価された。

図7】[0038]無増悪生存(PFS)及び全生存(OS)のカプラン・マイヤー生存曲線を示している。

【発明を実施するための形態】

【0033】

[0039]本明細書で使用される場合、「ポラツズマブベドチン」という用語は、IUPHAR/BPS番号8404、KEGG番号D10761、又はCAS登録番号1313206-42-6を有する抗CD79bイムノコンジュゲートを指す。ポラツズマブベドチンは交換可能に、「ポラツズマブベドチン-piiq」、「huMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE」、「DCDS4501A」、又は「RG7596」とも呼ばれる。

【0034】

[0040]本明細書に提供されるのは、個体(例えば、ヒト)におけるリンパ腫(例えばびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、例えば、再発性/難治性のDLBCL)を治療するため又はその進行を遅らせるための方法であって、その個体に対して、有効量の抗CD79bイムノコンジュゲート(例えば、ポラツズマブベドチンとしても知られるhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20剤(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ等の抗CD20抗体)を投与することを含む方法である。いくつかの実施形態では、この方法は、個体に対して、(a)式:

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[式中、Abは、(i)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(ii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(iii)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(iv)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(v)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;(vi)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む抗CD79b抗体であり、pは、1と8との間(例えば、2と5との間又は3と4との間)である]を含むイムノコンジュゲート、(b)免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び(c)抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)を投与することにより、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、例えば、再発性/難治性のDLBCLを有する個体を治療することを含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、約1.4mg/kgと約1.8mg/kgとの間の用量で投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約10mgと約20mgとの間の用量で投与され、抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ)は、約375mg/mの用量で投与される。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、約1.4mg/kgと約1.8mg/kgとの間の用量で投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約10mgと約20mgとの間の用量で投与され、抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ)は、約1000mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、個体は、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療中又は治療後に、少なくとも疾患の安定(SD)(例えば少なくともSD、少なくとも部分寛解(PR)、又は完全寛解/完治(CR))の応答を達成する。
いくつかの実施形態では、個体は、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び抗CD20抗体による治療中又は治療後に、客観的奏功、最良の全体応答、最良の完全寛解、最良の部分寛解、又は完全寛解を達成する。

【0035】

I.一般的な技法
[0041]本開示の実施は、別途指示がない限り、分子生物学(組み換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学、生化学、及び免疫学の従来の技術を使用し、これらは当業者の技術範囲内である。このような技術は、文献、例えば、“Molecular Cloning:A Laboratory Manual”,second edition(Sambrook et al.,1989);“Oligonucleotide Synthesis”(M.J.Gait,ed.,1984);“Animal Cell Culture”(R.I.Freshney,ed.,1987);“Methods in Enzymology”(Academic Press,Inc.);“Current Protocols in Molecular Biology”(F.M.Ausubel et al.,eds.,1987,and periodic updates);“PCR:The Polymerase Chain Reaction”,(Mullis et al.,ed.,1994);“A Practical Guide to Molecular Cloning”(Perbal Bernard V.,1988);“Phage Display:A Laboratory Manual”(Barbas et al.,2001)に詳細に説明されている。

【0036】

II.定義
[0042]本発明を詳細に説明する前に、本発明が特定の組成物又は生物学的系に限定されず、それらが言うまでもなく多様であることを理解されたい。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施態様を説明することのみを目的としており、限定することを意図していないことも理解されたい。

【0037】

[0043]本明細書及び特許請求の範囲において使用される単数形(「a」、「an」、及び「the」)は、別途内容が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、単数形の「分子」への言及は、任意選択的に、2つ以上のそのような分子等の組み合わせを含む。

【0038】

[0044]本明細書で使用される「約」という用語は、この技術分野の当業者であれば容易に理解する、それぞれの値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における「約」に続く値又はパラメーターへの言及は、その値又はパラメーター自体を対象とする実施形態を含む(かつ説明する)。

【0039】

[0045]本明細書に記載される本発明の態様及び実施形態は、態様及び実施形態「を含む」、「からなる」、及び「から本質的になる」を含むと理解されたい。

【0040】

[0046]本明細書で使用される「CD79b」という用語は、別途指示がない限り、霊長類(例えば、ヒト、カニクイザル(cyno))、及びげっ歯類(例えば、マウス及びラット)等の哺乳動物を含む、任意の脊椎動物源由来のいずれかの天然CD79bを指す。本明細書では、ヒトCD79bは、「Igβ」、「B29」、「DNA225786」又は「PRO36249」とも呼ばれる。シグナル配列を含む例示的なCD79b配列は、配列番号1に示される。シグナル配列を含まない例示的なCD79b配列は、配列番号2に示される。「CD79b」という用語は、「完全長」の、未処理のCD79b、並びに細胞内での処理から得られる任意の形態のCD79bを包含する。この用語は、CD79bの天然に存在するバリアント、例えば、スプライスバリアント、対立遺伝子バリアント、及びアイソフォームも包含する。本明細書に記載されるCD79bポリペプチドは、多様な源、例えばヒト組織型若しくは別の源等から単離されうるか、又は組み換え方法若しくは合成法によって調製されうる。「天然配列CD79bポリペプチド」は、対応する自然由来のCD79bポリペプチドと同じアミノ酸配列を有するポリペプチドを含む。このような天然配列CD79bポリペプチドは、自然から単離することができるか、又は組み換え方法若しくは合成法によって生成することができる。「天然配列CD79bポリペプチド」という用語は、具体的には、特定のCD79bポリペプチド(例えば、細胞外ドメイン配列)の天然に存在する切頭型若しくは分泌型、天然に存在するバリアント形態(例えば、選択的スプライシング型)、及びポリペプチドの天然に存在する対立遺伝子バリアントを包含する。

【0041】

[0047]本明細書で使用される「CD20」は、ヒトBリンパ球抗原CD20(CD20、Bリンパ球表面抗原B1、Leu-16、Bp35、BM5、及びLF5としても知られており;その配列は、SwissProtデータベースエントリP11836によって特徴づけられる)を指し、プレBリンパ球及び成熟Bリンパ球上に位置する約35kDの分子量を有する疎水性膜貫通タンパク質である。(Valentine,M.A.,et al.,J.Biol.Chem.264(19)(1989 11282-11287,Tedder,T.F.,et al,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.85(1988)208-12,Stamenkovic,I.,et al.,J.Exp.Med.167(1988)1975-80,Einfeld,D.A.et al.,EMBO J.7(1988)711-7,Tedder,T.F.,et al.,J.Immunol.142(1989)2560-8)。対応するヒト遺伝子は、MS4A1としても知られる膜貫通4ドメイン、サブファミリーA、メンバー1である。この遺伝子は、膜貫通4A遺伝子ファミリーのメンバーをコードする。この新生タンパク質ファミリーのメンバーは、共通の構造的特徴及び類似のイントロン/エクソンスプライス境界によって特徴づけられ、造血細胞及び非リンパ組織の間で固有の発現パターンを示す。この遺伝子は、B細胞の形質細胞への発達及び分化において役割を果たすBリンパ球表面分子をコードする。このファミリーメンバーは、ファミリーメンバーのクラスターの中で11q12に局在している。この遺伝子の選択的スプライシングは、同じタンパク質をコードする2つの転写バリアントをもたらす。

【0042】

[0048]「CD20」及び「CD20抗原」という用語は、本明細書では交換可能に使用され、細胞によって天然に発現されるか、又はCD20遺伝子でトランスフェクトされた細胞上で発現されるヒトCD20のいずれかのバリアント、アイソフォーム及び種ホモログを含む。CD20抗原に対する本発明の抗体の結合は、CD20を不活性化することにより、CD20を発現する細胞(例えば、腫瘍細胞)の死滅を媒介する。CD20を発現する細胞の死滅は、以下の機序の1つ又は複数により生じうる:細胞死/アポトーシス誘導、ADCC及びCDC。当技術分野で認識されているCD20同義語には、Bリンパ球抗原CD20、Bリンパ球表面抗原B1、Leu-16、Bp35、BM5、及びLF5が含まれる。

【0043】

[0049]用語「CD20の発現」抗原は、細胞、例えば、T細胞又はB細胞におけるCD20抗原の有意なレベルの発現を示すことを意図している。一実施形態では、本発明の方法により治療される患者は、B細胞腫瘍又はがんに有意なレベルのCD20を発現する。「CD20を発現するがん」を有する患者は、当技術分野で既知の標準的なアッセイによって決定することができる。例えば、CD20抗原の発現は、免疫組織化学(IHC)検出、FACSを使用して、又は対応するmRNAのPCRベースの検出を介して測定される。

【0044】

[0050]「親和性」は、分子(例えば、抗体)の単一の結合部位とその結合パートナー(例えば、抗原)との間の非共有相互作用の総和の強度を指す。別途指示がない限り、本明細書で使用される「結合親和性」は、結合対のメンバー(例えば、抗体と抗原)間の1:1の相互作用を反映する固有の結合親和性を指す。分子XのそのパートナーYに対する親和性は一般に、解離定数(Kd)によって表すことができる。親和性は、本明細書に記載されるものを含む、当技術分野で既知の一般的な方法により測定することができる。結合親和性を測定するための特定の具体的及び例示的な実施形態を以下に記載する。

【0045】

[0051]「親和性成熟」抗体は、変更を有さない親抗体と比較して、1つ又は複数の超可変領域(HVR)に1つ又は複数の変更を有し、そのような変更は、抗原に対する抗体の親和性に改善をもたらす。

【0046】

[0052]本明細書における「抗体」という用語は、最も広い意味で使用され、所望の抗原結合活性を示す限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、及び抗体断片を含むがこれらに限定されない種々の抗体構造を包含する。

【0047】

[0053]「抗体断片」は、インタクトな抗体が結合する抗原に結合するインタクトな抗体の一部分を含む、インタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例には、限定されないが、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2、ダイアボディ、直鎖状抗体、単鎖抗体分子(例えば、scFv)、及び抗体断片から形成される多重特異性抗体が含まれる。

【0048】

[0054]参照抗体と「同じエピトープに結合する抗体」は、競合アッセイにおいて、参照抗体のその抗原に対する結合を50%以上ブロックする抗体を指し、逆に、参照抗体は、競合アッセイにおいて、抗体のその抗原に対する結合を50%以上ブロックする。例示的な競合アッセイが本明細書に提供される。

【0049】

[0055]「エピトープ」という用語は、抗体が結合する抗原分子上の特定の部位を指す。

【0050】

[0056]「キメラ」抗体という用語は、重鎖及び/又は軽鎖の一部分が特定の源又は種に由来し、重鎖及び/又は軽鎖の残りの部分が異なる源又は種に由来する抗体を指す。

【0051】

[0057]抗体の「クラス」は、その重鎖が有する定常ドメイン又は定常領域の種類を指す。抗体には、5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、及びIgMがあり、これらのうちのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、及びIgA2にさらに分けられうる。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれ、α、δ、ε、γ、及びμと呼ばれる。

【0052】

[0058]「抗CD79b抗体」又は「CD79bに結合する抗体」という用語は、抗体がCD79bの標的化において診断剤及び/又は治療剤として有用であるように、十分な親和性でCD79bに結合することのできる抗体を指す。好ましくは、無関係な非CD79bタンパク質に対する抗CD79b抗体の結合度は、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定して、CD79bに対する抗体の結合の約10%未満である。一部の実施態様では、CD79bに結合する抗体の解離定数(Kd値)は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、又は≦0.1nMである。一部の実施形態では、抗CD79b抗体は、異なる種に由来するCD79b間で保存されているCD79bのエピトープに結合する。

【0053】

[0059]本発明による用語「抗CD20抗体」は、抗体がCD20の標的化において診断剤及び/又は治療剤として有用であるように、十分な親和性でCD20に結合することのできる抗体を指す。好ましくは、無関係な非CD20タンパク質に対する抗CD20抗体の結合度は、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定して、CD20に対する抗体の結合の約10%未満である。一部の実施態様において、CD20に結合する抗体の解離定数(Kd値)は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、又は≦0.1nMである。一部の実施形態では、抗CD20抗体は、異なる種に由来するCD20間で保存されているCD20のエピトープに結合する。

【0054】

[0060]「単離された」抗体は、その天然環境の成分から分離されたものである。いくつかの実施形態では、抗体は、例えば、電気泳動(例えば、SDS-PAGE、等電点電気泳動(IEF)、キャピラリー電気泳動)又はクロマトグラフィー(例えば、イオン交換若しくは逆相HPLC)法によって決定して、純度が95%又は99%より大きくなるまで精製される。抗体純度の評価のための方法の総説については、例えば、Flatman et al.,J.Chromatogr.B 848:79-87(2007)を参照されたい。抗体の「可変領域」又は「可変ドメイン」は、抗体の重鎖又は軽鎖のアミノ末端ドメインを指す。重鎖の可変ドメインは、「VH」とも呼ばれうる。軽鎖の可変ドメインは、「VL」とも呼ばれうる。これらドメインは、一般に、抗体の最も可変性の高い部分であり、抗原結合部位を含む。

【0055】

[0061]「抗CD79b抗体をコードする単離された核酸」は、抗体の重鎖及び軽鎖(又はそれらの断片)をコードする1つ又は複数の核酸分子を指し、それには、単一のベクター又は別個のベクター内のそのような1つ以上の核酸分子が含まれ、そのような1つ以上の核酸分子は、宿主細胞内の1つ又は複数の場所に存在する。

【0056】

[0062]本明細書で使用される「モノクローナル抗体」という用語は、実質的に均一な抗体の集合から得られる抗体を指し、すなわち、集合を構成する個々の抗体が、同一である、及び/又は同じエピトープに結合するが、但し、例えば、天然に存在する変異又はモノクローナル抗体調製物の製造中に生じる変異を含む、通常少量で存在する可能な変異抗体を除く。異なる決定基(エピトープ)に対する異なる抗体を一般に含むポリクローナル抗体調製物とは対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原上の単一の決定基を対象とする。したがって、修飾語「モノクローナル」は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体の特徴を示し、任意の特定の方法による抗体の製造を必要とするものとして解釈されるべきではない。例えば、本発明により使用されるモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ法、組み換えDNA法、ファージディスプレイ法、及びヒト免疫グロブリン遺伝子座の全部又は一部を含有するトランスジェニック動物を利用する方法を含むが、これらに限定されない様々な技法によって作製することができ、モノクローナル抗体を作製するためのこのような方法及び他の例示的な方法が、本明細書に記載されている。

【0057】

[0063]「ネイキッド抗体」は、異種の部分(例えば、細胞傷害性部分)又は放射標識にコンジュゲートしていない抗体を指す。ネイキッド抗体は、薬学的製剤中に存在してもよい。

【0058】

[0064]「天然抗体」は、多様な構造を有する天然に存在する免疫グロブリン分子を指す。例えば、天然IgG抗体は、ジスルフィド結合している2つの同一の軽鎖及び2つの同一の重鎖から構成される約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。N末端からC末端まで、各重鎖は、可変重鎖ドメイン又は重鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VH)と、それに続く3つの定常ドメイン(CH1、CH、及びCH)とを有する。同様に、N末端からC末端まで、各軽鎖は、可変軽ドメイン又は軽鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VL)と、それに続く1つの定常軽(CL)ドメインとを有する。抗体の軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる2つのタイプのいずれかに割り当てることができる。

【0059】

[0065]本明細書における「Fc領域」という用語は、定常領域の少なくとも一部分を含有する免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。この用語には、天然配列Fc領域及び変異Fc領域が含まれる。一実施形態では、ヒトIgG重鎖Fc領域は、Cys226から、又はPro230から、重鎖のカルボキシル末端までに及ぶ。しかしながら、Fc領域のC末端リジン(Lys447)は、存在してもしてなくてもよい。本明細書で別途指示のない限り、Fc領域又は定常領域におけるアミノ酸残基の番号付けは、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD,1991に記載されている、EUインデックスとも呼ばれるEU番号付けシステムに従う。

【0060】

[0066]「フレームワーク」又は「FR」は、超可変領域(HVR)残基以外の可変ドメイン残基を指す。可変ドメインのFRは、通常、4つのFRドメイン:FR1、FR、FR、及びFRからなる。したがって、HVR及びFR配列は、通常、VH(又はVL)中に以下の配列:FR1-H1(L1)-FR-H2(L2)-FR-H3(L3)-FRで現れる。

【0061】

[0067]本明細書の目的のために、「アクセプターヒトフレームワーク」は、以下に定義されるように、ヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワークに由来する軽鎖可変ドメイン(VL)フレームワーク又は重鎖可変ドメイン(VH)フレームワークのアミノ酸配列を含むフレームワークである。ヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワーク「に由来する」アクセプターヒトフレームワークは、その同一のアミノ酸配列を含んでもよく、又はそれは、アミノ酸配列の変化を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アミノ酸変化の数は、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、又は2以下である。いくつかの実施形態では、VLアクセプターヒトフレームワークは、VLヒト免疫グロブリンフレームワーク配列又はヒトコンセンサスフレームワーク配列に対して、配列が同一である。

【0062】

[0068]「完全長抗体」、「インタクトな抗体」、及び「全抗体」という用語は、本明細書で交換可能に使用され、天然抗体構造と実質的に同様の構造を有するか、又は本明細書に定義されるFc領域を含有する重鎖を有する抗体を指す。

【0063】

[0069]「宿主細胞」、「宿主細胞株」及び「宿主細胞培養物」という用語は、本明細書で交換可能に使用され、外因性の核酸が導入された細胞を指し、そのような細胞の子孫を含む。宿主細胞には、「形質転換体」及び「形質転換細胞」が含まれ、これには、継代数に関係なく、一次形質転換細胞及びそれに由来する子孫が含まれる。子孫は、核酸の含有量が親細胞と完全に同一でなくてもよく、変異を含んでいてもよい。元の形質転換細胞においてスクリーニング又は選択されたものと同じ機能又は生物活性を有する変異子孫が、本明細書に含まれる。

【0064】

[0070]「ヒト抗体」は、ヒト若しくはヒト細胞により生成された抗体、又はヒト抗体レパートリー若しくは他のヒト抗体コード化配列を利用した非ヒト源由来の抗体に対応するアミノ酸配列を有する抗体である。ヒト抗体のこの定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を特に除外する。

【0065】

[0071]「ヒトコンセンサスフレームワーク」は、ヒト免疫グロブリンVLフレームワーク配列又はVHフレームワーク配列の選択において最も一般的に存在するアミノ酸残基を表すフレームワークである。通常、ヒト免疫グロブリンVL配列又はVH配列の選択は、可変ドメイン配列のサブグループからである。通常、配列のサブグループは、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,Fifth Edition,NIH Publication 91-3242,Bethesda MD(1991),vols.1-3におけるサブグループである。一実施形態では、VLについて、サブグループは、Kabat et al.,supra.におけるサブグループカッパIである。一実施形態では、VHについて、サブグループは、Kabat et al.,supraにおけるサブグループIIIである。

【0066】

[0072]「ヒト化」抗体は、非ヒトHVR由来のアミノ酸残基、及びヒトFR由来のアミノ酸残基を含むキメラ抗体を指す。一部の実施形態では、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的にすべてを含み、HVR(例えばCDR)のすべて又は実質的にすべてが、非ヒト抗体に対応し、FRのすべて又は実質的にすべてが、ヒト抗体に対応する。ヒト化抗体は、任意選択的に、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部分を含みうる。抗体、例えば非ヒト抗体の「ヒト化型」は、ヒト化した抗体を指す。

【0067】

[0073]本明細書で使用される用語「超可変領域」又は「HVR」は、配列が超可変である、及び/又は構造的に定義されたループ(「超可変ループ」)を形成する、抗体可変ドメインの領域の各々を指す。通常、天然4鎖抗体は、VHに3つ(H1、H2、H3)、及びVLに3つ(L1、L2、L3)、計6つのHVRを含む。HVRは、通常、超可変ループ由来及び/又は「相補性決定領域」(CDR)由来のアミノ酸残基を含み、後者は、最も高い配列可変性を有する、及び/又は抗原認識に関与している。例示的な超可変ループは、(a)アミノ酸残基26-32(L1)、50-52(L2)、91-96(L3)、26-32(H1)、53-55(H2)、及び96-101(H3)に生じる(Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901-917(1987))。例示的なCDR(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3、CDR-H1、CDR-H2、及びCDR-H3)は、L1の24-34、L2の50-56、L3の89-97、H1の31-35B、H2の50-65、及びH3の95-102に存在する(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(1991))。VHにおけるCDR1を除き、CDRは、通常、超可変ループを形成するアミノ酸残基を含む。CDRは、「特異性決定領域」、又は「SDR」も含み、それは、抗原と接触する残基である。SDRは、略称(abbreviated-)CDR、又はa-CDRと呼ばれるCDRの領域内に含まれる。例示的なa-CDR(a-CDR-L1、a-CDR-L2、a-CDR-L3、a-CDR-H1、a-CDR-H2及びa-CDR-H3)は、アミノ酸残基L1の31-34、L2の50-55、L3の89-96、H1の31-35B、H2の50-58、及びH3の95-102に存在する。(Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619-1633(2008)参照。)別途指示がない限り、HVR残基及び可変ドメインの他の残基(例えば、FR残基)は、本明細書では、Kabat et al.,supraに従って番号付けされている。

【0068】

[0074]「可変領域」又は「可変ドメイン」という用語は、抗原に対する抗体の結合に関与する抗体重鎖又は軽鎖のドメインを指す。天然抗体の重鎖及び軽鎖の可変ドメイン(それぞれVH及びVL)は、通常、類似の構造を有し、各ドメインは、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)と、3つの超可変領域(HVR)とを含む(例えば、Kindt et al.Kuby Immunology,6th ed.,W.H.Freeman and Co.,page 91(2007)を参照されたい)。単一のVHドメイン又はVLドメインは、抗原結合特異性を付与するために十分でありうる。さらに、特定の抗原に結合する抗体は、その抗原に結合する抗体由来のVHドメイン又はVLドメインを使用して単離し、相補的なVLドメイン又はVHドメインそれぞれのライブラリーをスクリーニングしてもよい。例えば、Portolano et al.,J.Immunol.150:880-887(1993);Clarkson et al.,Nature 352:624-628(1991)を参照。

【0069】

[0075]「エフェクター機能」は、抗体のアイソタイプにより変わる、抗体のFc領域に起因する生物活性を指す。抗体エフェクター機能の例には、C1q結合及び補体依存性細胞傷害性(CDC)、Fc受容体結合、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)、食作用、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)の下方制御、並びにB細胞活性化が含まれる。

【0070】

[0076]「CD79bポリペプチドバリアント」は、本明細書に開示される完全長天然配列CD79bポリペプチド配列、本明細書に開示されるシグナルペプチドを欠くCD79bポリペプチド配列、本明細書に開示されるシグナルペプチドを含む若しくは含まないCD79bポリペプチドの細胞外ドメイン、又は本明細書に開示される完全長CD79bポリペプチド配列の他の任意の断片(完全長CD79bポリペプチドの完全なコード配列の一部分のみを表す核酸によってコードされるもの等)と少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性を有する、本明細書で定義されるCD79bポリペプチド、好ましくは活性CD79bポリペプチドを意味する。このようなCD79bポリペプチドバリアントには、例えば、1つ又は複数のアミノ酸残基が、完全長天然アミノ酸配列のN末端又はC末端に付加されているか又は欠失しているCD79bポリペプチドが含まれる。通常、CD79bポリペプチドバリアントは、本明細書に開示される完全長天然配列CD79bポリペプチド配列、本明細書に開示されるシグナルペプチドを欠くCD79bポリペプチド配列、本明細書に開示されるシグナルペプチドを含む又は含まないCD79bポリペプチドの細胞外ドメイン、又は本明細書に開示される完全長CD79bポリペプチド配列の具体的に定義される他のいずれかの断片に対して、少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、代替的に少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%のアミノ酸配列同一性を有するであろう。通常、CD79b変異ポリペプチドは、少なくとも約10アミノ酸長、代替的に少なくとも約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、510、520、530、540、550、560、570、580、590、600アミノ酸長であるか、又はそれよりも長い。任意選択的に、CD79b変異ポリペプチドは、天然CD79bポリペプチド配列と比較して、1つ以下の保存的アミノ酸置換、代替的に天然CD79bポリペプチド配列と比較して2、3、4、5、6、7、8、9、又は10個以下の保存的アミノ酸置換を有するであろう。

【0071】

[0077]参照ポリペプチド配列に関する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、配列同一性最大パーセントが得られるように配列を整列し、必要に応じてギャップを導入した後に、いかなる保存的置換も配列同一性の一部として考慮せずに、参照ポリペプチド配列におけるアミノ酸残基と同一である、候補配列におけるアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定する目的での整列は、当技術分野における技術の範囲内にある種々の方法において、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGN、又はMegalign(DNASTAR)ソフトウェア等の公的に入手可能なコンピューターソフトウェアを使用して達成することができる。当業者は、比較される配列の完全長に対して最大の整列を達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、配列整列を行うための適切なパラメーターを決定することができる。しかしながら、本明細書の目的のために、アミノ酸配列同一性%の値は、配列比較コンピュータープログラムALIGN-2を使用して生成される。ALIGN-2配列比較コンピュータープログラムは、Genentech,Inc.が作成したものであり、ソースコードは、使用者用書類と共に、米国著作権局、Washington D.C.,20559に提出され、米国著作権登録番号TXU510087として登録されている。ALIGN-2プログラムは、Genentech,Inc.(South San Francisco,California)から公的に入手可能であるか、又はそのソースコードからコンパイルされうる。ALIGN-2プログラムは、デジタルUNIX V4.0Dを含む、UNIXオペレーティングシステムでの使用のためにコンパイルされるべきである。すべての配列比較パラメーターは、ALIGN-2プログラムによって設定されており、変わらない。

【0072】

[0078]ALIGN-2がアミノ酸配列比較に用いられる状況では、所与のアミノ酸配列Bに対する、アミノ酸配列Bとの、又はアミノ酸配列Bとの対照での、所与のアミノ酸配列Aのアミノ酸配列同一性%(代替的に、所与のアミノ酸配列Bに対する、アミノ酸配列Bとの、又はアミノ酸配列Bとの対照での、特定のアミノ酸配列同一性%を有するか若しくは含む、所与のアミノ酸配列Aとして記述することができる)は、以下のように計算される:
100×分数X/Y
[式中、Xは、配列整列プログラムALIGN-2により、AとBとのプログラムの整列において同一であるとして一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、Yは、Bのアミノ酸残基の総数である]。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、AのBに対するアミノ酸配列同一性%は、BのAに対するアミノ酸配列同一性%と等しくないことが理解されるであろう。特に別途指定のない限り、本明細書で使用されるすべてのアミノ酸配列同一性%の値は、ALIGN-2コンピュータープログラムを使用して、直前の段落に記載されるようにして得られる。

【0073】

[0079]本明細書で使用される「ベクター」という用語は、それが連結された別の核酸を増殖させることのできる核酸分子を指す。この用語は、自己複製核酸構造体としてのベクター、及びそれが導入された宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターを含む。一部のベクターは、それが作用可能に連結されている核酸の発現を誘導することができる。そのようなベクターは、本明細書で「発現ベクター」と呼ばれる。

【0074】

[0080]「イムノコンジュゲート」は、細胞傷害性剤を含むがそれに限定されない、1つ又は複数の異種分子にコンジュゲートされた抗体である。

【0075】

[0081]本明細書に提供される式の文脈において、「p」は、抗体当たりの薬物部分の平均数を指し、これは、例えば、抗体当たり約1から約20個の薬物部分に及び、一部の実施形態では、抗体当たり1から約8個の薬物部分に及ぶ。本発明は、抗体当たりの平均薬物負荷が約2から約5、又は約3から約4(例えば、約3.4又は約3.5)である式Iの抗体-薬物化合物の混合物を含む組成物を含む。

【0076】

[0082]本明細書で使用される「細胞傷害性剤」という用語は、細胞機能を阻害若しくは防止する、及び/又は細胞死若しくは破壊を引き起こす物質を指す。細胞傷害性薬剤には、限定されないが、放射性同位体(例えば、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212、及びLuの放射性同位体);化学療法剤又は薬物(例えば、メトトレキサート、アドリアマイシン、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド)、ドキソルビシン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブシル、ダウノルビシン又は他の挿入剤);成長阻害剤;酵素及びその断片、例えば核分解酵素;抗生物質;細菌、真菌、植物又は動物起源の低分子毒素又は酵素的に活性な毒素といった毒素(その断片及び/又はバリアントを含む);並びに下記に開示される種々の抗腫瘍剤又は抗がん剤が含まれる。

【0077】

[0083]「がん」及び「がん性」という用語は、制御されていない細胞成長を典型的に特徴とする哺乳動物における生理学的状態を指すか、又は説明する。がんの例には、限定されないが、B細胞リンパ腫(低悪性度/濾胞性非ホジキンリンパ腫(NHL)、小リンパ球性(SL)NHL、中悪性度/濾胞性NHL、中悪性度びまん性NHL、高悪性度免疫芽細胞性NHL、高悪性度リンパ芽球性NHL、高悪性度小型非切れ込み核細胞性NHL、巨大腫瘤病変性NHL、マントル細胞リンパ腫、AIDS関連リンパ腫、及びヴァルデンストレームマクログロブリン血症を含む)、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、毛様細胞白血病、慢性骨髄芽球性白血病、及び移植後リンパ増殖性障害(PTLD)、並びに母斑症、浮腫(例えば脳腫瘍に関連するもの)、及びメイグス症候群に関連する異常血管増殖が含まれる。より具体的な例には、限定されないが、再発性又は難治性NHL、第1線の(front line)低悪性度NHL、ステージIII/IVのNHL、化学療法抵抗性NHL、前駆Bリンパ芽球性白血病及び/又はリンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、B細胞慢性リンパ性白血病及び/又は前リンパ球性白血病及び/又は小リンパ球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性リンパ腫、免疫細胞腫及び/又はリンパ形質細胞性リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、脾臓辺縁帯リンパ腫、節外性辺縁帯-MALTリンパ腫、結節性辺縁帯リンパ腫、毛様細胞白血病、形質細胞腫及び/又は形質細胞骨髄腫、低悪性度/濾胞性リンパ腫、中間悪性度/濾胞性NHL、マントル細胞リンパ腫、濾胞中心リンパ腫(濾胞性)、濾胞性リンパ腫(例えば、再発性/難治性濾胞性リンパ腫)、中悪性度びまん性NHL、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL:例えば、再発性/難治性DLBCL)、浸潤性NHL(浸潤性の第1線のNHL及び浸潤性再発性NHLを含む)、自家幹細胞移植後に再発する、又は自家幹細胞移植に対して難治性のNHL、縦隔原発B細胞性大細胞型リンパ腫、原発性体液性リンパ腫、高悪性度免疫芽細胞性NHL、高悪性度リンパ芽球性NHL、高悪性度の小さな非切れ込み型細胞性NHL、巨大腫瘤病変NHL、バーキットリンパ腫、前駆(周辺)大顆粒リンパ球性白血病、菌状息肉症及び/又はセザリー症候群、皮膚(皮膚性)リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫、血管中心性リンパ腫が含まれる。

【0078】

[0084]「個体」又は「対象」は、哺乳動物である。哺乳動物には、限定されないが、家畜動物(例えば、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ及びウマ)、霊長類(例えば、ヒト及び非ヒト霊長類、例えばサル)、ウサギ及びげっ歯類(例えば、マウス及びラット)が含まれる。一部の実施形態では、個体又は対象は、ヒトである。

【0079】

[0085]薬剤、例えば、薬学的製剤の「有効量」は、必要な投与量で及び必要な期間にわたって、所望の治療的又は予防的結果を達成するのに有効な量を指す。

【0080】

[0086]用語「薬学的製剤」は、その中に含有される活性成分の生物活性が有効になることを可能にするような形態であって、製剤が投与される対象にとって許容できない毒性を有する他の成分を含まない調製物を指す。

【0081】

[0087]「薬学的に許容される担体」は、対象にとって非毒性である、活性成分以外の薬学的製剤中の成分を指す。薬学的に許容される担体には、限定されないが、バッファー、賦形剤、安定剤又は保存剤が含まれる。

【0082】

[0088]本明細書で使用される「治療(treatment)」(及びその文法的な変形、例えば、「治療する(treat)」又は「治療すること(treating)」)は、治療される個体の自然な経過を変える試みにおける臨床的介入を指し、予防のために、又は臨床病理の経過の間に実施することができる。治療の望ましい効果には、限定されないが、遊離軽鎖の減少、疾患の発生又は再発の防止、症状の緩和、疾患のあらゆる直接的又は間接的病理学的帰結の縮小、疾患進行速度の低下、病状の改善若しくは緩和、及び寛解又は予後の改善が含まれる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、疾患の発症を遅延させるか、又は疾患の進行を遅らせるために使用される。

【0083】

[0089]用語「CD79b陽性がん」は、表面上にCD79bを発現する細胞を含むがんを指す。いくつかの実施態様では、細胞表面におけるCD79bの発現は、例えば、免疫組織化学、FACS等の方法においてCD79bに対する抗体を使用して決定される。代替的に、CD79b mRNAの発現は、細胞表面におけるCD79bの発現と相関すると考えられ、in situハイブリダイゼーション及びRT-PCR(定量的RT-PCRを含む)から選択された方法により決定することができる。

【0084】

[0090]本明細書において使用される「と併せて」は、別の治療様式に追加された、1つの治療様式の適用を指す。したがって、「と併せて」は、個体に対する1つの治療様式の適用前、適用中、又は適用後の別の治療様式の適用を指す。

【0085】

[0091]化学療法剤は、がんの治療に有用な化学的化合物である。化学療法剤の例には、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標)、Genentech/OSI Pharm)、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)、Millennium Pharm.)、ジスルフィラム、エピガロカテキンガレート、サリノスポラミドA、カーフィルゾミブ、17-AAG(ゲルダナマイシン)、ラジコール、乳酸脱水素酵素A(LDH-A)、フルベストラント(FASLODEX(登録商標)AstraZeneca)、スニチブ(SUTENT(登録商標)、Pfizer/Sugen))、レトロゾール(FEMARA(登録商標)、Novartis)、メシル酸イマチニブ(GLEEVEC(登録商標)、ノバルティス)、フィナサン酸塩(VATALANIB(登録商標)、Novartis)、オキサリプラチン(ELOXATIN(登録商標)、Sanofi)、5-FU(5-フルオロウラシル)、ロイコボリン、ラパマイシン(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標)、Wyeth)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、GSK572016、Glaxo Smith Kline)、ロナファミブ(SCH 66336)、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標)、Bayer Labs)、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標)、AstraZeneca)、AG1478、チオテパ及びCYTOXAN(登録商標)シクロホスファミド等のアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファン及びピポスルファン等のアルキルスルホン酸塩;ベンゾドパ、カルボクロン、メトレドパ及びウレドパ等のアジリジン類;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスファミド、トリエチレンチオホスファミド及びトリメチルメラミンを含むエチレンイミン類及びメチルメラミン類;アセトジェニン類(特にブラータシン及びブラータシノン);カンプトテシン(トポテカン及びイリノテカンを含む);ブリオスタチン;カリースタチン;CC-1065(そのアドゼレシン、カルゼレシン及びビゼレシンの合成アナログを含む);クリプトフィシン類(特にクリプトフィシン1及びクリプトフィシン8);副腎皮質ステロイド(プレドニゾン及びプレドニゾロンを含む);酢酸シプロテロン;フィナステリド及びデュタステリドを含む5a-レダクターゼ);ボリノスタット、ロミデプシン、パノビノスタット、バルプロ酸、モセチノスタットドラスタチン;アルデスロイキン、タルクズオカルマイシン(合成アナログ、KW-2189及びCB1-TM1を含む);エレタロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチン;スポンギスタチン、クロラムブシル、クロマファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレスタミン、メクロレスタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロフォスファミド、ウラシルマスタード等の窒素マスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、及びラニムスチン等のニトロソウレア類;エンジエン系抗生物質等の抗生物質(例えば、カリチェマイシン、特にカリチェマイシンγ1I及びカリチェマイシンωII(Angew Chem.Inti.Ed.Engl.1994 33:183-186);ダイネマイシンAを含むダイネマイシン;クロドロネート等のビスホスホネート類;エスパーマイシン;並びにネオカルジノスタチン発色団及び関連する発色団エンジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン類、アクチノマイシン、オートラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、アドリアマイシン(登録商標)(ドキソルビシン)、モルホリノドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノ-ドキソルビシン及びデオキシドキソルビシン)、エピルビシン、エソルビシン、エベロリムス、ソトラタウリン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンC等のマイトマイシン類、マイコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピュロマイシン、ケラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメックス、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキサート及び5-フルオロウラシル(5-FU)等の代謝アンタゴニスト;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサート等の葉酸アナログ;フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン等のプリンアナログ;アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフリジン、エノシタビン、フロクスリジン等のピリミジンアナログ;カルステロン、ドロモスタノロンプロピオン酸塩、エピチオスタノール、メピチオステイン、テストラクトン等のアンドロゲン類;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロステイン等の抗副腎剤;フロリン酸等の葉酸補充剤;アセグラトン;アルドホスファミド配糖体;アミノレブリン酸;エニルラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキサート;デフォファミン;デメコルシン;ジアジキオン;エルフォミチン;酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシウレア;レンチナン;ロニダイニン;メイタンシン及びアンサミトシン等のメイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモル;ニトラエリン;ペントスタチン;フェナメト;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products,Eugene,Oreg.);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジキオン;2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特にT-2毒素、ベラキュリンA、ロリジンA及びアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;マイトブロニトール;マイトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara-C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキソイド、例えば、タクソール(パクリタキセル;Bristol-Myers Squibb Oncology,Princeton,N.J.)、ABRAXANE(登録商標)(クレモホールを含まない)、アルブミン操作されたパクリタキセルのナノ粒子製剤(American Pharmaceutical Partners、Schaumberg,Ill.)、及びTAXOTERE(登録商標)(ドセタキセル、ドキセタキセル;Sanofi-Aventis):クロラムブシル、GEMZAR(登録商標)(ゲムシタビン)、6-チオグアニン、メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチン及びカルボプラチン等の白金アナログ;ビンブラスチン;エトポシド(VP-16);イホスファミド;マイトキサントロン;ビンクリスチン;NAVELBINE(登録商標)(ビノレルビン);ノバンドロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;カペシタビン(XELODA(登録商標));イバンドロネート;CPT-11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS 2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸等のレチノイド類と、上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸及び誘導体と、上記のうちの2つ以上の組み合わせ、例えばシクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン及びプレドニゾロンの併用療法の略語であるCHOP、並びに5-FU及びロイコボビンと組み合わせたオキサリプラチン(ELOXATINTM)による治療レジメンの略語であるFOLFOXが含まれる。化学療法剤の追加の例には、ベンダムスチン(又はベンダムスチン-HCl)(トレアンダ(登録商標))、イブルチニブ、レナリドミド、及び/又はイデラリシブ(GS-1101)が含まれる。

【0086】

[0092]「化学療法剤」の追加の例には、がんの増殖を促進することのできるホルモンの効果を制御、低減、ブロック又は阻害するように作用し、しばしば全身性又は体全体の治療の形態である抗ホルモン剤が含まれる。それらはホルモン自体であってもよい。例には、例えば、タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標)タモキシフェンを含む)、ラロキシフェン(EVISTA(登録商標))、ドロロキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、及びトレミフェン(FARESTON(登録商標))を含む抗エストロゲン及び選択的エストロゲン受容体調節剤(SERM);抗プロゲステロン;エストロゲン受容体下方制御因子(ERD);フルベストラント(FASLODEX(登録商標))等のエストロゲン受容体アンタゴニスト;卵巣を抑制するか又は活動停止するように機能する薬剤、例えば、酢酸ロイプロリド(LUPRON(登録商標)及びELIGARD(登録商標))、酢酸ゴセレリン、酢酸ブセレリン及びトリプテレリン等の黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト;フルタミド、ニルタミド及びビカルタミド等の他の抗アンドロゲン薬;並びに副腎におけるエストロゲン生成を調節する酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤、例えば、4(5)-イミダゾール、アミノグルテチミド、酢酸メゲストロール(MEGASE(登録商標))、エキセメスタン(AROMASIN(登録商標))、フォルメスタニー(formestanie)、ファドロゾール、ボロゾール(RIVISOR(登録商標))、レトロゾール(FEMARA(登録商標))及びアナストロゾール(ARIMIDEX(登録商標))が含まれる。加えて、化学療法剤のそのような定義には、ビスホスホネート、例えば、クロドロネート(例えば、BONEFOS(登録商標)又はOSTAC(登録商標))、エチドロネート(DIDROCAL(登録商標))、NE-58095、ゾレドロン酸/ゾレドロネート(ZOMETA(登録商標))、アレンドロネート(FOSAMAX(登録商標))、パミドロネート(AREDIA(登録商標))、チルドロネート(SKELID(登録商標))又はリセドロネート(ACTONEL(登録商標));並びに、トロキサシタビン(1,3-ジオキソランヌクレオシドシトシンアナログ)、アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に、異常な細胞増殖に関わるシグナル伝達経路(例えば、PKC-α、Raf、H-Ras及び上皮増殖因子受容体(EGF-R)等)における遺伝子の発現を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチド;THERATOPE(登録商標)ワクチン及び遺伝子治療ワクチン等のワクチン、例えばALLOVECTIN(登録商標)ワクチン、LEUVECTIN(登録商標)ワクチン及びVAXID(登録商標)ワクチンが含まれる。

【0087】

[0093]いくつかの実施形態では、化学療法剤には、トポイソメラーゼ1阻害剤(例えば、LURTOTECAN(登録商標));フルベストラント等の抗エストロゲン剤;イマチニブ又はEXEL-0862(チロシンキナーゼ阻害剤)等のKit阻害剤;エルロチニブ又はセツキシマブ等のEGFR阻害剤;ベバシズマブ等の抗VEGF阻害剤;アリノテカン、rmRH(例えば、ABARELIX(登録商標));ラパチニブ及びラパチニウムジトシレート(ErbB-2及びEGFR二重チロシンキナーゼ小分子阻害剤、GW572016としても知られる);17AAG(熱ショックタンパク質(Hsp)90毒であるゲルダナマイシン誘導体)、及び上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸又は誘導体が含まれる。

【0088】

[0094]化学療法剤には、抗体、例えば、アレムツズマブ(Campath)、ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標)、Genentech);セツキシマブ(ERBITUX(登録商標)、Imclone);パニツムマブ(VECTIBIX(登録商標)、Amgen)、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標)、Genentech/Biogen Idec)、ウブリツキシマブ、オファツムマブ、イブリツモマブチウキセタン、ペルツズマブ(OMNITARG(登録商標)、2C4、Genentech)、トラスツズマブ(HERCEPTIN(登録商標)、Genentech)、トシツモマブ(Bexxar、Corixia)、及び抗体-薬物コンジュゲート、ゲムツズマブオゾガミシン(MYLOTARG(登録商標)、Wyeth)も含まれる。本開示の化合物又は薬剤と組み合わせた薬剤としての治療可能性を有する追加のヒト化モノクローナル抗体には、アポリズマブ、アセリズマブ、アトリズマブ、バピヌズマブ、ビバツズマブメルタンシン、カンツズマブメルタンシン、セデリズマブ、セロリズマブペゴール、シドフシツズマブ、シドツズマブ、ダクリズマブ、エクリズマブ、エファリズマブ、エプラツズマブ、エルリズマブ、フェルビズマブ、フォントリズマブ、ゲムツズマブオゾガミシン、イノツズマブオゾガマイシン、イピリムマブ、ラベツズマブ、リンツズマブ、マッツズマブ、メポリズマブ、モタビズマブ、モトビズマブ、ナタリズマブ、ニモツズマブ、ノロビズマブ、ヌマビズマブ、オクレリズマブ、オマリズマブ、パリビズマブ、パスコリズマブ、ペクフシツズマブ、ペクセリズマブ、ペクセリズマブ、ラリビズマブ、ラニビズマブ、レスリビズマブ、レスリズマブ、レスリビズマブ、ロベリズマブ、ルピズマブ、シブロツズマブ、シプリズマブ、ソンツズマブ、タカタツズマブテトラキセタン、タドキシズマブ、タリズマブ、テフィバズマブ、トシリズマブ、トラリズマブ、ツコツズマブセルモレウキン、ツクシツズマブ、ウマビズマブ、ウルトキサズマブ、ウステキヌマブ、ビジリズマブ、及びインターロイキン-12p40タンパク質を認識するように遺伝子的に修飾された、ヒト配列のみの組み換え完全長IgG1λ抗体である抗インターロイキン-12(ABT-874/J695、Wyeth Research and Abbott Laboratories)が含まれる。

【0089】

[0095]「添付文書」という用語は、治療用製品の市販パッケージに通例含まれる説明書であって、そのような治療用製品の使用に関する適応症、用法、用量、投与、併用療法、禁忌及び/又は警告についての情報を含む説明書を指すために使用される。

【0090】

[0096]「アルキル」は、ノルマル、2級、3級又は環状の炭素原子を含むC-C18炭化水素である。例は、メチル(Me、-CH)、エチル(Et、-CHCH)、1-プロピル(n-Pr、n-プロピル、-CHCHCH)、2-プロピル(i-Pr、i-プロピル、-CH(CH)、1-ブチル(n-Bu、n-ブチル、-CHCHCHCH)、2-メチル-1-プロピル(i-Bu、i-ブチル、-CHCH(CH)、2-ブチル(s-Bu、s-ブチル、-CH(CH)CHCH)、2-メチル-2-プロピル(t-Bu、t-ブチル、-C(CH)3)、1-ペンチル(n-ペンチル、-CHCHCHCHCH)、2-ペンチル(-CH(CH)CHCHCH)、3-ペンチル(-CH(CHCH)2)、2-メチル-2-ブチル(-CCHCHCH)、3-メチル-2-ブチル(-CH(CH)CH(CH)、3-メチル-1-ブチル(-CHCHCH(CH)、2-メチル-1-ブチル(-CHCH(CH)CHCH)、1-ヘキシル(-CHCHCHCHCHCH)、2-ヘキシル(-CH(CH)CHCHCHCH)、3-ヘキシル(-CH(CHCH)(CHCHCH))、2-メチル-2-ペンチル(-C(CHCHCHCH)、3-メチル-2-ペンチル(-CH(CH)CH(CH)CHCH)、4-メチル-2-ペンチル(-CH(CH)CHCH(CH)、3-メチル-3-ペンチル(-C(CH)(CHCH)2)、2-メチル-3-ペンチル(-CH(CHCH)CH(CH)、2,3-ジメチル-2-ブチル(-CCHCH(CH)、3,3-ジメチル-2-ブチル(-CH(CH)、C(CHである。

【0091】

[0097]本明細書で使用される「C-Cアルキル」という用語は、1~8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐の飽和又は不飽和炭化水素を指す。代表的な「C-Cアルキル」基には、限定されないが、-メチル、-エチル、-n-プロピル、-n-ブチル、-n-ペンチル、-n-ヘキシル、-n-ヘプチル、-n-オクチル、-n-ノニル及び-n-デシルが含まれ、分枝C-Cアルキルには、限定されないが、-イソプロピル、-sec-ブチル、-イソブチル、-tert-ブチル、-イソペンチル、2-メチルブチルが含まれ、不飽和C-Cアルキルには、限定されないが、-ビニル、-アリル、-1-ブテニル、-2-ブテニル、-イソブチレニル(isobutylenyl)、-1-ペンテニル、-2-ペンテニル、-3-メチル-1-ブテニル、-2-メチル-2-ブテニル、-2,3-ジメチル-2-ブテニル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、-アセチレニル、-プロピニル、-1-ブチニル、-2-ブチニル、-1-ペンチニル、-2-ペンチニル、-3-メチル-1 ブチニルが含まれる。C-Cアルキル基は、非置換であるか、又は-C-Cアルキル、-O-(C-Cアルキル)、-アリール、-C(O)R’-OC(O)R’、-C(O)OR’-C(O)NH、-C(O)NHR’、-C(O)N(R’)-NHC(O)R’、-SOR’、-S(O)R’、-S(O)R’、-OH、-ハロゲン、-N、-NH、-NH(R’)、-N(R’)及び-CNを含むがこれらに限定されない1つ又は複数の基で置換されてよく、式中、各R’は、H、-C-Cアルキル及びアリールから独立して選択される。

【0092】

[0098]本明細書で使用される「C-C12アルキル」という用語は、1~12個の炭素原子を有する直鎖又は分岐の飽和又は不飽和炭化水素を指す。C-C12アルキル基は、非置換であるか、又は-C-Cアルキル、-O-(C-Cアルキル)、-アリール、-C(O)R’、-OC(O)R’、-C(O)OR’、-C(O)NH、-C(O)NHR’、-C(O)N(R’)-NHC(O)R’、-SOR’、-S(O)R’、-S(O)R’、-OH、-ハロゲン、-N、-NH、-NH(R’)、-N(R’)及び-CNを含むがこれらに限定されない1つ又は複数の基で置換されてよく、式中、各R’は、H、-C-Cアルキル及びアリールから独立して選択される。

【0093】

[0099]本明細書で使用される「C-Cアルキル」という用語は、1~6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐の飽和又は不飽和炭化水素を指す。代表的な「C-Cアルキル」基には、限定されないが、-メチル、-エチル、-n-プロピル、-n-ブチル、-n-ペンチル、及びn-ヘキシルが含まれ、分枝C-Cアルキルには、限定されないが、-イソプロピル、-sec-ブチル、-イソブチル、-tert-ブチル、-イソペンチル、及び2-メチルブチルが含まれ、不飽和C-Cアルキルには、限定されないが、-ビニル、-アリル、-1-ブテニル、-2-ブテニル、及び-イソブチレニル、-1-ペンテニル、-2-ペンテニル、-3-メチル-1-ブテニル、-2-メチル-2-ブテニル、-2,3-ジメチル-2-ブテニル、1-ヘキシル、2-ヘキシル、及び3-ヘキシルが含まれる。C-Cアルキル基は、非置換であるか、又はC-Cアルキル基について上述したように、1つ又は複数の基で置換されていてもよい。

【0094】

[0100]本明細書で使用される「C-Cアルキル」という用語は、1~4個の炭素原子を有する直鎖又は分岐の飽和又は不飽和炭化水素を指す。代表的な「C-Cアルキル」基には、限定されないが、-メチル、-エチル、-n-プロピル、-n-ブチルが含まれ、分枝C-Cアルキルには、限定されないが、-イソプロピル、-sec-ブチル、-イソブチル、-tert-ブチルが含まれ、不飽和C-Cアルキルには、限定されないが、-ビニル、-アリル、-1-ブテニル、-2-ブテニル、及び-イソブチレニルが含まれる。C-Cアルキル基は、非置換であるか、又はC-Cアルキル基について上述したように、1つ又は複数の基で置換されていてもよい。

【0095】

[0101]「アルコキシ」は、酸素に単独で結合したアルキル基である。例示的なアルコキシ基には、限定されないが、メトキシ(-OCH)及びエトキシ(-OCHCH)が含まれる。「C-Cアルコキシ」は、1~5個の炭素原子を有するアルコキシ基である。アルコキシ基は、アルキル基について上述したように、非置換であってもよく、又は1つ若しくは複数の基で置換されていてもよい。

【0096】

[0102]「アルケニル」は、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち炭素-炭素のsp二重結合を有するノルマル、2級、3級又は環状炭素原子を含むC-C18炭化水素である。その例には、限定されないが:エチレン又はビニル(-CH=CH)、アリル(-CHCH=CH)、シクロペンテニル(-C)、及び5-ヘキセニル(-CH CHCHCHCH=CH)が含まれる。「C-Cアルケニル」は、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち炭素-炭素、sp二重結合を有する2~8個のノルマル、2級、3級又は環状炭素原子を含む炭化水素である。

【0097】

[0103]「アルキニル」は、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち炭素-炭素のsp三重結合を有するノーマル、2級、3級又は環状炭素原子を含むC-C18炭化水素である。その例には、限定されないが、アセチレン(-C≡CH)及びプロパルギル(-CHC≡CH)が含まれる。「C-Cアルキニル」は、少なくとも1つの不飽和部位、すなわち炭素-炭素、sp三重結合を有する2~8個のノルマル、二級、三級又は環状炭素原子を含む炭化水素である。

【0098】

[0104]「アルキレン」は、1~18個の炭素原子の飽和、分岐又は直鎖又は環状の炭化水素ラジカルを指し、親アルカンの同じ又は2つの異なる炭素原子から2つの水素原子を除去することによって誘導される2つの一価ラジカル中心を有する。典型的なアルキレンラジカルには、限定されないが、メチレン(-CH-)1,2-エチル(-CHCH-)、1,3-プロピル(-CHCHCH-)、及び1,4-ブチル(-CHCHCHCH-)等が含まれる。

【0099】

[0105]「C-C10アルキレン」は、式-(CH1-10-の直鎖飽和炭化水素基である。C-C10アルキレンの例には、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン及びデカレンが含まれる。

【0100】

[0106]「アルケニレン」は、2~18個の炭素原子の不飽和、分岐又は直鎖又は環状の炭化水素ラジカルを指し、親アルケンの同じ又は2つの異なる炭素原子から2つの水素原子を除去することによって誘導される2つの一価ラジカル中心を有する。典型的なアルケニレンラジカルには、限定されないが、以下が含まれる:1,2-エチレン(-CH=CH-)。

【0101】

[0107]「アルキニレン」は、2~18個の炭素原子の不飽和、分岐又は直鎖又は環状の炭化水素ラジカルを指し、親アルキンの同じ又は2つの異なる炭素原子から2つの水素原子を除去することによって誘導される2つの一価ラジカル中心を有するす。典型的なアルキニレンラジカルには、限定されないが、アセチレン(-C≡C-)、プロパギル(-CHC≡C-)、及び4-ペンチニル(-CHCHCHC≡C-)が含まれる。

【0102】

[0108]「アリール」は、炭素環式芳香族基を指す。アリール基の例には、限定されないが、フェニル、ナフチル及びアントラセニルが含まれる。炭素環式芳香族基又は複素環式芳香族基は、非置換であってもよく、又は-C-Cアルキル、-O-(C-Cアルキル)、-アリール、-C(O)R’、-OC(O)R’、-C(O)OR’、-C(O)NH、-C(O)NHR’、-C(O)N(R’)-NHC(O)R’、-S(O)R’、-S(O)R’、-OH、-ハロゲン、-N、-NH、-NH(R’)、-N(R’)及び-CNを含むがこれらに限定されない1つ又は複数の基(式中、各R’は、H、-C-Cアルキル及びアリールから独立して選択される)で置換されてもよい。

【0103】

[0109]「C-C20アリール」は、炭素環式芳香族環に5から20個の炭素原子を有するアリール基である。C-C20アリール基の例には、限定されないが、フェニル、ナフチル及びアントラセニルが含まれる。C-C20アリール基は、アリール基について上述したように置換又は非置換でありうる。「C-C14アリール」は、炭素環式芳香族環に5から14個の炭素原子を有するアリール基である。C-C14アリール基の例には、限定されないが、フェニル、ナフチル及びアントラセニルが含まれる。C-C14アリール基は、アリール基について上述したように置換又は非置換でありうる。

【0104】

[0110]「アリーレン」は、2つの共有結合を有し、以下の構造に示されるようにオルト、メタ又はパラ配置でありうるアリール基である:

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[式中、フェニル基は、非置換であるか、又は-C-Cアルキル、-O-(C-Cアルキル)、-アリール、-C(O)R’、-OC(O)R’、-C(O)OR’、-C(O)NH、-C(O)NHR’、-C(O)N(R’)-NHC(O)R’、-S(O)R’、-S(O)R’、-OH、-ハロゲン、-N、-NH、-NH(R’)、-N(R’)及び-CNを含むがこれらに限定されない4個までの基で置換されてもよく、ここで、各R’は、H、-C-Cアルキル及びアリールから独立して選択される]。

【0105】

[0111]「アリールアルキル」は、炭素原子、典型的には末端又はsp3炭素原子に結合した水素原子の1つがアリールラジカルで置き換えられている非環式アルキルラジカルを指す。典型的なアリールアルキル基には、限定されないが、ベンジル、2-フェニルエタン-1-イル、2-フェニルエテン-1-イル、ナフチルメチル、2-ナフチルエタン-1-イル、2-ナフチルエテン-1-イル、ナフトベンジル、及び2-ナフトフェニルエタン-1-イル等が含まれる。アリールアルキル基は、6から20個の炭素原子を含み、例えば、アリールアルキル基の、アルカニル、アルケニル又はアルキニル基を含むアルキル部分は、1から6個の炭素原子であり、アリール部分は、5から14個の炭素原子である。

【0106】

[0112]「ヘテロアリールアルキル」は、炭素原子、典型的には末端又はsp3炭素原子に結合した水素原子の1つがヘテロアリールラジカルで置き換えられている非環式アルキルラジカルを指す。典型的なヘテロアリールアルキル基には、限定されないが、2-ベンズイミダゾリルメチル、及び2-フリルエチル等が含まれる。ヘテロアリールアルキル基は6から20個の炭素原子を含み、例えばヘテロアリールアルキル基のアルカニル、アルケニル又はアルキニル基を含むアルキル部分は1から6個の炭素原子であり、ヘテロアリール部分は5から14個の炭素原子、並びにN、O、P、及びSから選択された1から3個のヘテロ原子である。ヘテロアリールアルキル基のヘテロアリール部分は、3から7の環員を有する単環(2から6個の炭素原子)又は7から10の環員を有する二環(4から9個の炭素原子とN、O、P、及びSから選択された1から3個のヘテロ原子)、例えば:ビシクロ[4,5],[5,5],[5,6]、又は[6,6]系でありうる。

【0107】

[0113]「置換アルキル」、「置換アリール」、及び「置換アリールアルキル」は、1つ又は複数の水素原子が各々独立して置換基で置き換えられている、アルキル、アリール、及びアリールアルキルをそれぞれ意味する。典型的な置換基には、限定されないが、-X、-R、-O-、-OR、-SR、-S-、-NR、-NR、=NR、-CX、-CN、-OCN、-SCN、-N=C=O、-NCS、-NO、-NO、=N、-N、NC(=O)R、-C(=O)R、-C(=O)NR、-SO-、-SOH、-S(=O)R、-OS(=O)OR、-S(=O)NR、-S(=O)R、-OP(=O)(OR)、-P(=O)(OR)、-PO 、-PO、-C(=O)R、-C(=O)X、-C(=S)R、-COR、-CO 、-C(=S)OR、-C(=O)SR、-C(=S)SR、-C(=O)NR、-C(=S)NR、-C(=NR)NRが含まれ、式中、各Xは、独立して、ハロゲン:F、Cl、Br、又はIであり;各Rは、独立して、-H、C-C18アルキル、C-C20アリール、C-C14複素環、保護基又はプロドラッグ部分である。上述のアルキレン基、アルケニレン基及びアルキニレン基も、同様に置換されうる。

【0108】

[0114]「ヘテロアリール」及び「複素環」は、1つ又は複数の環原子がヘテロ原子、例えば窒素、酸素及び硫黄である環系を指す。ヘテロシクリルラジカルは、3から20個の炭素原子と、N、O、P、及びSから選択される1から3個のヘテロ原子とを含む。複素環は、3から7の環員(2から6個の炭素原子と、N、O、P、及びSから選択される1から3個のヘテロ原子)を有する単環、又は7から10の環員(4から9個の炭素原子と、N、O、P、及びSから選択される1から3個のヘテロ原子)を有する二環、例えば:ビシクロ[4,5],[5,5],[5,6]、又は[6,6]系でありうる。

【0109】

[0115]例示的な複素環は、例えば、in Paquette、Leo A.,“Principles of Modern Heterocyclic Chemistry”(W.A.Benjamin,New York,1968),particularly Chapters 1,3,4,6,7,and 9;“The Chemistry of Heterocyclic Compounds,A series of Monographs”(John Wiley & Sons,New York,1950 to present)、特にVolumes 13,14,16,19,and 28;及びJ.Am.Chem.Soc.(1960)82:5566に記載される。

【0110】

[0116]複素環の例には、限定ではなく例として、ピリジル、ジヒドロイピリジル、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、チアゾリル、テトラヒドロチオフェニル、硫黄酸化テトラヒドロチオフェニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフラニル、チアナフタレニル、インドリル、インドレニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ピペリジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、2-ピロリドニル、ピロリニル、テトラヒドロフラン、ビス-テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラニル、ビス-テトラヒドロピラニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、アゾシニル、トリアジニル、6H-1,2,5-チアジアジニル、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、チエニル、チアントレニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチニル、2H-ピロリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H-インドリル、1H-インダゾリル、プリニル、4H-キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、4aH-カルバゾリル、カルバゾリル、β-カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペラジニイル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソキサゾリル、オキシンドリル、ベンゾキサゾリニル、及びイサチノイルが含まれる。

【0111】

[0117]限定ではなく例として、炭素結合した複素環は、ピリジンの2、3、4、5、若しくは6位、ピリダジンの3、4、5、若しくは6位、ピリミジンの2、4、5、若しくは6位、ピラジンの2、3、5、若しくは6位、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロール、若しくはテトラヒドロピロールの2、3、4、若しくは5位、オキサゾール、イミダゾール、若しくはチアゾールの2、4、若しくは5位、イソキサゾール、ピラゾール、若しくはイソチアゾールの3、4、若しくは5位、アジリジンの2若しくは3位、アゼチジンの2、3、若しくは4位、キノリンの2、3、4、5、6、7、若しくは8位、又はイソキノリンの1、3、4、5、6、7、若しくは8位で結合される。さらにより典型的には、炭素結合複素環には、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、5-ピリジル、6-ピリジル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、5-ピリダジニル、6-ピリダジニル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル、6-ピリミジニル、2-ピラジニル、3-ピラジニル、5-ピラジニル、6-ピラジニル、2-チアゾリル、4-チアゾリル又は5-チアゾリルが含まれる。

【0112】

[0118]限定ではなく例として、窒素結合した複素環は、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2-ピロリン、3-ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2-イミダゾリン、3-イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2-ピラゾリン、3-ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H-インダゾールの1位、イソインドール又はイソインドリンの2位、モルホリンの4位、及びカルバゾ-ル又はβ-カルボリンの9位で結合される。さらにより典型的には、窒素結合複素環には、1-アジリジル、1-アゼテジル、1-ピロリル、1-イミダゾリル、1-ピラゾリル及び1-ピペリジニルが含まれる。

【0113】

[0119]「C-C複素環」は、O、S及びNからなる群より選択される環炭素原子のうちの1から4個が独立してヘテロ原子で置換されている、芳香族又は非芳香族C-C炭素環を指す。C-C複素環の代表的な例には、限定されないが、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェン、インドリル、ベンゾピラゾリル、クマリニル、イソキノリニル、ピロリル、チオフェニル、フラニル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、キノリニル、ピリミジニル、ピリジニル、ピリドニル(pyridonyl)、ピラジニル、ピリダジニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル及びテトラゾリルが含まれる。C-C複素環は、非置換であるか、又は-C-Cアルキル、-O-(C-Cアルキル)、-アリール、-C(O)R’、-OC(O)R’、-C(O)OR’、-C(O)NH、-C(O)NHR’、-C(O)N(R’)-NHC(O)R’、-S(O)R’、-S(O)R’、-OH、-ハロゲン、-N、-NH、-NH(R’)、-N(R’)及び-CNを含むがこれらに限定されない7個までの基で置換されてよく、式中、各R’は、H、-C-Cアルキル及びアリールから独立して選択される。

【0114】

[0120]「C-Cヘテロシクロ」は、複素環基の水素原子の1つが単結合で置き換えられている、上で定義されるC-C複素環基を指す。C-Cヘテロシクリロは、非置換であるか、又は-C-Cアルキル、-O-(C-Cアルキル)、-アリール、-C(O)R’、-OC(O)R’、-C(O)OR’、-C(O)NH、-C(O)NHR’、-C(O)N(R’)-NHC(O)R’、-S(O)R’、-S(O)R’、-OH、-ハロゲン、-N、-NH、-NH(R’)、-N(R’)及び-CNを含むがこれらに限定されない7個までの基で置換されてよく、式中、各R’は、H、-C-Cアルキル及びアリールから独立して選択される。

【0115】

[0121]「C-C20複素環」は、環炭素原子のうちの1から4個が、独立して、O、S及びNからなる群からのヘテロ原子で置換されている、芳香族又は非芳香族C-C炭素環を指す。C-C20複素環は、非置換であるか、又は-C-Cアルキル、-O-(C-Cアルキル)、-アリール、-C(O)R’、-OC(O)R’、-C(O)OR’、-C(O)NH 、-C(O)NHR’、-C(O)N(R’)-NHC(O)R’、-S(O)R’、-S(O)R’、-OH、-ハロゲン、-N、-NH、-NH(R’)、-N(R’)及び-CNを含むがこれらに限定されない7個までの基で置換されてもよく、式中、各R’は、独立して、H、-C-Cアルキル及びアリールから選択される。

【0116】

[0122]「C-C20ヘテロシクロ」は、複素環基の水素原子の1つが単結合で置き換えられている、上で定義されるC-C20複素環基を指す。

【0117】

[0123]「炭素環」は、単環としての3から7個の炭素原子又は二環としての7から12個の炭素原子を有する飽和又は不飽和環を意味する。単環式炭素環は、3から6個の環原子、さらにより典型的には5又は6個の環原子を有する。二環式炭素環は、例えば、ビシクロ[4,5]、[5、5]、[5,6]若しくは[6,6]系として配置された7から12個の環原子、又はビシクロ[5,6]若しくは[6,6]系として配置された9若しくは10個の環原子を有する。単環式炭素環の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1-シクロペンタ-1-エニル、1-シクロペンタ-2-エニル、1-シクロペンタ-3-エニル、シクロヘキシル、1-シクロヘキサ-1-エニル、1-シクロヘキサ-2-エニル、1-シクロヘキサ-3-エニル、シクロヘプチル及びシクロオクチルが含まれる。

【0118】

[0124]「C-C炭素環」は、3、4、5、6、7又は8員の飽和又は不飽和の非芳香族炭素環式環である。代表的なC-C炭素環には、限定されないが、-シクロプロピル、-シクロブチル、-シクロペンチル、-シクロペンタジエニル、-シクロヘキシル、-シクロヘキセニル、-1,3-シクロヘキサジエニル、-1,4-シクロヘキサジエニル、-シクロヘプチル、-1、3-シクロヘプタジエニル、-1,3,5-シクロヘプタトリエニル、-シクロオクチル及び-シクロオクタジエニルが含まれる。C-C炭素環基は、非置換であるか、又は-C-Cアルキル、-O-(C-Cアルキル)、-アリール、-C(O)R’、-OC(O)R’、-C(O)OR’、-C(O)NH、-C(O)NHR’、-C(O)N(R’)-NHC(O)R’、-S(O)R’、-S(O)R’、-OH、-ハロゲン、-N、-NH、-NH(R’)、-N(R’)及び-CNを含むがこれらに限定されない1つ又は複数の基で置換されてよく、式中、各R’は、H、-C-Cアルキル及びアリールから独立して選択される。

【0119】

[0125]「C-Cカルボシクロ」は、炭素環基の水素原子の1つが単結合で置き換えられている、上で定義されるC-C炭素環基を指す。

【0120】

[0126]「リンカー」は、共有結合、又は抗体を薬物部分に共有結合させる原子の鎖を含む化学部分を指す。種々の実施態様では、リンカーは、アルキルジイル、アリールジイル、ヘテロアリールジイルといった二価のラジカル、-(CR)nO(CR)n-といった部分、アルキルオキシ(例えばポリエチレンオキシ、PEG、ポリメチレンオキシ)及びアルキルアミノ(例えばポリエチレンアミノ、JeffamineTM)の反復単位;並びにスクシネート、スクシンアミド、ジグリコレート、マロネート、及びカプロアミドを含む二価酸エステル及びアミドを含む。種々の実施形態では、リンカーは、バリン、フェニルアラニン、リジン、及びホモリジン等の1つ又は複数のアミノ酸残基を含むことができる。

【0121】

[0127]「キラル」という用語は、鏡像パートナーを重ね合せることができないという特性を有する分子を指し、一方、「アキラル」という用語は、それらの鏡像パートナー上に重ね合せることのできる分子を指す。

【0122】

[0128]「立体異性体」という用語は、同一の化学構成を有するが、空間内の原子又は基の配置に関して異なる化合物を指す。

【0123】

[0129]「ジアステレオマー」は、2つ以上のキラル性の中心を有し、それらの分子が互いの鏡像でない立体異性体を指す。ジアステレオマーは、異なる物理的性質、例えば融点、沸点、スペクトル特性及び反応性を有する。ジアステレオマーの混合物は、電気泳動法及びクロマトグラフィー等の高分解能分析手順の下で分離されうる。

【0124】

[0130]「エナンチオマー」は、互いに重ね合せることのできない鏡像である、化合物の2つの立体異性体を指す。

【0125】

[0131]本明細書で使用される立体化学的な定義及び慣例は、一般的にS.P.Parker,Ed.,McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms(1984)McGraw-Hill Book Company,New York;and Eliel、E.and Wilen,S.,Stereochemistry of Organic Compounds(1994)John Wiley & Sons,Inc.,New Yorkに従う。多くの有機化合物は、光学的に活性な形態で存在する、すなわち、それらは平面偏光面を回転させる能力を有する。光学的に活性な化合物の記載において、接頭語DとL、又はRとSは、その1つ以上のキラル中心を中心とした分子の絶対配置を表すために使用される。接頭語dとl又は(+)と(-)は、化合物による平面偏光の回転の符号を表すために用いられ、(-)又は1はその化合物が左旋性であることを意味する。接頭語(+)又はdを有する化合物は、右旋性である。所与の化学構造において、これら立体異性体は、互いの鏡像であることを除いて同一である。特定の立体異性体はエナンチオマーと呼ばれることもあり、そのような異性体の混合物をしばしばエナンチオマー混合物と呼ぶ。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物又はラセミ体と呼ばれ、これは、化学反応又は化学プロセスにおいて立体選択又は立体特異性がなかった場合に生じうる。用語「ラセミ混合物」及び「ラセミ体」は、2つのエナンチオマー種の等モル混合物を指し、光学活性がないものをいう。

【0126】

[0132]「脱離基」は、別の官能基によって置換することのできる官能基を指す。特定の脱離基は当技術分野で周知であり、その例には、限定されないが、ハロゲン化物(例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、メタンスルホニル(メシル)、p-トルエンスルホニル(トシル)、トリフルオロメチルスルホニル(トリフレート)及びトリフルオロメチルスルホネートが含まれる。

【0127】

[0133]「保護基」という用語は、化合物上の他の官能基と反応する一方で、特定の官能性をブロック又は保護するために一般的に用いられる置換基を指す。例えば、「アミノ保護基」は、化合物のアミノ官能性をブロック又は保護する、アミノ基に結合する置換基である。適切なアミノ保護基には、限定されないが、アセチル、トリフルオロアセチル、t-ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ)、及び9-フルオレニルメチレンオキシカルボニル(fluorenylmethylenoxycarbonyl)(Fmoc)が含まれる。保護基及びその使用の一般的な説明については、T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,New York,1991又はその後の版を参照されたい。

【0128】

III.方法
[0134]本明細書に提供されるのは、B細胞増殖性疾患(例えばびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、例えば、再発性/難治性のDLBCL)の治療を必要とする個体(ヒト個体)において、B細胞増殖性疾患を治療する方法であり、この方法は、個体に対して、有効量の:(a)細胞傷害性剤に連結したCD79bに結合する抗体を含むイムノコンジュゲート、及び(b)少なくとも1つの追加の治療剤を投与することを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の治療剤は、化学療法剤である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の治療剤は、細胞傷害性剤である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の治療剤は、免疫調節剤である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の治療剤は、抗CD20剤、例えば抗CD20抗体である。

【0129】

[0135]いくつかの実施形態では、方法は、個体に対し、有効量の:(a)細胞傷害性剤に連結した抗CD79b抗体を含むイムノコンジュゲート(すなわち、抗CD79bイムノコンジュゲート),(b)免疫調節剤、及び(c)抗CD20抗体を投与することを含む。

【0130】

[0136]本明細書に提供されるのはまた、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL、例えば、再発性/難治性DLBCL)の治療を必要とする個体(ヒト個体)におけるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫を治療する方法であり、この方法は、有効量の:(a)式:

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[式中、Abは、(i)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(ii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(iii)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(iv)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(v)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(vi)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む抗CD79b抗体であり、pは、1と8との間である]を含むイムノコンジュゲート、(b)免疫調節剤、及び(c)抗CD20抗体を投与することを含む。

【0131】

[0137]いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)と、配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)とを含む抗CD79b抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号37のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号35のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む抗CD79b抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号38のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む抗CD79b抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号35のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む抗CD79b抗体を含む。いくつかの実施形態では、pは、2と7との間、2と6との間、2と5との間、3と5との間又は3と4との間である。いくつかの実施形態では、pは、3.4である。いくつかの実施形態では、pは、3.5である。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、huMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAEである。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、ポラツズマブベドチン(CAS登録番号1313206426)である。

【0132】

[0138]いくつかの実施形態では、免疫調節剤は、レナリドミドである。

【0133】

[0139]いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、ヒト化B-Ly1抗体である。いくつかの実施形態では、ヒト化B-Ly1抗体は、オビヌツズマブである。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、リツキシマブである。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、オファツムマブ、ウブリツキシマブ(ublituximab)、及び/又はイブリツモマブチウキセタンである。

【0134】

[0140]いくつかの実施形態では、本開示の方法のいずれかによる個体、例えば、ヒトの治療は、治療中又は治療後に(例えば、本明細書に記載される治療レジメン中又は同治療レジメン後に)、少なくとも疾患の安定(SD)(例えば少なくともSD、少なくとも部分寛解(PR)、又は完全奏効/完治(CR))の応答をもたらす。いくつかの実施形態では、本開示の方法のいずれかによる個体、例えば、ヒトの治療は、治療中又は治療後に(例えば、本明細書に記載される治療レジメン中又は同治療レジメン後に)、客観的奏功、最良の全体応答、最良の完全寛解、最良の部分寛解、又は完全寛解をもたらす。客観的奏功、最良の全体応答、最良の完全寛解、最良の部分寛解、完全寛解及び他の治療的応答に関する追加の詳細は、本明細書で以下に提供される。

【0135】

A.投薬及び投与
[0141]本明細書に記載される治療方法のいずれかにおける使用のための本明細書に提供される抗CD79bイムノコンジュゲート及び追加の治療剤(例えば、免疫調節剤及び抗CD20剤)は、医学行動規範と一致した様式で製剤化、投薬、及び投与される。この観点で考慮される因子には、治療される特定の障害、治療される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与計画、及び医学専門家に既知の他の因子が含まれる。イムノコンジュゲートは、必ずしもそうである必要はないが、任意選択的に、問題の障害を防止又は治療するために現在使用されている1つ又は複数の薬剤とともに製剤化される。抗CD79bイムノコンジュゲート及び追加の治療剤(例えば、免疫調節剤及び抗CD20剤)の量、並びに共投与のタイミングは、治療される患者のタイプ(種、性別、年齢、体重等)及び状態と、治療される疾患又は状態の重症度に依存するであろう。抗CD79bイムノコンジュゲート及び追加の治療剤(例えば、免疫調節剤及び抗CD20剤)は、患者に対し、例えば、以下に記載される治療レジメンのいずれかにより、一度の治療で又は一連の治療にわたって、適切に共投与される。

【0136】

[0142]いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)の投薬量は、約1.4~5mg/kg、1.4~4mg/kg、1.4~3.2mg/kg、1.4~2.4mg/kg、又は1.4~1.8mg/kgのいずれかである。方法のいずれかのいくつかの実施形態では、抗CD79イムノコンジュゲートの投薬量は、約1.4、1.5.,1.6.,1.7、1.8、1.9、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8、3.0.,3.2、3.4、3.6、3.8、4.0、4.2、4.4、4.6及び/又は4.8mg/kgのいずれかである。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートの投薬量は、約1.4mg/kgである。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートの投薬量は、約1.8mg/kgである。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートの投薬量は、約2.4mg/kgである。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートの投薬量は、約3.2mg/kgである。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートの投薬量は、約3.6mg/kgである。方法のいずれかのいくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、q3wで(すなわち、3週間に1回)投与される。方法のいずれかのいくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、q4wで(すなわち、4週間に1回)投与される。方法のいずれかのいくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、1カ月に1回投与される。方法のいずれかのいくつかの実施形態では、1カ月は28日である。方法のいずれかのいくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、28日に1回投与される。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、静脈内注入を介して投与される。いくつかの実施形態では、注入を介して投与される投与量は、1用量当たり、約1mgから約1,500mgの範囲である。代替的に、投薬範囲は、約1mgから約1,500mg、約1mgから約1,000mg、約400mgから約1200mg、約600mgから約1000mg、約10mgから約500mg、約10mgから約300mg、約10mgから約200mg、及び約1mgから約200mgである。いくつかの実施形態では、注入を介して投与される投薬量は、1用量当たり、約1μg/mから約10,000μg/mの範囲である。代替的に、投薬範囲は、約1μg/mから約1000μg/m、約1μg/mから約800μg/m、約1μg/mから約600μg/m、約1μg/mから約400μg/m、約10μg/mから約500μg/m、約10μg/mから約300μg/m、約10μg/mから約200μg/m、及び約1μg/mから約200μg/mである。用量は、疾患の症状を軽減又は緩和するために、1日1回、1週間に1回、1週間に複数回であるが1日に1回未満、1ヶ月に複数回であるが1日に1回未満、1ヶ月に複数回であるが1週間に1回未満、1ヶ月に1回、28日に1回、又は間欠的に投与されうる。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートの投薬量は、1.8mg/kgであり、各28日サイクルの1日目に、又は各月の1日目に投与され、1カ月は28日である。投与は、治療されているB細胞増殖性障害の腫瘍又は症状の寛解まで、開示された間隔のいずれかで継続しうる。そのような寛解又は軽減がそのような継続投与によって延長される場合、症状の寛解又は軽減が達成された後に投与を継続しうる。

【0137】

[0143]いくつかの実施形態では、抗CD20剤(例えば、抗CD20抗体、例えばリツキシマブ又はオビヌツズマブ)の投薬量は、約300~1600mg/m及び/又は300~2000mgである。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体の投薬量は、約300、375、600、1000、又は1250mg/m及び/又は300、1000、又は2000mgのいずれかである。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、リツキシマブであり、投与される投薬量は、375mg/mである。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、オビヌツズマブであり、投与される投薬量は、1000mgである。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、q3wで(すなわち、3週間毎に)投与される。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、q4wで(すなわち、4週間に1回)投与される。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、1カ月に1回投与される。いくつかの実施形態では、1カ月は28日である。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、28日に1回投与される。いくつかの実施形態では、アフコシル化された抗CD20抗体(好ましくは、アフコシル化されたヒト化B-Ly1抗体)の投薬量は、3から6週の投薬サイクルの1、8、15日目に800から1600mg(一実施形態では、800から1200mg、例えば1000mg)であり、次いで最大9回の3から4週の投薬サイクルの1日目に400から1200mg(一実施形態では、800から1200mg)の投薬量でありうる。いくつかの実施形態では、用量は、3週投薬スケジュールにおいて1000mgのフラット用量であり、場合によっては第2週に1000mgのフラット用量の追加サイクルが行われる。いくつかの実施形態では、リツキシマブの投薬量は、375mg/mであり、各月の1日目に、又は2カ月毎の1日目に投与される。いくつかの実施形態では、リツキシマブの投薬量は、375mg/mであり、各28日サイクルの1日目に、又は2カ月毎の1日目に投与され、1カ月は28日である。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、静脈内注入によって投与される。

【0138】

[0144]いくつかの実施形態では、免疫調節剤、例えば、レナリドミドの投薬量は、約5mgと約10mgとの間、約10mgと約15mgとの間、又は約15mgと約20mgとの間である。いくつかの実施形態では、免疫調節剤、例えば、レナリドミドの投薬量は、約10mgと約20mgとの間である。いくつかの実施形態では、免疫調節剤、例えば、レナリドミドの投薬量は、約5mg、約10mg、約15mg、又は約20mgである。いくつかの実施形態では、免疫調節剤、例えば、レナリドミドの投薬量は、約5mgである。いくつかの実施形態では、免疫調節剤、例えば、レナリドミドの投薬量は、約10mgである。いくつかの実施形態では、免疫調節剤、例えば、レナリドミドの投薬量は、約15mgである。いくつかの実施形態では、免疫調節剤、例えば、レナリドミドの投薬量は、約20mgである。いくつかの実施形態では、免疫調節剤、例えば、レナリドミドは、例えば、カプセル(例えば、2.5mg、5mg、10mg、15mg、20mg、又は25mgの免疫調節剤を含むカプセル)の形態で、経口投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤、例えば、レナリドミドは、毎日(例えば、1日1回)投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤、例えば、レナリドミドは、毎日(例えば、1日1回)、約5mg、約10mg、約15mg、又は約20mgの用量で、治療レジメン、例えば、本明細書に記載される治療レジメンの各28日サイクルの1~21日目に投与されうる。いくつかの実施形態では、免疫調節剤、例えば、レナリドミドは、毎日(例えば、1日1回)、約5mg、約10mg、約15mg、又は約20mgの用量で、治療レジメン、例えば、本明細書に記載される治療レジメン中、各月の1~21日目に投与されうる。

【0139】

[0145]抗CD79bイムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)と1つ又は複数の追加の治療剤との併用療法のための例示的投薬レジメンは、約1.4~5mg/kgの用量でq4w投与される抗CD79イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)と、約375mg/mの用量でq4w投与されるリツキシマブと、約10~20mgの用量で各28日サイクルの1~21日目に(例えば、q4wで1~21日目の各々に)投与される免疫調節剤(例えば、レナリドミド)とを含む。抗CD79bイムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)と1つ又は複数の追加の治療剤との併用療法のための別の例示的投薬レジメンは、約1.4~5mg/kgの用量で28日に1回(例えば、各28日サイクルの1日目に)投与される抗CD79bイムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)と、約375mg/mの用量で28日に1回(例えば、各28日サイクルの1日目に)投与されるリツキシマブと、約10~20mgの用量で各28日サイクルの1~21日目に投与される免疫調節剤(例えば、レナリドミド)とを含む。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、約1.4mg/kg、1.8mg/kg、2.0mg/kg、2.2mg/kg、2.4mg/kg、3.2mg/kg、又は4.0mg/kgのいずれかの用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、約1.4mg/kgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、約1.8mg/kgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、約2.4mg/kgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約10mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約15mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約20mgの用量で投与される。

【0140】

[0146]抗CD79bイムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)と1つ又は複数の追加の治療剤との併用療法のための例示的投薬レジメンは、約1.4~5mg/kgの用量でq4w投与される抗CD79イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)と、約1000mg/mの用量でq4w投与されるオビヌツズマブと、約10~20mgの用量で各28日サイクルの1~21日目に(例えば、q4wで1~21日目の各々に)投与される免疫調節剤(例えば、レナリドミド)とを含む。抗CD79bイムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)と1つ又は複数の追加の治療剤との併用療法のための別の例示的投薬レジメンは、約1.4~5mg/kgの用量で28日に1回(例えば、各28日サイクルの1日目に)投与される抗CD79イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)と、約1000mgの用量で28日に1回(例えば、各28日サイクルの1日目に)又は各28日サイクルの1、8、及び15日目に投与されるオビヌツズマブと、約10~20mgの用量で各28日サイクルの1~21日目に投与される免疫調節剤(例えば、レナリドミド)とを含む。いくつかの実施形態では、抗CD79イムノコンジュゲートは、約1.4mg/kg、1.8mg/kg、2.0mg/kg、2.2mg/kg、2.4mg/kg、3.2mg/kg、又は4.0mg/kgのいずれかの用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、約1.4mg/kgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、約1.8mg/kgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、約2.4mg/kgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約10mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約15mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約20mgの用量で投与される。

【0141】

[0147]2つ以上の治療剤、例えば抗CD79bイムノコンジュゲートと少なくとも1つの追加の治療剤(例えば、免疫調節剤と抗CD20剤)の投与に関する用語「共投与」、「共投与すること」、「組み合わせ」、又は「組み合わせて」は、2つ(又はそれより多い)別々の製剤としての、又は2つ以上の治療剤を含む単一の製剤としての、2つ以上の治療剤の投与を指す。別々の製剤が使用される場合、共投与は、同時に(すなわち、同じ時点で)又はいずれかの順序で逐次的に行うことができ、好ましくは、すべての活性剤がそれらの生物活性を同時に発揮する期間が存在する。いくつかの実施形態では、2つ以上の治療剤は、同時に又は逐次的に共投与される。いくつかの実施形態では、すべての治療剤が逐次的に共投与されるとき、例えば、本明細書に記載される治療レジメンのいずれかにより、各薬剤の用量は、2回以上の別々の投与において同じ日に投与されるか、又は薬剤の1つが1日目に投与され、1つ以上の他の薬剤が翌日共投与される。

【0142】

[0148]本明細書に記載される治療方法のいずれかにおける使用のための、本明細書に提供されるイムノコンジュゲート(及びいずれかの追加の治療剤、例えば、免疫調節剤及び抗CD20剤)は、非経口、肺内、及び鼻腔内、並びに局所治療に望ましい場合は病巣内投与を含む任意の適切な手段により、投与することができる。非経口注入には、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内、又は皮下投与が含まれる。投薬は、投与が短期か又は長期かに部分的に依存して、任意の適切な経路、例えば、静脈内又は皮下注射等の注射により行うことができる。単回又は種々の時点での複数回投与、ボーラス投与、及びパルス輸注を含むがこれらに限定されない種々の投薬スケジュールが、本明細書で企図される。抗CD79bイムノコンジュゲート(例えば、huMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)は、同じ投与経路又は異なる投与経路によって投与されうる。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、静脈内、筋肉内、皮下、局所、経口、経皮、腹腔内、眼窩内、移植により、吸入により、髄腔内、脳室内、又は鼻腔内投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えばレナリドミド)は、静脈内、筋肉内、皮下、局所、経口、経皮、腹腔内、眼窩内、移植により、吸入により、髄腔内、脳室内、又は鼻腔内投与される。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)は、静脈内、筋肉内、皮下、局所、経口、経皮、腹腔内、眼窩内、移植により、吸入により、髄腔内、脳室内、又は鼻腔内投与される。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートと抗CD20抗体(オビヌツズマブ又はリツキシマブ等)とは、各々が静脈内注入を介して投与され、免疫調節剤(レナリドミド等)は経口投与される。有効量の抗CD79bイムノコンジュゲート、免疫調節剤(例えばレナリドミド)及び抗CD20抗体(例えばオビヌツズマブ又はリツキシマブ)は、疾患、例えば、R/R DLBCLの防止又は治療のために投与されうる。

【0143】

(i)誘導期
[0149]いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)は、誘導期中に投与される。「誘導期」は、抗CD79bイムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)が個体、例えば、ヒトに投与される治療の期間を指す。

【0144】

[0150]いくつかの実施形態では、誘導期中、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)は、28日サイクルで投与される。いくつかの実施形態では、誘導期は、1回未満の完全な28日サイクルを含む。いくつかの実施形態では、誘導期は、1回と6回との間の(例えば、1、2、3、4、5、又は6回の)28日サイクルを含む。いくつかの実施形態では、誘導期は、少なくとも6回の28日サイクルを含む。

【0145】

[0151]いくつかの実施形態では、誘導期中、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.4mg/kgの用量で最初の28日サイクルの1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約10mgの用量で最初の28日サイクルの1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はオビヌツズマブであり、オビヌツズマブは、約1000mgの用量で最初の28日サイクルの1、8、及び15日目の各々に静脈内投与され;イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.4mg/kgの用量で2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約10mgの用量で2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1~21日目の各々に経口投与され、オビヌツズマブは、約1000mgの用量で2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与される。

【0146】

[0152]いくつかの実施形態では、誘導期中、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.4mg/kgの用量で最初の28日サイクルの1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約15mgの用量で最初の28日サイクルの1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はオビヌツズマブであり、オビヌツズマブは、約1000mgの用量で最初の28日サイクルの1、8、及び15日目の各々に静脈内投与され;イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.4mg/kgの用量で2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約15mgの用量で2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1~21日目の各々に経口投与され、オビヌツズマブは、約1000mgの用量で2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与される。

【0147】

[0153]いくつかの実施形態では、誘導期中、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.4mg/kgの用量で最初の28日サイクルの1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約20mgの用量で最初の28日サイクルの1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はオビヌツズマブであり、オビヌツズマブは、約1000mgの用量で最初の28日サイクルの1、8、及び15日目の各々に静脈内投与され;イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.4mg/kgの用量で2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約20mgの用量で2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1~21日目の各々に経口投与され、オビヌツズマブは、約1000mgの用量で2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与される。

【0148】

[0154]いくつかの実施形態では、誘導期中、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.8mg/kgの用量で最初の28日サイクルの1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約10mgの用量で最初の28日サイクルの1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はオビヌツズマブであり、オビヌツズマブは、約1000mgの用量で最初の28日サイクルの1、8、及び15日目の各々に静脈内投与され;イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.8mg/kgの用量で2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約10mgの用量で2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1~21日目の各々に経口投与され、オビヌツズマブは、約1000mgの用量で2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与される。

【0149】

[0155]いくつかの実施形態では、誘導期中、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.8mg/kgの用量で最初の28日サイクルの1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約15mgの用量で最初の28日サイクルの1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はオビヌツズマブであり、オビヌツズマブは、約1000mgの用量で最初の28日サイクルの1、8、及び15日目の各々に静脈内投与され;イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.8mg/kgの用量で2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約15mgの用量で2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1~21日目の各々に経口投与され、オビヌツズマブは、約1000mgの用量で2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与される。

【0150】

[0156]いくつかの実施形態では、誘導期中、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.8mg/kgの用量で最初の28日サイクルの1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約20mgの用量で最初の28日サイクルの1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はオビヌツズマブであり、オビヌツズマブは、約1000mgの用量で最初の28日サイクルの1、8、及び15日目の各々に静脈内投与され;イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.8mg/kgの用量で2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約20mgの用量で2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1~21日目の各々に経口投与され、オビヌツズマブは、約1000mgの用量で2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与される。

【0151】

[0157]いくつかの実施形態では、誘導期中、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.4mg/kgの用量で各28日サイクルの1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約10mgの用量で各28日サイクルの1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はリツキシマブであり、リツキシマブは、約375mg/mの用量で各28日サイクルの1日目に静脈内投与される。

【0152】

[0158]いくつかの実施形態では、誘導期中、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.4mg/kgの用量で各28日サイクルの1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約15mgの用量で各28日サイクルの1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はリツキシマブであり、リツキシマブは、約375mg/mの用量で各28日サイクルの1日目に静脈内投与される。

【0153】

[0159]いくつかの実施形態では、誘導期中、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.4mg/kgの用量で各28日サイクルの1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約20mgの用量で各28日サイクルの1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はリツキシマブであり、リツキシマブは、約375mg/mの用量で各28日サイクルの1日目に静脈内投与される。

【0154】

[0160]いくつかの実施形態では、誘導期中、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.8mg/kgの用量で各28日サイクルの1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約10mgの用量で各28日サイクルの1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はリツキシマブであり、リツキシマブは、約375mg/mの用量で各28日サイクルの1日目に静脈内投与される。

【0155】

[0161]いくつかの実施形態では、誘導期中、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.8mg/kgの用量で各28日サイクルの1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約15mgの用量で各28日サイクルの1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はリツキシマブであり、リツキシマブは、約375mg/mの用量で各28日サイクルの1日目に静脈内投与される。

【0156】

[0162]いくつかの実施形態では、誘導期中、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.8mg/kgの用量で各28日サイクルの1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約20mgの用量で各28日サイクルの1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はリツキシマブであり、リツキシマブは、約375mg/mの用量で各28日サイクルの1日目に静脈内投与される。

【0157】

[0163]いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)は、少なくとも1回の28日サイクルの間投与される。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)は、1回、2回、3回、4回、5回、6回、又はそれよりも多い28日サイクルの間投与される。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)は、最大6回の28日サイクルの間投与される。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)は、6回の28日サイクルの間投与される。

【0158】

[0164]いくつかの実施形態では、誘導期中、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.4mg/kgの用量で1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約10mgの用量で1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はリツキシマブであり、リツキシマブは、約375mg/mの用量で1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与される。

【0159】

[0165]いくつかの実施形態では、誘導期中、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.4mg/kgの用量で1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約15mgの用量で1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はリツキシマブであり、リツキシマブは、約375mg/mの用量で1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与される。

【0160】

[0166]いくつかの実施形態では、誘導期中、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.4mg/kgの用量で1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約20mgの用量で1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はリツキシマブであり、リツキシマブは、約375mg/mの用量で1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与される。

【0161】

[0167]いくつかの実施形態では、誘導期中、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.8mg/kgの用量で1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約10mgの用量で1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はリツキシマブであり、リツキシマブは、約375mg/mの用量で1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与される。

【0162】

[0168]いくつかの実施形態では、誘導期中、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.8mg/kgの用量で1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約15mgの用量で1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はリツキシマブであり、リツキシマブは、約375mg/mの用量で1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与される。

【0163】

[0169]いくつかの実施形態では、誘導期中、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)は、約1.8mg/kgの用量で1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与され、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約20mgの用量で1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はリツキシマブであり、リツキシマブは、約375mg/mの用量で1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルの各々の1日目に静脈内投与される。

【0164】

[0170]例示的な誘導期の投薬及び投与スケジュールを以下の表A~Lに示す。
表A~L:例示的な誘導期の投薬及び投与スケジュール

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【0165】

[0171]いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲート(例えば、huMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)は、誘導期中、例えば、1番目、2番目、3番目、4番目、5番目、及び6番目の28日サイクルにおいて逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)に先行して投与され、抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)は、イムノコンジュゲート(例えば、huMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)に先行して投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、各28日サイクルの1日目に、抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)に先行して投与され、抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)は、イムノコンジュゲート(例えば、huMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)に先行して投与される。

【0166】

(ii)強化期
[0172]いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)はさらに、本明細書に記載される誘導期の後の、例えば、本明細書に記載される誘導期の最後の28日サイクルの後の、例えば、本明細書に記載される誘導期の6番目の28日サイクルの後の、強化期中に投与される。「強化期」は、誘導期に続く治療期を指す。いくつかの実施形態では、強化期は、誘導期の終了直後に開始する。いくつかの実施形態では、誘導期と強化期とは、時間間隔で分離される。いくつかの実施形態では、強化期は、誘導期終了の少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10週間後に開始する。いくつかの実施形態では、強化期は、誘導期の最後のサイクルの1日目の約7、約8、又は約9週間後に開始する。いくつかの実施形態では、強化期は、誘導期の最後のサイクルの1日目の約8週間後に開始する。いくつかの実施形態では、強化期は、誘導期の6番目の28日サイクルの1日目の約7、約8、又は約9週間後に開始する。いくつかの実施形態では、強化期は、誘導期の6番目の28日サイクルの1日目の約8週間後に開始する。

【0167】

[0173]いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約10mgと約20mgとの間の用量で強化期中の各月の1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はオビヌツズマブであり、オビヌツズマブは、約1000mgの用量で強化期中の隔月の1日目に静脈内投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約10mgの用量で強化期中の各月の1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はオビヌツズマブであり、オビヌツズマブは、約1000mgの用量で強化期中の隔月の1日目に静脈内投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約15mgの用量で強化期中の各月の1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はオビヌツズマブであり、オビヌツズマブは、約1000mgの用量で強化期中の隔月の1日目に静脈内投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約20mgの用量で強化期中の各月の1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はオビヌツズマブであり、オビヌツズマブは、約1000mgの用量で強化期中の隔月の1日目に静脈内投与される。いくつかの実施形態では、1カ月は28日を含む。いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、強化期中に、1、2、3、4、5、6カ月、又はそれよりも長期間のいずれかにわたり投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、強化期中に最大6カ月間投与される。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ)は、強化期の1カ月目から投与される。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ)は、強化期の1、3、及び5カ月目の各々の1日目に投与される。

【0168】

[0174]いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約10mgと約20mgとの間の用量で強化期中の各月の1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はリツキシマブであり、リツキシマブは、約375mgの用量で強化期中の隔月の1日目に静脈内投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約10mgの用量で強化期中の各月の1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はリツキシマブであり、リツキシマブは、約375mgの用量で強化期中の隔月の1日目に静脈内投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約15mgの用量で強化期中の各月の1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はリツキシマブであり、リツキシマブは、約375mgの用量で強化期中の隔月の1日目に静脈内投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、約20mgの用量で強化期中の各月の1~21日目の各々に経口投与され、抗CD20抗体はリツキシマブであり、リツキシマブは、約375mg/mの用量で強化期中の隔月の1日目に静脈内投与される。いくつかの実施形態では、1カ月は28日を含む。いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、強化期中に、1、2、3、4、5、6カ月、又はそれよりも長期間のいずれかにわたり投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、強化期中に最大6カ月間投与される。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ)は、強化期の1カ月目から投与される。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体(例えば、リツキシマブ)は、強化期の1、3、及び5カ月目の各々の1日目に投与される。

【0169】

[0175]いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)と抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)とは、強化期中に逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、強化期中に、抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)に先行して投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)は、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に、抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)に先行して投与される。

【0170】

[0176]例示的な強化期の投薬及び投与スケジュールを以下の表M~Rに示す。
表M~R:例示的強化期の投薬及び投与スケジュール

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【0171】

B.例示的な治療レジメン
[0177]本明細書に記載されるか又は表A~Lに示される例示的誘導期のいずれか1つに、本明細書に記載されるか又は表M~Rに示される例示的強化期のいずれか1つを続けることができる。

【0172】

[0178]いくつかの実施形態では、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療を必要とする個体、例えば、ヒトにおけるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫を治療するための、本明細書に提供される方法は、(a)式:

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[式中、Abは、(i)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(ii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(iii)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(iv)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(v)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(vi)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む抗CD79b抗体であり、pは、1と8との間である]を含むイムノコンジュゲートと、(b)免疫調節剤と,(c)抗CD20抗体とを投与することを含む。

【0173】

[0179]いくつかの実施形態では、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療を必要とする個体、例えば、ヒトにおけるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫 を治療するための方法は、個体に対し、有効量の:
(a)式:

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[式中、Abは、(i)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(ii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(iii)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(iv)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(v)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(vi)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む抗CD79b抗体であり、pは、1と8との間である]を含むイムノコンジュゲートと、(b)免疫調節剤と,(c)抗CD20抗体とを投与することを含む。いくつかの実施形態では、pは、2と5との間である。いくつかの実施形態では、pは、3と4との間である。いくつかの実施形態では、pは、3.4である。いくつかの実施形態では、pは、3.5である。いくつかの実施形態では、抗CD79b抗体は、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)と、(ii)配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)とを含む。いくつかの実施形態では、抗CD79b抗体は、(i)配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖と、(ii)配列番号35のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。

【0174】

[0180]いくつかの実施形態では、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療を必要とする個体、例えば、ヒトにおけるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫 を治療するための方法は、個体に対し、有効量の:(a)式:

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[式中、Abは、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメイン(VH)と、(ii)配列番号20のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメイン(VL)とを含む抗CD79b抗体であり、pは、2と5との間である]を含むイムノコンジュゲート,(b)免疫調節剤、及び(c)抗CD20抗体を投与することを含む。いくつかの実施形態では、pは、3と4との間である。いくつかの実施形態では、pは、3.4である。いくつかの実施形態では、pは、3.5である。いくつかの実施形態では、抗CD79b抗体は、(i)配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖と、(ii)配列番号35のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む。

【0175】

[0181]いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、約1.8mg/kgの用量で投与され、免疫調節剤は、約10mgと約20mgとの間の用量で投与され、抗CD20抗体は、約375mg/mの用量で投与されるリツキシマブである。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及びリツキシマブは、誘導期中に28日サイクルで投与され、ここで:イムノコンジュゲートは、約1.8mg/kgの用量で各28日サイクルの1日目に静脈内投与され、免疫調節剤は、約10mgと約20mgとの間の用量で各28日サイクルの1~21日目の各々に経口投与され、リツキシマブは、約375mg/mの用量で各28日サイクルの1日目に静脈内投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤は、約20mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、誘導期は、1回未満の完全な28日サイクルを含む。いくつかの実施形態では、誘導期は、1回と6回との間の(例えば、1、2、3、4、5、又は6回の)の28日サイクルを含む。いくつかの実施形態では、誘導期は、少なくとも6回の28日サイクルを含む。いくつかの実施形態では、誘導期は、6回の28日サイクルを含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲート、免疫調節剤、及びリツキシマブは、逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、各28日サイクルの1日目に、免疫調節剤がリツキシマブに先行して投与され、リツキシマブがイムノコンジュゲートに先行して投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤及びリツキシマブは、誘導期の6番目の28日サイクル後の強化期中に、さらに投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤は、約10mgの用量で強化期中の各月の1~21日目の各々に経口投与され、リツキシマブは、約375mg/mの用量で強化期中の隔月の1日目に静脈内投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤は、強化期中に最大6カ月間投与される。いくつかの実施形態では、リツキシマブは、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤とリツキシマブとは、強化期中に逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、免疫調節剤は、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に、リツキシマブに先行して投与される。いくつかの実施形態では、強化期中の1カ月は、28日を含む。いくつかの実施形態では、強化期は、導入期の終了直後に開始する。いくつかの実施形態では、誘導期と強化期とは、時間間隔で分離される。いくつかの実施形態では、強化期は、誘導期の終了後少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10週間後に開始する。いくつかの実施形態では、強化期は、誘導期の最後のサイクルの1日目の約7、約8、又は約9週間後に開始する。いくつかの実施形態では、強化期は、誘導期の最後のサイクルの1日目の約8週間後に開始する。いくつかの実施形態では、強化期は、誘導期の6番目の28日サイクルの1日目の約7、約8、又は約9週間後に開始する。いくつかの実施形態では、強化期は、誘導期の6番目の28日サイクルの1日目の約8週間後に開始する。

【0176】

[0182]いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、ポラツズマブベドチンである。いくつかの実施形態では、免疫調節剤はレナリドミドである。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体はリツキシマブである。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンは約1.8mg/kgの用量で投与され、レナリドミドは約10mgと約20mgとの間の用量で投与され、リツキシマブは約375mg/mの用量で投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、約20mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、約10mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブは、誘導期中に28日サイクルで投与され、ここで:ポラツズマブベドチンは、約1.8mg/kgの用量で各28日サイクルの1日目に静脈内投与され、レナリドミドは、約10mgと約20mgとの間の用量で各28日サイクルの1~21日目の各々に経口投与され、リツキシマブは、約375mg/mの用量で各28日サイクルの1日目に静脈内投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、約20mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、誘導期は、1回未満の完全な28日サイクルを含む。いくつかの実施形態では、誘導期は、1回と6回との間の(例えば、1、2、3、4、5、又は6回の)の28日サイクルを含む。いくつかの実施形態では、誘導期は、少なくとも6回の28日サイクルを含む。いくつかの実施形態では、誘導期は、6回の28日サイクルを含む。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブは、逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、各28日サイクルの1日目に、レナリドミドがリツキシマブに先行して投与され、リツキシマブがポラツズマブベドチンに先行して投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミド及びリツキシマブは、誘導期の6番目の28日サイクル後の強化期中に、さらに投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、強化期中の各月の1~21日目の各々に、約10mgの用量で経口投与され、リツキシマブは、強化期中の隔月の1日目に、約375mg/mの用量で静脈内投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、強化期中に最大6カ月間投与される。いくつかの実施形態では、リツキシマブは、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミド及びリツキシマブは、強化期中に逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に、リツキシマブに先行して投与される。いくつかの実施形態では、強化期中の1カ月は、28日を含む。いくつかの実施形態では、強化期は、導入期の終了直後に開始する。いくつかの実施形態では、誘導期と強化期とは、時間間隔で分離される。いくつかの実施形態では、強化期は、誘導期の終了後少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10週間後に開始する。いくつかの実施形態では、強化期は、誘導期の最後のサイクルの1日目の約7、約8、又は約9週間後に開始する。いくつかの実施形態では、強化期は、誘導期の最後のサイクルの1日目の約8週間後に開始する。いくつかの実施形態では、強化期は、誘導期の6番目の28日サイクルの1日目の約7、約8、又は約9週間後に開始する。いくつかの実施形態では、強化期は、誘導期の6番目の28日サイクルの1日目の約8週間後に開始する。

【0177】

[0183]いくつかの実施形態では、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療を必要とする個体、例えば、ヒトにおけるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫 を治療するための方法は、個体に対し、有効量の:(a)ポラツズマブベドチン、(b)レナリドミド、及び(c)リツキシマブを投与することを含む。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブは、誘導期、例えば、本明細書に記載される誘導期中に、28日サイクルで投与される。いくつかの実施形態では、誘導期は、1回未満の完全な28日サイクルを含む。いくつかの実施形態では、誘導期は、1回と6回との間の(例えば、1、2、3、4、5、又は6回の)の28日サイクルを含む。いくつかの実施形態では、誘導期は、少なくとも6回の28日サイクルを含む。いくつかの実施形態では、誘導期は、6回の28日サイクルを含む。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンは、約1.8mg/kgの用量で各28日サイクルの1日目に静脈内投与され、レナリドミドは、約10mgと約20mgとの間の用量で各28日サイクルの1~21日目の各々に経口投与され、リツキシマブは、約375mg/mの用量で各28日サイクルの1日目に静脈内投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、約20mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチン、レナリドミド、及びリツキシマブは、逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、各28日サイクルの1日目に、レナリドミドがリツキシマブに先行して投与され、リツキシマブがポラツズマブベドチンに先行して投与される。いくつかの実施形態では、誘導期には強化期が続き、強化期中に、レナリドミドは、約10mgの用量で投与され、リツキシマブは、約375mg/mの用量で投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、強化期中の各月の1~21日目の各々に、約10mgの用量で経口投与され、リツキシマブは、強化期中の隔月の1日目に、約375mg/mの用量で静脈内投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、強化期中に最大6カ月間投与される。いくつかの実施形態では、リツキシマブは、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミド及びリツキシマブは、強化期中に逐次的に投与される。いくつかの実施形態では、レナリドミドは、強化期中の1カ月目、3カ月目、及び5カ月目の各々の1日目に、リツキシマブに先行して投与される。いくつかの実施形態では、強化期中の1カ月は、28日を含む。いくつかの実施形態では、強化期は、導入期の終了直後に開始する。いくつかの実施形態では、誘導期と強化期とは、時間間隔で分離される。いくつかの実施形態では、強化期は、誘導期の終了後少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10週間後に開始する。いくつかの実施形態では、強化期は、誘導期の最後のサイクルの1日目の約7、約8、又は約9週間後に開始する。いくつかの実施形態では、強化期は、誘導期の最後のサイクルの1日目の約8週間後に開始する。いくつかの実施形態では、強化期は、誘導期の6番目の28日サイクルの1日目の約7、約8、又は約9週間後に開始する。いくつかの実施形態では、強化期は、誘導期の6番目の28日サイクルの1日目の約8週間後に開始する。

【0178】

C.応答
[0184]いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかにより治療されるヒトは、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療中又は治療後に、少なくとも疾患の安定(SD)(例えば、少なくともSD、少なくとも部分寛解(PR)又は完全寛解(CR))を達成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかにより治療されるヒトは、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療中又は治療後に、少なくとも部分寛解(PR)(例えば、少なくともPR又は完全寛解(CR))を達成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかにより治療されるヒトは、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療中又は治療後に、完全寛解(CR)を達成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかにより治療されるヒトは、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療の開始後少なくとも約4カ月以内に、疾患の進行を示さない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかにより治療されるヒトは、単剤を含む治療、例えば、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)のみによる治療、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)のみによる治療、又は抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)のみによる治療により治療されたヒトと比較して、改善された応答を達成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかにより治療されるヒトは、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)と免疫調節剤(例えば、レナリドミド)との2つの組み合わせを含む治療により治療されたヒトと比較して、改善された応答を達成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかにより治療されるヒトは、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)と抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)との2つの組み合わせを含む治療により治療されたヒトと比較して、改善された応答を達成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかにより治療されるヒトは、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)と抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)との2つの組み合わせを含む治療により治療されたヒトと比較して、改善された応答を達成する。

【0179】

[0185]いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかにより治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療中又は治療後に、疾患の安定を達成する。

【0180】

[0186]いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかにより治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療中又は治療後に、部分寛解を達成する。

【0181】

[0187]いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかにより治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療中又は治療後に、完全寛解を達成する。

【0182】

[0188]いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかにより治療された複数のヒトのうち、少なくとも約70%、少なくとも約74%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療中又は治療後に、最良の全体応答を達成する。

【0183】

[0189]いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかにより治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療中又は治療後に、客観的奏功を達成する。

【0184】

[0190]いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかにより治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療中又は治療後に、最良の部分寛解を達成する。

【0185】

[0191]いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかにより治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療中又は治療後に、最良の完全寛解を達成する。

【0186】

[0192]いくつかの実施形態では、応答(すなわち、疾患の安定の応答、部分寛解、完全寛解、客観的奏功、最良の全体応答、最良の完全寛解、又は最良の部分寛解)の持続時間は、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、又はそれよりも長い期間である。

【0187】

[0193]いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかにより治療されるヒトは、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療の開始から評価して、疾患の進行なしで、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、又はそれよりも長い期間生存する。

【0188】

[0194]いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかにより治療された複数のヒトの間で、無増悪生存(PFS)の中央値は、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、又はそれよりも長い期間である。

【0189】

[0195]いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかにより治療されるヒトは、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療の開始から評価して、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、少なくとも約11カ月、又はそれよりも長い期間生存する。

【0190】

[0196]いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかにより治療された複数のヒトの間で、全生存の中央値は、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療の開始から評価して、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、少なくとも約11カ月、又はそれよりも長い期間である。

【0191】

[0197]いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかによるイムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療は、ヒトに腫瘍溶解症候群を引き起こさない。

【0192】

[0198]いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法のいずれかによるイムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療は、ヒトに二次癌を引き起こさない。

【0193】

[0199]いくつかの実施形態では、本明細書に記載される誘導期により治療されるヒトは、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療中又は治療後に、例えば、誘導期中又は誘導期後に、例えば1回未満の28日サイクルの後に、又は1回、2回、3回、4回、5回、6回、若しくはそれよりも多い28日サイクルのうちの少なくともいずれかの後に、少なくとも疾患の安定(SD)(例えば、少なくともSD、少なくとも部分寛解(PR)又は完全寛解(CR))を達成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される誘導期により治療されるヒトは、6回の28日サイクルの後に、少なくとも疾患の安定(SD)(例えば、少なくともSD、少なくとも部分寛解(PR)又は完全寛解(CR))を達成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される誘導期により治療されるヒトは、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療中又は治療後に、例えば、誘導期中又は誘導期後に、例えば1回未満の28日サイクルの後に、又は1回、2回、3回、4回、5回、6回、若しくはそれよりも多い28日サイクルのうちの少なくともいずれかの後に、少なくとも部分寛解(PR)を達成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される誘導期により治療されるヒトは、6回の28日サイクルの後に、少なくとも部分寛解(PR)を達成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される誘導期により治療されるヒトは、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療中又は治療後に、例えば、誘導期中又は誘導期後に、例えば1回未満の28日サイクルの後に、又は1回、2回、3回、4回、5回、6回、若しくはそれよりも多い28日サイクルのうちの少なくともいずれかの後に、完全寛解(CR)を達成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される誘導期により治療されるヒトは、6回の28日サイクルの後に、少なくとも完全寛解(CR)を達成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療されるヒトは、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療の開始後少なくとも約4カ月以内に、疾患の進行を示さない。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療されるヒトは、単剤を含む治療、例えば、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)のみによる治療、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)のみによる治療、又は抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)のみによる治療により治療されたヒトと比較して、改善された応答を達成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療されるヒトは、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)と免疫調節剤(例えば、レナリドミド)との2つの組み合わせを含む治療により治療されたヒトと比較して、改善された応答を達成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療されるヒトは、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)と抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)との2つの組み合わせを含む治療により治療されたヒトと比較して、改善された応答を達成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療されるヒトは、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)と抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)との2つの組み合わせを含む治療により治療されたヒトと比較して、改善された応答を達成する。

【0194】

[0200]いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療中又は治療後に、例えば、誘導期中又は誘導期後に、例えば1回未満の28日サイクルの後に、又は1回、2回、3回、4回、5回、6回、若しくはそれよりも多い28日サイクルのうちの少なくともいずれかの後に、疾患の安定を達成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療の6回の28日サイクルの後に、疾患の安定を達成する。

【0195】

[0201]いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療中又は治療後に、例えば、誘導期中又は誘導期後に、例えば1回未満の28日サイクルの後に、又は1回、2回、3回、4回、5回、6回、若しくはそれよりも多い28日サイクルのうちの少なくともいずれかの後に、部分寛解を達成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療の6回の28日サイクルの後に、部分寛解を達成する。

【0196】

[0202]いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療中又は治療後に、例えば、誘導期中又は誘導期後に、例えば1回未満の28日サイクルの後に、又は1回、2回、3回、4回、5回、6回、若しくはそれよりも多い28日サイクルのうちの少なくともいずれかの後に、完全寛解を達成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療された複数のヒトのうち、少なくとも約25%、少なくとも約27%、少なくとも約29%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療の6回の28日サイクルの後に、完全寛解を達成する。

【0197】

[0203]いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療された複数のヒトのうち、少なくとも約70%、少なくとも約74%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療中又は治療後に、例えば、誘導期中又は誘導期後に、例えば1回未満の28日サイクルの後に、又は1回、2回、3回、4回、5回、6回、若しくはそれよりも多い28日サイクルのうちの少なくともいずれかの後に、最良の全体応答を達成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療された複数のヒトのうち、少なくとも約70%、少なくとも約74%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療の6回の28日サイクルの後に、最良の全体応答を達成する。

【0198】

[0204]いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療中又は治療後に、例えば、誘導期中又は誘導期後に、例えば1回未満の28日サイクルの後に、又は1回、2回、3回、4回、5回、6回、若しくはそれよりも多い28日サイクルのうちの少なくともいずれかの後に、客観的奏功を達成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約39%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療の6回の28日サイクルの後に、客観的奏功を達成する。

【0199】

[0205]いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療中又は治療後に、例えば、誘導期中又は誘導期後に、例えば1回未満の28日サイクルの後に、又は1回、2回、3回、4回、5回、6回、若しくはそれよりも多い28日サイクルのうちの少なくともいずれかの後に、最良の部分寛解を達成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療の6回の28日サイクルの後に、最良の部分寛解を達成する。

【0200】

[0206]いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療中又は治療後に、例えば、誘導期中又は誘導期後に、例えば1回未満の28日サイクルの後に、又は1回、2回、3回、4回、5回、6回、若しくはそれよりも多い28日サイクルのうちの少なくともいずれかの後に、最良の完全寛解を達成する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療された複数のヒトのうち、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、又は100%のヒトが、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療の6回の28日サイクルの後に、最良の完全寛解を達成する。

【0201】

[0207]いくつかの実施形態では、応答(すなわち、疾患の安定の応答、部分寛解、完全寛解、客観的奏功、最良の全体応答、最良の完全寛解、又は最良の部分寛解)の持続時間は、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、又はそれよりも長い期間である。

【0202】

[0208]いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療されるヒトは、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療の開始から評価して、疾患の進行なしで、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、又はそれよりも長い期間生存する。

【0203】

[0209]いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療された複数のヒトの間で、無増悪生存(PFS)の中央値は、少なくとも約4カ月、少なくとも約5カ月、少なくとも約6カ月、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、又はそれよりも長い期間である。

【0204】

[0210]いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療されるヒトは、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療の開始から評価して、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、少なくとも約11カ月、又はそれよりも長い期間生存する。

【0205】

[0211]いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期により治療された複数のヒトの間で、全生存の中央値は、イムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療の開始から評価して、少なくとも約7カ月、少なくとも約8カ月、少なくとも約9カ月、少なくとも約10カ月、少なくとも約11カ月、又はそれよりも長い期間である。

【0206】

[0212]いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期によるイムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療は、ヒトに腫瘍溶解症候群を引き起こさない。

【0207】

[0213]いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるいずれかの誘導期によるイムノコンジュゲート(例えばhuMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE又はポラツズマブベドチン)、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療は、ヒトに二次癌を引き起こさない。

【0208】

[0214]いくつかの実施形態では、応答(すなわち、疾患の安定の応答、部分寛解、完全寛解、客観的奏功、最良の全体応答、最良の完全寛解、最良の部分寛解、生存、無増悪生存、又は全生存)は、悪性リンパ腫に対する改訂版Lugano応答基準(Modified Lugano Response Criteria for Malignant Lymphoma(Cheson et al.(2014)“Recommendations for Initial Evaluation,Staging and Response Assessment of Hodgkin and Non-Hodgkin Lymphoma:The Lugano Classification.” J.Clin Oncol.32:1-9)に従って評価される。いくつかの実施形態では、改訂版Lugano応答基準は、ポジトロン放射断層撮影及びコンピューター断層撮影(PET-CT)を使用した完全寛解(CR)の指定には、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、骨髄障害を有するヒトの形態学的に正常な骨髄(形態学的に決定不能である場合、免疫組織化学[IHC]は陰性でなければならない)が必要とされることを含む。いくつかの実施形態では、改訂版Lugano応答基準は、PET-CTに基づく部分寛解(PR)の指定には、PRに対するPET-CTに基づく応答基準に加えて、CR又はPRに対するCTに基づく応答基準が満たされることが必要とされることを含む。いくつかの実施形態では、治療的応答は、本明細書の実施例1に記載されるように、悪性リンパ腫に対する改訂版Lugano応答基準(Cheson et al.2014)に従って評価される。

【0209】

[0215]いくつかの実施形態では、ポジトロン放射断層撮影-コンピューター断層撮影(PET-CT)に基づいた悪性リンパ腫に対する改訂版Lugano応答基準(Cheson et al.2014)による完全寛解は、以下のうちの1つ又はすべてを含む:(i)リンパ節及びリンパ節外部位において5段階スケール(5PS)で残留腫瘤あり又はなしでスコア1、2、又は3。多くの患者においてスコア3は、特に中間スキャンの時点で(例えば、治療中)あれば、標準治療による良好な予後を示す。しかしながら、漸減を調査するPETを含む治験では、スコア3を不十分な応答と見なすことが好ましい場合がある(過少治療を回避するため)。測定された主要な病変:2つの直径が明確に測定可能であるように選択された、6つまでの最大主要結節、結節腫瘤、及び節外病変。結節は、好ましくは、身体の別個の領域からのものであるべきであり、必要に応じて、縦隔及び後腹膜領域を含まなければならない。非結節性病変には、実質臓器(例えば、肝臓、脾臓、腎臓及び肺)、GI障害、皮膚病変、又は触診で認められるものが含まれる。非測定病変:測定されたとして選択されなかったあらゆる疾患;主要な疾患及び真に評価可能な疾患は、測定されていないとみなされるべきである。これら部位には、あらゆるリンパ節、結節腫瘤、及び主要若しくは測定可能として選択されないか又は測定可能性の要件を満たしていないが依然として異常であると考えられる節外部位、並びに真に評価可能な疾患(胸水、腹水、骨病変、軟膜疾患、腹部腫瘤、及び確認及びその後の画像化が不可能な他の病変を含む、測定により定量的に追跡することが困難な疾患の疑いのあるいずれかの部位)が含まれる。ワルダイエル輪又は節外部位(例えば、GI管、肝臓、骨髄)では、FDG取り込みは、完全な代謝応答を伴う縦隔よりも大きくなりうるが、周囲の正常な生理学的取り込み(例えば、化学療法又は骨髄系成長因子の結果としての骨髄活性化を伴う)よりも高くならないはずである。生理学的取り込みが高いか、又は例えば、化学療法又は骨髄系コロニー刺激因子により、脾臓若しくは骨髄内での活性化を伴うワルダイエル輪又は節外部位では、取り込みが正常な縦隔及び/又は肝臓よりも大きくなりうることが認識されている。このような状況では、組織が高い生理学的取り込みを有する場合であっても、最初の障害部位での取り込みが周囲の正常組織より大きくない場合、完全な代謝応答が推測されうる;PET 5PS:1=背景を超える取り込みなし;2=取り込み≦縦隔;3=取り込み>縦隔であるが≦肝臓;4=中程度の取り込み>肝臓;5=肝臓及び/又は新規病変より著しく高い取り込み;X=リンパ腫に関連している可能性の低い取り込みの新規エリア;(ii)新規病変なし;及び(iii)骨髄中に、骨髄中FDG親和性疾患の証拠なし。いくつかの実施形態では、PET-CTに基づいた、悪性リンパ腫に対する改訂版Lugano応答基準(Cheson et al.2014)による完全寛解は、完全代謝応答と呼ばれる。いくつかの実施形態では、コンピューター断層撮影(CT)に基づいた、悪性リンパ腫に対する改訂版Lugano応答基準(Cheson et al.2014)による完全寛解は、以下のすべてを含む:(i)リンパ節及びリンパ節外部位において、標的結節/結節腫瘤は、病変の最長横径(LDi)が≦1.5cmに退行しなければならない;(ii)リンパ節及びリンパ節外部位に疾患のリンパ節外部位がない;(iii)非測定病変が存在しない;(iv)臓器肥大が正常まで退行;(v)新規病変なし;及び(vi)形態学的に正常な骨髄;決定不能である場合、IHC陰性。いくつかの実施形態では、CTに基づいた、悪性リンパ腫に対する改訂版Lugano応答基準(Cheson et al.2014)による完全寛解は、放射線学的完全寛解と呼ばれる。いくつかの実施形態では、ポジトロン放射断層撮影及びコンピューター断層撮影(PET-CT)を使用した完全寛解の指定は、ベースラインにおける骨髄障害を有する患者の形態学的に正常な骨髄を必要とする(形態学的に決定不能である場合、免疫組織化学は陰性でなければならない)。

【0210】

[0216]いくつかの実施形態では、ポジトロン放射断層撮影-コンピューター断層撮影(PET-CT)に基づいた悪性リンパ腫に対する改訂版Lugano応答基準(Cheson et al.2014)による疾患の安定の応答は、以下のうちの1つ又はすべてを含む:(i)スコア4又は5で、標的結節/結節腫瘤、節外病変における治療の開始前からフルオロデオキシグルコース(FDG)取り込みに有意な変化なし;PET 5段階スケール(5PS):1=背景を超える取り込みなし;2=取り込み≦縦隔;3=取り込み>縦隔であるが≦肝臓;4=中程度の取り込み>肝臓;5=肝臓及び/又は新規病変より著しく高い取り込み;X=リンパ腫に関連している可能性の低い取り込みの新規エリア;(ii)新規病変なし;及び(iii)骨髄においてベースラインからの変化なし。いくつかの実施形態では、ET-CTPに基づいた、悪性リンパ腫に対する改訂版Lugano応答基準(Cheson et al.2014)による疾患の安定の応答は、代謝応答なしと呼ばれる。いくつかの実施形態では、コンピューター断層撮影(CT)に基づいた悪性リンパ腫に対する改訂版Lugano応答基準(Cheson et al.2014)による疾患の安定の応答は、以下のうちの1つ又はすべてを含む:(i)最大6つの主要で測定可能な結節及び節外部位の、複数に対する垂直直径の積(SPD)の合計(sum of the product of the perpendicular diameters for multiple(SPD))のベースラインからの減少が<50%であり、標的結節/結節腫瘤、節外病変において、進行性疾患の基準を満たさない;(ii)非測定病変における進行と一致する増加がない;(iii)臓器肥大の進行と一致する増加がない;及び(iv)新規病変なし。いくつかの実施形態では、CTに基づいた悪性リンパ腫に対する改訂版Lugano応答基準(Cheson et al.2014)による疾患の安定の応答は、疾患の安定と呼ばれる。

【0211】

[0217]いくつかの実施形態では、ポジトロン放射断層撮影-コンピューター断層撮影(PET-CT)に基づいた、悪性リンパ腫に対する改訂版Lugano応答基準(Cheson et al.2014)による部分寛解は、以下のうちの1つ又はすべてを含む:(i)スコア4又は5で、治療前のいずれかのサイズの1つ以上の腫瘤と又はリンパ節及びリンパ節外部位における残留腫瘤と比較して、取り込みの減少を伴うもの(治療中、これら所見は、疾患が応答していることを示唆し、治療終了時、これら所見は、残存病変を示唆する);PET 5PS:1=背景を超える取り込みなし;2=取り込み≦縦隔;3=取り込み>縦隔であるが≦肝臓;4=中程度の取り込み>肝臓;5=肝臓及び/又は新規病変より著しく高い取り込み;X=リンパ腫に関連している可能性の低い取り込みの新規エリア;(ii)新規病変なし;及び(iii)骨髄において、残存取り込みが、正常骨髄における取り込みより高いが、治療前と比較して減少している(化学療法からの反応性変化と適合する拡散取り込みが許容される)。結節性応答の状況で骨髄に持続的な限局性変化が存在する場合、MRI又は生検又はインターバルスキャンによるさらなる評価が考慮される。いくつかの実施形態では、PET-CTに基づいた悪性リンパ腫に対する改訂版Lugano応答基準(Cheson et al.2014)による部分寛解は、代謝部分寛解と呼ばれる。いくつかの実施形態では、コンピューター断層撮影(CT)に基づいた悪性リンパ腫に対する改訂版Lugano応答基準(Cheson et al.2014)による部分寛解は、以下のすべてを含む:(i)リンパ節及びリンパ節外部位における最大6つの測定可能な標的結節及びリンパ節外部位のSPDにおける≧50%の減少(病変が、CTで測定するには小さすぎるとき、5mm×5mmがデフォルト値として割り当てられる;病変がもはや見えないとき、0×0mmが割り当てられてる;>5mm×5mmであるが正常より小さい結節の場合、実際の測定が計算のために使用される);(ii)非測定病変が存在しない/正常であるか又は退行しているが、非測定病変に増加なし;(iii)脾臓の長さが正常を超えて>50%退行していなければならない;及び(iv)新規病変なし。いくつかの実施形態では、CTに基づいた悪性リンパ腫に対する改訂版Lugano応答基準(Cheson et al.2014)による部分寛解(partial response)は、部分寛解(partial remission)と呼ばれる。いくつかの実施形態では、PET-CTに基づく部分寛解の指定は、部分寛解のPET-CTに基づく応答基準に加えて、完全寛解又は部分寛解のCTに基づく応答基準が満たされることを必要とする。

【0212】

[0218]いくつかの実施形態では、ポジトロン放射断層撮影-コンピューター断層撮影(PET-CT)に基づいた悪性リンパ腫に対する改訂版Lugano応答基準(Cheson et al.2014)による疾患進行は、以下の1つ又はすべてを含む:(i)スコア4又は5で、節外病変における治療中又は治療の終了時に、個々の標的結節/結節腫瘤及び/又はリンパ腫と一致する新規のFDG親和性病巣において、取り込みの強度が治療前から増加しているもの;PET 5PS:1=背景を超える取り込みなし;2=取り込み≦縦隔;3=取り込み>縦隔であるが≦肝臓;4=中程度の取り込み>肝臓;5=肝臓及び/又は新規の病変よりも著しく高い取り込み;X=リンパ腫に関連している可能性の低い取り込みの新規エリア;(ii)新規病変、生検又はインターバルスキャンのエチオロジーに関する不確定性が考慮されうる場合、新規FDG親和性病巣が別のエチオロジー(例えば、感染、炎症)ではなくリンパ腫と一致すること;(iii)骨髄における、新規又は再発性のFDG親和性病巣。いくつかの実施形態では、PET-CTに基づいた悪性リンパ腫に対する改訂版Lugano応答基準(Cheson et al.2014)による疾患の進行は、進行性代謝疾患と呼ばれる。いくつかの実施形態では、コンピューター断層撮影(CT)に基づいた悪性リンパ腫に対する改訂版Lugano応答基準(Cheson et al.2014)による疾患の進行は、以下のうちの少なくとも1つを含む:(i)個々の標的結節/結節腫瘤における、LDiと垂直直径(PPD)進行とのクロス乗積;(ii)節外病変において、個々の結節/病変が異常であり:LDi>1.5cm、及びPPD最低値から≧50%の増加、及び最低値からのLDi又はLDi(SDi)に垂直な最短の軸の増加、病変≦2cmの場合0.5cm、病変>2cmの場合1.0cm;(iii)脾腫の環境において、脾臓長が、ベースラインを超えてその先行する増加の範囲の>50%増加していなければならない(例えば、15-cmの脾臓が>16cmに増加)。先行する脾腫がない場合、ベースラインから少なくとも2cmの増加;(iv)新規又は再発性の脾腫;(v)既存の非測定病変の新規の又は明らかな進行;(vi)以前に解消された病変の再成長;(vii)いずれかの軸における>1.5cmの新規結節;(viii)いずれかの軸における>1.0cmの新規節外部位;いずれかの軸において<1.0cmである場合、その存在は、明白でなければならず、リンパ腫に起因していなければならない;(ix)リンパ腫に起因することが明白な、いずれかのサイズの評価可能な疾患の新規病変;(x)骨髄における、新規又は再発性の病変。いくつかの実施形態では、CTに基づいた悪性リンパ腫に対する改訂版Lugano応答基準(Cheson et al.2014)による疾患の進行は、進行性疾患と呼ばれる。いくつかの実施形態では、疾患の進行は、CTスキャンのみ又はいずれかの原因による死亡に基づいて決定される。

【0213】

[0219]いくつかの実施形態では、最良の全体応答は、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療中又は治療後の、完全寛解又は部分寛解の最良の応答を指す。したがって、最良の全体応答を達成するヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療中又は治療後に、完全寛解(すなわち、最良の完全寛解)又は部分寛解(すなわち、最良の部分寛解)の最良の応答を達成した。いくつかの実施形態では、最良の完全寛解は、完全寛解の評価に対する本明細書に記載される基準により評価される。いくつかの実施形態では、最良の部分寛解は、部分寛解の評価に対する本明細書に記載される基準により評価される。

【0214】

[0220]いくつかの実施形態では、客観的奏功は、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療中又は治療後の、完全寛解又は部分寛解を指す。したがって、客観的奏功を達成するヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療中又は治療後に、完全寛解又は部分寛解を達成した。いくつかの実施形態では、客観的奏功は、完全寛解又は部分寛解の評価に対する本明細書に記載される基準により評価される。

【0215】

[0221]いくつかの実施形態では、応答の(すなわち、疾患の安定の応答、部分寛解、完全寛解、客観的奏功、最良の全体応答、最良の完全寛解、又は最良の部分寛解の)持続時間は、応答(すなわち、疾患の安定の応答、部分寛解、完全寛解、客観的奏功、最良の全体応答、最良の完全寛解、又は最良の部分寛解)の最初の発生時から、疾患の進行又は再発、新規抗リンパ腫療法の開始、及び/又はいずれかの原因からの死亡を含む治療失敗のうちの1つ又はすべて(いずれか最初に起こるもの)の発生時まで評価される。

【0216】

[0222]いくつかの実施形態では、無増悪生存(PFS)又は疾患の進行の非存在は、本明細書に提供される方法による治療の開始から、疾患の進行若しくは再発、又はいずれかの原因による死亡の最初の発生までの時間として評価される。

【0217】

[0223]いくつかの実施形態では、生存は、本明細書に提供される方法による治療の開始から、いずれかの原因による死亡までの時間として評価される。いくつかの実施形態では、全生存は、本明細書に提供される方法による治療の開始から、いずれかの原因による死亡までの時間として評価される。

【0218】

[0224]リンパ腫、例えばDLBCLの臨床病期及び応答基準に関するさらなる詳細は、例えば、Van Heertum et al.(2017)Drug Des.Devel.Ther.11:1719-1728,Cheson et al.(2016)Blood.128:2489-2496,Cheson et al.(2014)J.Clin.Oncol.32(27):3059-3067,Barrington et al.(2017)J.Clin.Oncol.32(27):3048-3058,Gallamini et al.(2014)Haematologica.99(6):1107-1113,Barrinton et al.(2010)Eur.J.Nucl.Med.Mol.Imaging.37(10):1824-33,Moskwitz(2012)Hematology Am Soc.Hematol.Educ.Program 2012:397-401;及びFollows et al.(2014)Br.J.Haematology 166:34-49に示されている。本明細書に提供される治療方法のいずれか1つの進行は、当技術分野で既知の技術によってモニタリングすることができる。

【0219】

[0225]いくつかの実施形態では、ヒトは、成人である。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、DLBCLに対する1つの治療法を受けたことがある。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、DLBCLに対する少なくとも1つの治療法を受けたことがある。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、DLBCLに対する少なくとも2つの治療法を受けたことがある。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、抗CD20抗体含む化学免疫療法を含むDLBCLに対する治療法を受けたことがある。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、DLBCLに対する先行する骨髄移植を受けたことがある。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、DLBCLに対するキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法を受けたことがある。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行してヒトに適用されたDLBCLに対する最初の治療に対して難治性であったDLBCLを有している。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行するDLBCLに対する直近の先行する治療法に対して難治性であったDLBCLを有している。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行するDLBCLに対する直近の先行する治療法に対して難治性でなかったDLBCLを有している。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、0、1、又は2の米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータスを有する。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、Ann ArborステージIII又はIVのDLBCLを有する。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、3と5との間の国際予後指標を有するDLBCLを有する。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、再発性又は難治性のDLBCL(R/R DLBCL)を有する。いくつかの実施形態では、ヒトは、巨大腫瘤病変(例えば、≧7cm)を有する。いくつかの実施形態では、ヒトは、胚中心B細胞(GCB)の起源の細胞(COO)を含むDLBCLを有する。いくつかの実施形態では、ヒトは、活性化B細胞(ABC)の起源の細胞(COO)を含むDLBCLを有する。いくつかの実施形態では、COOは、当技術分野において既知の任意の適切な方法、例えば遺伝子発現プロファイリング(例えば、マイクロアレイを使用した)、免疫組織化学、又はデジタル遺伝子発現プロファイリング(例えば、NanoString)を使用して評価される。いくつかの実施形態では、ヒトは、B細胞リンパ腫2(BCL-2)を過剰発現するDLBCLを有する。いくつかの実施形態では、ヒトは、MYCを過剰発現するDLBCLを有する。いくつかの実施形態では、ヒトは、MYC及びBCL-2を過剰発現するDLBCL(すなわち、ダブルエクスプレッサー又はDEL)を有する。いくつかの実施形態では、ヒトは、ダブルエクスプレッサーDLBCLを有さない。いくつかの実施形態では、MYC及び/又はBCL-2の発現は、当技術分野において既知の任意の適切な方法、例えばELISA、免疫ブロット、フローサイトメトリー、質量分析又は免疫組織化学を使用して評価される。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行する抗CD20抗体(例えば、モノクローナル抗CD20抗体)を含む少なくとも1つの先行する化学免疫療法レジメンによる治療後に、R/R DLBCLを有する。いくつかの実施形態では、ヒトは、R/R DLBCLを有しており、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始前に、自家造血幹細胞移植に的確でない。いくつかの実施形態では、ヒトは、R/R DLBCLを有しており、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始前に、高用量化学療法+自家造血幹細胞移植による治療の後に疾患の進行を経験した。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、組織学的に確認されたCD20陽性B細胞リンパ腫を有する。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、フルオロデオキシグルコース(FDG)親和性リンパ腫(すなわち、PET陽性リンパ腫)を有する。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、少なくとも1つの二次元的に測定可能な病変(例えば、コンピューター断層撮影[CT]スキャン又は磁気共鳴画像法[MRI]によりその最大寸法が1.5cmを上回る)を有する。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、グレード3bの濾胞性リンパ腫を有さない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、DLBCLへの無痛性疾患の形質転換の既往歴を有さない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、再発時又は進行時に既知のCD20陰性状態を有さない。いくつかの実施形態では、ヒトは、中枢神経系リンパ腫又は軟膜浸潤を有さない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、同種異系幹細胞移植(SCT)を受けたことがない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行する100日以内に、自家SCTを完了していない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、レナリドミドに対する耐性歴を有さない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、1年未満の持続時間のレナリドミド治療に対する応答歴を有さない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行する12カ月以内に、レナリドミド、フルダラビン、又はアレムツズマブを摂取していないか、又は投与されていない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行する12週以内に、放射性イムノコンジュゲートを摂取していないか、又は投与されていない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行する5半減期又は4週以内に、モノクローナル抗体又は抗体-薬物コンジュゲート(ADC)療法を摂取していないか、又は投与されていない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行する2週以内に、放射線治療、化学療法、ホルモン療法、又は標的化小分子療法を受けていないか、又は受けたことがない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、グレード≦2(NCI CTCAE、Version 4.0による)まで解消していない先行する治療法による臨床的に有意な毒性(脱毛症以外)を有さない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行する2週以内に、全身性の免疫抑制性医薬、例えば、プレドニゾン、アザチオプリン、メトトレキセート、サリドマイド、又は抗腫瘍壊死因子剤,を摂取していないか、又は投与されていない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、ヒト化又はマウスモノクローナル抗体に対する重度のアレルギー又はアナフィラキシー反応の既往歴を有さない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、マウス製品又はリツキシマブ、ポラツズマブベドチン、若しくはレナリドミド製剤のいずれかの成分に対する既知の感受性又はアレルギーを有さない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、サリドマイド及びレナリドミドといった免疫調節誘導体による先行する治療後に、多型性紅斑、グレード≧3の発疹、又は剥離(水疱形成)の既往歴を有さない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、活性の細菌、ウイルス、真菌、又は他の感染を有さない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、B型肝炎表面抗原(HBsAg)、総B型肝炎コア抗体(HBcAb)、又はC型肝炎ウイルス(HCV)抗体に対して陽性でない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、HIV陽性状態の既知の既往歴を有さない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、生ウイルスワクチンを含むワクチン接種を受けていない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、進行性多巣性白質脳症の既往歴を有さない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、血栓塞栓症(TE)予防のための治療に対する禁忌を有さない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、グレード≧2の神経系疾患を有さない。いくつかの実施形態では、ヒトは、根底にあるリンパ腫に起因するのでない限り、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、不十分な血液学的機能(例えば、<9g/dLのヘモグロビン、<1.5×109/Lの好中球絶対数(ANC);及び/又は<75×109/Lの血小板数)を有さない。いくつかの実施形態では、ヒトは、根底にあるリンパ腫に起因するのでない限り、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、<50mL/分のクレアチニンクリアランス計算値(コッククロフト・
ゴールト式を使用した)を有さない。いくつかの実施形態では、ヒトは、根底にあるリンパ腫に起因するのでない限り、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、>2.5 ×の正常上限(ULN)のアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)又はアラニントランスアミナーゼ(ALT)を有さない。いくつかの実施形態では、ヒトは、根底にあるリンパ腫に起因するのでない限り、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、>1.5×ULNの(又はジルベール病を有するヒトの場合>3×ULNの)血清総ビリルビンを有さない。いくつかの実施形態では、ヒトは、根底にあるリンパ腫に起因するのでない限り、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、治療的抗凝固療法の非存在下で>1.5×ULNの国際標準化比(INR)又はプロトロンビン時間(PT)を有さない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、重大な心血管疾患(例えば、ニューヨーク心臓協会III又はIV度の心臓病、それ以前の6カ月以内の心筋梗塞、不安定不整脈、又は不安定狭心症など)、又は重大な肺疾患(例えば、閉塞性肺疾患又は気管支痙攣の既往歴)を含む、重大で制御されない付随疾患の証拠を有さない。いくつかの実施形態では、ヒトは、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行する、治癒的に治療された子宮頸部上皮内癌、乳房の予後良好な上皮内乳管癌、基底細胞皮膚がん若しくは扁平上皮皮膚がん、ステージIの黒色腫、低悪性度及び早期限局性前立腺がん、又は治療なしで≧2年寛解状態にある、以前に治療された悪性腫瘍を除き、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、別の悪性腫瘍を有さない。いくつかの実施形態では、ヒトは、根底にあるリンパ腫に起因するのでない限り、本明細書に記載される方法のいずれかによる治療の開始に先行して、ループス抗凝固因子の非存在下で、>1.5×ULNの部分トロンボプラスチン時間(PTT)又は活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)を有さない。

【0220】

IV.抗CD79b抗体及び薬物/細胞傷害性剤を含むイムノコンジュゲート(「抗CD79bイムノコンジュゲート」)
[0226]いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、がん細胞(例えばびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)細胞)を標的とする抗CD79b抗体(Ab)、薬物部分(D)、AbをDに結合するリンカー部分(L)を含む。いくつかの実施形態では、抗CD79b抗体は、1つ又は複数のアミノ酸残基、例えばリジン及び/又はシステインを通してリンカー部分(L)に結合する。いくつかの式Ab-(L-D)p,[式中:(a)Abは、がん細胞(例えば、DLBCL細胞)の表面上のCD79bに結合する抗CD79b抗体であり;(b)Lは、リンカーであり;(c)Dは、細胞傷害性剤であり;(d)pは、1~8の範囲である。]

【0221】

[0227]例示的な抗CD79bイムノコンジュゲートは、式I:
(I) Ab-(L-D)p
[式中、pは、1から約20(例えば、1から15、1から10、1から8、2から5、又は3から4)である]を含む。いくつかの実施態様では、抗CD79b抗体にコンジュゲートすることのできる薬物部分の数は、遊離システイン残基の数によって制限される。いくつかの実施形態では、遊離システイン残基は、本明細書の他の部分に記載される方法によって抗体アミノ酸配列中に導入される。式Iの例示的な抗CD79bイムノコンジュゲートは、1、2、3又は4個の操作されたシステインアミノ酸(Lyon,R.et al(2012)Methods in Enzym.502:123-138)を含む抗CD79b抗体を含むが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の遊離システイン残基が、操作を使用することなく、抗CD79b抗体中にすでに存在しており、その場合、既存の遊離システイン残基を使用して、抗CD79b抗体を薬物/細胞傷害性剤にコンジュゲートさせることができる。いくつかの実施形態では、抗CD79b抗体は、1つ又は複数の遊離システイン残基を生成するために、薬物/細胞傷害性剤への抗体のコンジュゲートに先立ち、還元条件に曝露される。

【0222】

A.例示的リンカー
[0228]「リンカー」(L)は、1つ又は複数の薬物部分(D)を抗CD79b抗体(Ab)に結合させて式Iの抗CD79bイムノコンジュゲートを形成するために使用することのできる二重官能性又は多重官能性部分である。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、薬物及び抗CD79b抗に共有結合するための反応性官能基を有するリンカーを使用して調製することができる。例えば、いくつかの実施形態では、抗CD79b抗体(Ab)のシステインチオールは、リンカーの反応性官能基又は薬物-リンカー中間体と結合を形成し、抗CD79bイムノコンジュゲートを作製することができる。

【0223】

[0229]一態様において、リンカーは、抗CD79b抗体上に存在する遊離システインと反応して共有結合を形成することのできる官能性を有する。例示的な反応性官能基には、限定されないが、例えば、マレイミド、ハロアセトアミド、α-ハロアセチル、活性化エステル、例えばコハク酸イミドエステル、4-ニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、テトラフルオロフェニルエステル、無水物、酸塩化物、塩化スルホニル、イソシアネート、及びイソチオシアネートが含まれる。例えば、Klussman,et al(2004),Bioconjugate Chemistry 15(4):765-773の766頁のコンジュゲーション方法、及び本明細書の実施例を参照されたい。

【0224】

[0230]いくつかの実施形態では、リンカーは、抗CD79b抗体上に存在する求電子基と反応することのできる官能性を有する。例示的な求電子基には、限定されないが、例えば、アルデヒド及びケトンカルボニル基が含まれる。いくつかの実施形態では、リンカーの反応性官能基のヘテロ原子は、抗体上の求電子基と反応し、抗体単位への共有結合を形成することができる。例示的な反応性官能基には、限定されないが、例えば、ヒドラジン、オキシム、アミノ、ヒドラジン、チオセミカルバゾン、ヒドラジンカルボキシレート、及びアリールヒドラジドが含まれる。

【0225】

[0231]いくつかの実施形態では、リンカーは、1つ又は複数のリンカー成分を含む。例示的なリンカー成分には、例えば、6-マレイミドカプロイル(「MC」)、マレイミドプロパノイル(「MP」)、バリン-シトルリン(「val-cit」又は「vc」)、アラニン-フェニルアラニン(「ala-phe」)、p-アミノベンジルオキシカルボニル(「PAB」)、N-スクシンイミジル4-(2-ピリジルチオ)ペンタノエート(「SPP」)、及び4-(マレイミドメチル)シクロヘキサン-1カルボキシレート(「MCC」)が含まれる。様々なリンカー成分が当技術分野で既知であり、このうちのいくつかが以下に記載される。

【0226】

[0232]いくつかの実施形態では、リンカーは、薬物の放出を促進する「切断可能なリンカー」である。非限定的かつ例示的な、切断可能なリンカーには、酸不安定性のリンカー(例えば、ヒドラゾンを含む)、プロテアーゼ過敏性(例えば、ペプチダーゼ過敏性)リンカー、光解離性リンカー、又はジスルフィド含有リンカー(Chari et al.,Cancer Research 52:127-131(1992);米国特許第5208020号)が含まれる。

【0227】

[0233]一部の実施形態では、リンカー(L)は、以下の式II:

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[式中、Aは「ストレッチャー単位」であり、aは、0から1の整数であり;Wは、「アミノ酸単位」であり、wは、0から12の整数であり;Yは、「スペーサー単位」であり、yは、0、1、又は2であり;Ab、D、及びpは、式Iについて上述したように定義される]を有する。このようなリンカーの例示的な実施態様は、米国特許第7498298号に記載されており、これは参照により本明細書に明示的に援用される。

【0228】

[0234]いくつかの実施形態では、リンカー成分は、抗体を別のリンカー成分又は薬物部分に連結する「ストレッチャー単位」を含む。例示的なストレッチャー単位は、以下に示される(波線は、抗体、薬物、又は追加のリンカー成分への共有結合の部位を示す):

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【0229】

[0235]いくつかの実施形態では、リンカー成分は、「アミノ酸単位」を含む。いくつかのこのような実施形態では、アミノ酸単位は、プロテアーゼによるリンカーの切断を可能にし、それにより、リソソーム酵素等の細胞内プロテアーゼへの曝露時に抗CD79bイムノコンジュゲートからの薬物/細胞傷害性剤の放出を促進する(Doroninaら(2003)Nat.Biotechnol.21:778784)。例示的なアミノ酸単位には、限定されないが、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、及びペンタペプチドが含まれる。例示的なジペプチドには、限定されないが、バリン-シトルリン(vc又はval-cit)、アラニン-フェニルアラニン(af又はala-phe);フェニルアラニン-リジン(fk又はphe-lys);フェニルアラニン-ホモリジン(phe-homolys);及びN-メチル-バリン-シトルリン(Me-val-cit)が含まれる。例示的なトリペプチドには、限定されないが、グリシン-バリン-シトルリン(gly-val-cit)及びグリシン-グリシン-グリシン(gly-gly-gly)が含まれる。アミノ酸単位は、天然に存在するアミノ酸残基、及び/又は微量アミノ酸、及び/又はシトルリン等の天然に存在しないアミノ酸アナログを含んでもよい。アミノ酸単位は、特定の酵素、例えば、腫瘍関連プロテアーゼ、カテプシンB、C、及びD、又はプラスミンプロテアーゼによる酵素的切断のために設計して最適化することができる。

【0230】

[0236]いくつかの実施形態では、リンカー成分は、抗体を薬物部分に直接又はストレッチャー単位及び/又はアミノ酸単位を通して連結する「スペーサー」単位を含む。スペーサー単位は、「自壊性」又は「非自壊性」でありうる。「非自壊性」スペーサー単位は、スペーサー単位の一部又は全部が、ADCの切断時に薬物部分に結合したままであるものである。非自壊性スペーサー単位の例には、限定されないが、グリシンスペーサー単位及びグリシン-グリシンスペーサー単位が含まれる。いくつかの実施形態では、腫瘍-細胞結合プロテアーゼによるグリシン-グリシンスペーサー単位を含有するADCの酵素的切断は、ADCの残部からグリシン-グリシン-薬物部分を放出させる。いくつかのそのような実施形態では、グリシン-グリシン-薬物部分は、腫瘍細胞において加水分解工程に供され、したがってグリシン-グリシンスペーサー単位を薬物部分から切断する。

【0231】

[0237]「自壊性」スペーサー単位は、薬物部分の放出を可能にする。一部の実施形態では、リンカーのスペーサー単位は、p-アミノベンジル単位を含む。いくつかのこのような実施形態では、p-アミノベンジルアルコールは、アミド結合を介してアミノ酸単位に結合し、カルバメート、メチルカルバメート、又はカ-ボネートが、ベンジルアルコールと薬物との間に作製される(Hamann et al.(2005)Expert Opin.Ther.Patents(2005)15:1087-1103)。いくつかの実施形態では、スペーサー単位は、p-アミノベンジルオキシカルボニル(PAB)である。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、以下の構造:

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[式中、Qは、-C-Cアルキル、-O-(C-Cアルキル)、-ハロゲン、-ニトロ、又は-シノであり;mは、0から4の範囲の整数であり;pは、1から約20の範囲である]を含む自壊性リンカーを含む。いくつかの実施形態では、pは、1から10、1から7、1から5、又は1から4の範囲である。

【0232】

[0238]自壊性スペーサーの他の例には、限定されないが、PAB基に電子的に類似する芳香族化合物、例えば、2-アミノイミダゾール-5-メタノール誘導体(米国特許第7,375,078号;Hay et al.(1999)Bioorg.Med.Chem.Lett.9:2237)及びオルト-又はパラ-アミノベンジルアセタールが含まれる。いくつかの実施形態では、置換及び非置換4-アミノ酪酸アミド(Rodrigues et al(1995)Chemistry Biology 2:223)、適切に置換されたビシクロ[2.2.1]及びビシクロ[2.2.2]環系(Storm et al(1972)J.Amer.Chem.Soc.94:5815)及び2-アミノフェニルプロピオン酸アミド(Amsberry,et al(1990)J.Org.Chem.55:5867)等のアミド結合加水分解時に環化を受けるスペーサーを使用することができる。グリシン残基のα炭素への薬物の連結は、ADCにおいて有用でありうる自壊性スペーサーの別の例である(Kingsbury et al(1984)J.Med.Chem.27:1447)。

【0233】

[0239]いくつかの実施形態では、リンカーLは、分岐した多官能性リンカー部分を通して抗体に1種よりも多くの薬物部分を共有結合させるための樹状タイプのリンカーでありうる(Sun et al(2002)Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 12:2213-2215;Sun et al(2003)Bioorganic & Medicinal Chemistry 11:1761-1768)。樹状リンカーは、薬物と抗体のモル比、すなわちADCの力価に関連する負荷を増加させることができる。したがって、抗体が反応性システインチオール基を1つしか保持しない場合も、多数の薬物部分が、樹状リンカーを通して結合することができる。

【0234】

[0240]非限定的かつ例示的なリンカーは、式III、IV、V

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[式中、(Ab)は、抗CD79b抗体であり、(D)は、薬物/細胞傷害性剤であり、「Val-Cit」は、バリン-シトルリンジペプチドであり、MCは、6-マレイミドカプロイルであり、PABは、p-アミノベンジルオキシカルボニルであり、pは、1から約20(例えば、1から15、1から10、1から8、2から5、又は3から4)である]の抗CD79イムノコンジュゲートの文脈において以下に示される。

【0235】

[0241]いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、以下の式VI~V:

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[式中、Xは:

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であり、
Yは:

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であり;
各Rは、独立して、H又はC-Cアルキルであり;nは、1から12である]のいずれか1つの構造を含む。

【0236】

[0242]典型的には、ペプチド型のリンカーは、2つ以上のアミノ酸及び/又はペプチド断片間にペプチド結合を形成することによって調製することができる。このようなペプチド結合は、例えば、液相合成法により調製することができる(例えば、E.Schroder and K.Lubke(1965)“The Peptides”,volume 1,pp 76-136,Academic Press)。

【0237】

[0243]いくつかの実施形態では、リンカーは、溶解度及び/又は反応性を調節する基で置換されている。非限定的な例として、スルホネート(-SO-)又はアンモニウム等の荷電置換基は、抗CD79bイムノコンジュゲートを調製するために用いられる合成経路に応じて、リンカー試薬の水溶性を上昇させ、リンカー試薬と抗体及び/又は薬物部分とのカップリング反応を促進しうるか、又はAb-L(抗CD79b抗体-リンカー中間体)とD、又はD-L(薬物/細胞傷害性剤-リンカー中間体)とAbとのカップリング反応を促進しうる。いくつかの実施形態では、リンカーの一部分は抗体に結合し、リンカーの一部分は薬物に結合し、次いで抗CD79Ab-(リンカー部分)aは、薬物/細胞傷害性剤-(リンカー部分)bに結合して、式Iの抗CD79bイムノコンジュゲートを形成する。いくつかのそのような実施形態では、抗CD79b抗体は、1つより多い薬物/細胞傷害性剤が、式Iの抗CD79bイムノコンジュゲート中の抗CD79b抗体に結合するように、1つより多い(リンカー部分)a置換基を含む。

【0238】

[0244]本明細書に提供される抗CD79bイムノコンジュゲートは、限定されないが、以下のリンカー試薬を用いて調製された抗CD79bイムノコンジュゲートを明確に企図する:ビス-マレイミド-トリオキシエチレングリコール(BMPEO)、N-(β-マレイミドプロピルオキシ)-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(BMPS)、N-(ε-マレイミドカプロイルオキシ)スクシンイミドエステル(EMCS)、N-[γ-マレイミドブチリルオキシ]スクシンイミドエステル(GMBS)、1,6-ヘキサン-ビス-ビニルスルホン(HBVS)、スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシ-(6-アミドカプロエート)(LC-SMCC)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS)、4-(4-N-マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド(MPBH)、スクシンイミジル3-(ブロモアセトアミド)プロピオネート(SBAP)、スクシンイミジルヨードアセテート(SIA)、スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノベンゾエート(SIAB)、N-スクシンイミジル-3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)、N-スクシンイミジル-4-(2-ピリジルチオ)ペンタノエート(SPP)、スクシンイミジル4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(SMCC)、スクシンイミジル4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(SMPB)、スクシンイミジル6-[(ベータ-マレイミドプロピオンアミド)ヘキサノエート](SMPH)、イミノチオラン(IT)、スルホ-EMCS、スルホ-GMBS、スルホ-KMUS、スルホ-MBS、スルホ-SIAB、スルホ-SMCC、及びスルホ-SMPB、並びにスクシンイミジル-(4-ビニルスルホン)安息香酸塩(SVSB)であって、ビスマレイミド試薬を含み:ジチオビスマレイミドエタン(DTME)、1,4-ビスマレイミドブタン(BMB)、1,4ビスマレイミジル-2,3-ジヒドロキシブタン(BMDB)、ビスマレイミドヘキサン(BMH)、ビスマレイミドエタン(BMOE)、BM(PEG)(以下に示す)、及びBM(PEG)(以下に示す);イミドエステルの二官能性誘導体(ジメチルアジピミデートHCl等)、活性エステル(ジスクシンイミジルスベレート等)、アルデヒド(グルタルアルデヒド等)、ビスアジド化合物(ビス(p-アジドベンゾイル)ヘキサンジアミン等)、ビスジアゾニウム誘導体(ビス-(p-ジアゾニウムベンゾイル)-エチレンジアミン等)、ジイソシアネート(トルエン2,6-ジイソシアネート等)、及びビス活性フッ素化合物(1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼン等)。いくつかの実施形態では、ビスマレイミド試薬は、チオール含有薬物部分、リンカー又はリンカー-薬物中間体に対する抗体中のシステインのチオール基の結合を可能にする。チオール基と反応性である他の官能基には、限定されないが、ヨードアセトアミド、ブロモアセトアミド、ビニルピリジン、ジスルフィド、ピリジルジスルフィド、イソシアネート、及びイソチオシアネートが含まれる。

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【0239】

[0245]特定の有用なリンカー試薬は、様々な商業的ソース、例えばPierce Biotechnology,Inc.(Rockford,IL),Molecular Biosciences Inc.(Boulder,CO)から得ることができるか、又は当技術分野の文献;例えば、Toki et al(2002)J.Org.Chem.67:1866-1872;Dubowchik、et al.(1997)Tetrahedron Letters、38:5257-60;Walker,M.A.(1995)J.Org.Chem.60:5352-5355;Frisch et al(1996)Bioconjugate Chem.7:180-186;米国特許第6214345号;国際公開第02/088172号;米国特許出願公開第2003130189号;同第2003096743号;国際公開第03/026577号;同第03/043583号;及び同第04/032828号に記載の手順に従って合成することができる。

【0240】

[0246]炭素-14-標識1-イソチオシアナトベンジル-3-メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX-DTPA)は、抗体に対する放射性核種のコンジュゲーションのための例示的キレート剤である。例えば、国際公開第94/11026号参照。

【0241】

B.抗CD79b抗体
[0247]いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、(a)配列番21のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(f)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つのHVRを含む、抗CD79b抗体を含む。いくつかのこのような実施形態では、イムノコンジュゲートは:(i)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3、及び/又は(ii)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1の少なくとも1つを含む抗CD79抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは:(i)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3、及び/又は(ii)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1の少なくとも1つを含む抗CD79抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、(a)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2;及び(c)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVH HVR配列を含む抗CD79b抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含む抗CD79b抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3と配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3とを含む抗CD79b抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3、及び配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2を含む抗CD79b抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、(a)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2;及び(c)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3を含む抗CD79b抗体を含む。

【0242】

[0248]いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、(a)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(b)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(c)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVL HVR配列を含む抗CD79b抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、(a)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(b)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(c)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVL HVR配列を含む抗CD79b抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、(a)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(b)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(c)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1を含む抗CD79b抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、(a)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(b)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(c)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む抗CD79b抗体を含む。

【0243】

[0249]いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、(a)(i)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR-H1、(ii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び(iii)配列番号23から選択されるアミノ酸配列を含むHVR-H3から選択される、少なくとも1、少なくとも2つ、又は3つすべてのVH HVR配列を含むVHドメインと、(b)(i)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1、(ii)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び(iii)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ、又は3つすべてのVL HVR配列を含むVLドメインとを含む抗CD79b抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは:(i)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3、及び/又は(ii)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1の少なくとも1つを含む抗CD79抗体を含む。

【0244】

[0250]いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、(a)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(f)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む抗CD79bを含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは:配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3、及び/又は配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1の少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、(a)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(f)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む抗CD79bを含む。

【0245】

[0251]いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、ヒト化抗CD79b抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗CD79b抗体は、本明細書に提供される実施形態のいずれかに記載のHVRを含み、ヒトアクセプターフレームワーク、例えばヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワークをさらに含む。いくつかの実施形態では、ヒトアクセプターフレームワークは、ヒトVLカッパ1(VLKI)フレームワーク及び/又はVHフレームワークVHIIIである。いくつかの実施形態では、ヒト化抗CD79b抗体は、(a)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(f)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗CD79b抗体は、(a)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(f)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む。

【0246】

[0252]いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲート(例えば、抗CD79bイムノコンジュゲート)は、配列番号19のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含む抗CD79抗体を含む。いくつかの実施形態では、配列番号19のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するVH配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を含むが、その配列を含む抗CD79bイムノコンジュゲートは、CD79bに対する結合能を保持する。いくつかの実施形態では、配列番号19において合計で1から10個のアミノ酸が、置換、挿入、及び/又は削除されている。いくつかの実施形態では、配列番号19において合計で1から5個のアミノ酸が、置換、挿入、及び/又は削除されている。いくつかの実施形態では、置換、挿入、又は欠失は、HVRの外側の領域(すなわち、FR内)で生じる。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲート(例えば、抗CD79bイムノコンジュゲート)は、配列の翻訳後修飾を含む、配列番号19のVH配列を含む。いくつかの実施形態では、VHは:(a)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR-H1、(b)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2、及び(c)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3から選択された、1つ、2つ又は3つのHVRを含む。

【0247】

[0253]いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲート(例えば、抗CD79bイムノコンジュゲート)は、配列番号20のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は100%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)を含む抗CD79b抗体を含む。一部の実施形態では、配列番号20のアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の同一性を有するVL配列は、参照配列に対して置換(例えば、保存的置換)、挿入、又は欠失を含むが、その配列を含む抗CD79bイムノコンジュゲートは、CD79bに対する結合能を保持する。一部の実施形態では、配列番号20において合計で1から10個のアミノ酸が置換、挿入、及び/又は削除されている。一部の実施形態では、配列番号20において合計で1から5個のアミノ酸が置換、挿入、及び/又は削除されている。一部の実施形態では、置換、挿入、又は欠失は、HVRの外側の領域で(すなわち、FR内で)生じる。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、その配列の翻訳後修飾を含む、配列番号20のVL配列を含む抗CD79b抗体を含む。いくつかの実施形態では、VLは、(a)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1:(b)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(c)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される、1つ、2又は3個のHVRを含む。いくつかの実施形態では、VLは、(a)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(b)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(c)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される1つ、2つ、又は3つのHVRを含む。

【0248】

[0254]いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲート(例えば、抗CD79bイムノコンジュゲート)は、本明細書に提供される実施形態のいずれかのようなVHと、本明細書に提供される実施形態のいずれかのようなVLとを含む抗CD79b抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、それぞれ配列番号19及び配列番号20のVH配列及びVL配列を、これら配列の翻訳後修飾を含めて含む、抗CD79b抗体を含む。

【0249】

[0255]いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲート(例えば、抗CD79bイムノコンジュゲート)は、本明細書に記載される抗CD79b抗体と同じエピトープに結合する抗CD79b抗体を含む。例えば、いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲート(例えば、抗CD79bイムノコンジュゲート)は、配列番号19のVH配列と配列番号20のVL配列とを含む抗CD79b抗体と同じエピトープに結合する抗CD79b抗体を含む。

【0250】

[0256]いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、モノクローナル抗体、キメラ抗体、ヒト化抗体、又はヒト抗体である抗CD79b抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、本明細書に記載される抗CD79b抗体の抗原結合断片、例えば、Fv、Fab、Fab’、scFv、ダイアボディ又はF(ab’)2断片を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、実質的に完全長の抗CD79b抗体、例えば、IgG1抗体又は本明細書の他の箇所に記載される他の抗体クラス若しくはアイソタイプを含む。

【0251】

[0257]いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖を含む抗CD79b抗体を含み、軽鎖は、配列番号35のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号37のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号35のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む抗CD79抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号38のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む抗CD79抗体を含む。

【0252】

[0258]いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、WHO Drug Information,Vol.26、No.4、2012(Proposed INN:List 108)に記載されているポラツズマブベドチンであり、この文献は、参照によりその全体が本明細書に援用される。WHO Drug Information,Vol.26,No.4,2012に示されるように、ポラツズマブベドチンは、以下の構造を有する:免疫グロブリンG1-カッパアウリスタチンEコンジュゲート、抗[ホモサピエンスCD79B(免疫グロブリン関連CD79ベータ)]、アウリスタチンEにコンジュゲートしたヒト化モノクローナル抗体;ガンマ1重鎖(1-447)[ヒト化VH(ホモサピエンスIGHV3-66*01(79.60%)-(IGHD)-IGHJ4*01)[8.8.13](1-120)-ホモサピエンスIGHG1*03(CH1R120>K(214)(121-218)、ヒンジ(219-233)、CH(234-343)、CH3(344-448)、CHS(449-450))(121-450)]、(220-218’)-ジスルフィド(コンジュゲートしていない場合)とカッパ軽鎖(1’-218’)[ヒト化V-KAPPA(ホモサピエンスIGKV1-39*01(80.00%)-IGKJ1*01)[11.3.9](1’-112’)-ホモサピエンスIGKC*01(113’-218’)]、二量体(226-226”:229-229”)-ビスジスルフィド;切断可能なマレイミドカプロイル-バリル-シトルリニル-p-アミノベンジルカルバメート(mc-val-cit-PABC)リンカーを介して、平均3から4個のシステイニルをモノメチルアウリスタチンE(MMAE)にコンジュゲートされている;ポラツズマブベドチンの重鎖は以下の配列を有する:
EVQLVESGGG LVQPGGSLRL SCAASGYTFS SYWIEWVRQA PGKGLEWIGE 50
ILPGGGDTNY NEIFKGRATF SADTSKNTAY LQMNSLRAED TAVYYCTRRV 100
PIRLDYWGQG TLVTVSSAST KGPSVFPLAP SSKSTSGGTA ALGCLVKDYF 150
PEPVTVSWNS GALTSGVHTF PAVLQSSGLY SLSSVVTVPS SSLGTQTYIC 200
NVNHKPSNTK VDKKVEPKSC DKTHTCPPCP APELLGGPSV FLFPPKPKDT 250
LMISRTPEVT CVVVDVSHED PEVKFNWYVD GVEVHNAKTK PREEQYNSTY 300
RVVSVLTVLH QDWLNGKEYK CKVSNKALPA PIEKTISKAK GQPREPQVYT 350
LPPSREEMTK NQVSLTCLVK GFYPSDIAVE WESNGQPENN YKTTPPVLDS 400
DGSFFLYSKL TVDKSRWQQG NVFSCSVMHE ALHNHYTQKS LSLSPGK 447(配列番号56);
ポラツズマブベドチンの軽鎖は以下の配列を有する:
DIQLTQSPSS LSASVGDRVT ITCKASQSVD YEGDSFLNWY QQKPGKAPKL 50
LIYAASNLES GVPSRFSGSG SGTDFTLTIS SLQPEDFATY YCQQSNEDPL 100
TFGQGTKVEI KRTVAAPSVF IFPPSDEQLK SGTASVVCLL NNFYPREAKV 150
QWKVDNALQS GNSQESVTEQ DSKDSTYSLS STLTLSKADY EKHKVYACEV 200
THQGLSSPVT KSFNRGEC 218(配列番号35);
ジスルフィド架橋位置は:
Intra-H 22-96 144-200 261-321 367-425
22’’-96’’ 147’’-203’’ 261’’-321’’ 367’’-425’’
Intra-L 23’-92’ 138’-198’
23’’’-92’’’ 138’’’-198’’’
Inter-H-L* 220-218’ 220’’-218’’’
Inter-H-H* 226-226’’ 229-229’’
*鎖間ジスルフィド架橋のうちの2つ又は3つは存在せず、抗体は、
各々チオエーテル結合を介して平均3から4個の薬物リンカーにコンジュゲートしており;
N-グリコシル化部位は、H CHN84.4:297、297’’であるが、炭水化物を欠いており;
他の翻訳後修飾は:H鎖C末端リジンを欠く。したがって、いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンの重鎖は、配列番号36の配列を有する。

【0253】

C.薬物/細胞傷害性剤
[0259]抗CD79イムノコンジュゲートは、1つ又は複数の薬物/細胞傷害性剤、例えば化学療法剤又は薬、成長阻害剤、toxins(例えば、タンパク質毒素、細菌、真菌、植物、若しくは動物起源の酵素的に活性な毒素、又はこれらの断片)、又は放射性同位体(すなわち、放射性コンジュゲート)にコンジュゲートした抗CD79b抗体(例えば、本明細書に記載される抗CD79b抗体)を含む。このようなイムノコンジュゲートは、強力な細胞傷害性薬物を抗原発現がん細胞(例えば腫瘍細胞に標的化することにより、抗体と細胞傷害性薬物両方の特性を組み合わせ(Teicher,B.A.(2009)Current Cancer Drug Targets 9:9821004)、それにより、有効性を最大化し、標的外毒性を最小化することで治療指数を増強する(Carter、P.J.and Senter P.D.(2008)The Cancer Jour.14(3):154-169;Chari,R.V.(2008)Acc.Chem.Res.41:98-107)、標的とされる化学療法剤分子である。すなわち、抗CD79イムノコンジュゲートは、有効用量の薬物をがん性細胞/組織に選択的に送達し、それにより、治療指数(「治療域」)を増加させながら、より大きな選択性、すなわち、より低い有効用量を達成しうる(Polakis P.(2005)Current Opinion in Pharmacology 5:382-387)。

【0254】

[0260]本明細書に提供される方法において使用される抗CD79イムノコンジュゲートには、抗がん活性を有するものが含まれる。いくつかの実施形態では、抗CD79イムノコンジュゲートは、薬物部分にコンジュゲーションした、すなわち共有結合した抗CD79b抗体を含む。いくつかの実施形態では、抗CD79b抗体は、リンカーを介して薬物部分に共有結合している。抗CD79イムノコンジュゲートの薬物部分(D)は、細胞傷害作用又は細胞静止作用を有するあらゆる化合物、部分又は基を含みうる。薬物部分は、チューブリン結合、DNA結合又はインターカレーション、並びにRNAポリメラーゼ、タンパク質合成、及び/又はトポイソメラーゼの阻害を含むが、これらに限定されない機序によって、それらの細胞傷害性効果及び細胞静止効果を付与しうる。例示的な薬物部分には、限定されないが、メイタンシノイド、ドラスタチン、アウリスタチン、カリケアマイシン、アントラサイクリン、ズオカルマイシン、ビンカアルカロイド、タキサン、トリコテセン、CC1065、カンプトテシン、エリナフィド、並びに細胞傷害活性を有するそれらの立体異性体、イソスター(isosteres)、アナログ、及び誘導体が含まれる。

【0255】

(i)メイタンシン及びメイタンシノイド
[0261]いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、1つ又は複数のメイタンシノイド分子にコンジュゲーションした抗CD79b抗体を含む。メイタンシノイドは、メイタンシンの誘導体であり、チューブリン重合を阻害することによって作用する有糸分裂阻害剤である。メイタンシンは、東アフリカの低木メイテヌスセラタから最初に単離された(米国特許第3896111号)。続いて、特定の微生物も、メイタンシノイド、例えばメイタンシノール及びC-3メイタンシノールエステルを生成することが発見された(米国特許第4,151,042号)。合成メイタンシノイドは、例えば、米国特許第4,137,230号;同第4,248,870号;同第4,256,746号;同第4,260,608号;同第4,265,814号;同第4,294,757号;同第4,307,016号;同第4,308,268号;同第4,308,269号;同第4,309,428号;同第4,313,946号;同第4,315,929号;同第4,317,821号;同第4,322,348号;同第4,331,598号;同第4,361,650号;同第4,364,866号;同第4,424,219号;同第4,450,254号;同第4,362,663号;及び同第4,371,533号に開示されている。

【0256】

[0262]メイタンシノイド薬物部分は、抗体-薬物コンジュゲートにおいて魅力的な薬物部分であるが、これは、それらが:(i)発酵若しくは化学修飾、又は発酵生成物の誘導体化により比較的調製しやすく、(ii)非ジスルフィドリンカーを通した抗体へのコンジュゲーションに適した官能基での誘導体化に対応可能であり、(iii)血漿中で安定しており、かつ(iv)様々な腫瘍細胞株に対して有効であるためである。

【0257】

[0263]メイタンシノイド薬物部分としての使用に適した特定のメイタンシノイドは、当技術分野において既知であり、既知の方法に従って天然源から単離することができるか、又は遺伝子操作技術を使用して生成することができる(例えば、Yu et al(2002)PNAS 99:7968-7973を参照)。メイタンシノイドはまた、既知の方法に従って合成的に調製されうる。

【0258】

[0264]例示的なメイタンシノイド薬物部分には、限定されないが、以下のような修飾芳香族環を有するものが含まれる:C-19-デクロロ(米国特許第4256746号)(例えば、アンサミトシン(ansamytocin)P2の水素化リチウムアルミニウム還元によって調製される);C-20-ヒドロキシ(又はC-20-デメチル)+/-C-19デクロロ(米国特許第4361650号及び同第4307016号)(例えば、ストレプトミセス属(Streptomyces)若しくはアクチノマイセス属を使用した脱メチル化又はLAHを使用した脱塩素によって調製される);及びC-20-デメトキシ、C-20-アシルオキシ(-OCOR)、+/-デクロロ(米国特許第4,294,757号)(例えば、塩化アシルを使用したアシル化によって調製される)、並びに芳香族環の他の位置に修飾を有するもの。

【0259】

[0265]代表的なメイタンシノイド薬物部分には、修飾、例えば:C-9-SH(米国特許第4424219号)(例えば、メイタンシノールとH2S又はP2S5との反応によって調製される);C-14-アルコキシメチル(デメトキシ/CHOR)(米国特許第4331598号);C-14-ヒドロキシメチル又はアシルオキシメチル(CHOH又はCHOAc)(米国特許第4450254号)(例えば、Nocardiaから調製される);C-15-ヒドロキシ/アシルオキシ(米国特許第4364866号)(例えば、ストレプトミセス属(Streptomyces)によるメイタンシノールの変換によって調製される);C-15-メトキシ(米国特許第4313946号及び同第4315929号)(例えば、Trewia nudlfloraから単離される);C-18-N-デメチル(米国特許第4362663号及び同第4322348号)(例えば、ストレプトミセス属(Streptomyces)によるメイタンシノールの脱メチル化によって調製される);及び4,5-デオキシ(米国特許第4371533号)(例えば、メイタンシノールの三塩化チタン/LAH還元によって調製される)を有するものも含まれる。

【0260】

[0266]メイタンシノイド化合物上の多くの位置は、結合位置として有用である。例えば、エステル結合が、従来のカップリング技法を使用したヒドロキシル基との反応によって形成されうる。いくつかの実施形態では、この反応は、ヒドロキシル基を有するC-3位、ヒドロキシメチルで修飾されたC-14位、ヒドロキシル基で修飾されたC-15位、及びヒドロキシル基を有するC-20位で生じうる。いくつかの実施形態では、結合は、メイタンシノール又はメイタンシノールアナログのC-3位で形成される。

【0261】

[0267]メイタンシノイド薬物部分には、以下の構造:

2024-520901 - 知財ポータルサイト『IP Force』 (48)

[ここで、波線は、抗CD79bイムノコンジュゲートのリンカーに対するメイタンシノイド薬物部分の硫黄原子の共有結合を示す]を有するものが含まれる。各Rは、独立して、H又はC-Cアルキルでありうる。アミド基を硫黄原子に結合させるアルキレン鎖は、メタニル、エタニル、又はプロピルであってもよく、すなわち、mは、1、2、又は3である(米国特許第633410号、同第5208020号、Chari et al(1992)Cancer Res.52:127-131;Liu et al(1996)Proc.Natl.Acad.Sci USA 93:8618-8623)。

【0262】

[0268]メイタンシノイド薬物部分のすべての立体異性体は、本明細書に提供される方法において使用される抗CD79bイムノコンジュゲート、すなわち、キラル炭素におけるR配置とS配置との任意の組み合わせ(米国特許第7276497号;米国特許第6913748号;米国特許第6441163号;米国特許第633410号(RE39151);米国特許第5208020号;Widdison et al(2006)J.Med.Chem.49:4392-4408(これらは参照によりその全体が援用される))について企図される。いくつかの実施形態では、メイタンシノイド薬物部分は、以下の立体化学を有する:

2024-520901 - 知財ポータルサイト『IP Force』 (49)

【0263】

[0269]メイタンシノイド薬物部分の代表的な実施形態には、限定されないが、構造:

2024-520901 - 知財ポータルサイト『IP Force』 (50)

[ここで、波線は、抗CD79bイムノコンジュゲートのリンカー(L)に対する薬物の硫黄原子の共有結合を示す]を有するDM1;DM3;及びDM4が含まれる。

【0264】

[0270]他の例示的なメイタンシノイド抗CD79bイムノコンジュゲートは、以下の構造及び略記(式中、Abは、抗CD79b抗体であり、pは、1から約20である)を有する。いくつかの実施形態では、pは、1から10であるか、pは、1から7であるか、pは、1から5であるか、又はpは、1から4である):

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【0265】

[0271]DM1がBMPEOリンカーを通して抗体のチオール基に連結されている例示的な抗体-薬物コンジュゲートは、以下の構造及び略記を有する:

2024-520901 - 知財ポータルサイト『IP Force』 (52)

[式中、Abは、抗CD79b抗体であり;nは、0、1又は2であり;pは、1から約20である]。いくつかの実施形態では、pは、1から10であるか、pは、1から7であるか、pは、1から5であるか、又はpは、1から4である。

【0266】

[0272]メイタンシノイドを含有するイムノコンジュゲート、その作製方法、及びその治療的使用は、例えば、米国特許第5,208,020号及び第5,416,064号;米国特許出願公開第2005/0276812号、及びEP0 425 235B1号に開示されており、これらの開示は、参照により本明細書に明示的に援用される。Liu et al.Liu et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:8618-8623(1996);and Chari et al.Cancer Research 52:127-131(1992)も参照。

【0267】

[0273]いくつかの実施形態では、抗CD79b抗体-メイタンシノイドコンジュゲートは、抗体又はメイタンシノイド分子のいずれの生物活性も著しく減弱させることなく、抗CD79b抗体をメイタンシノイド分子に化学的に連結させることによって調製されうる。例えば、米国特許第5,208,020号(その開示は参照により本明細書に明示的に援用される)を参照されたい。いくつかの実施形態では、抗体分子1つ当たり平均3~4個のメイタンシノイド分子がコンジュゲートされた抗CD79bイムノコンジュゲートは、抗体の機能又は可溶性に悪影響を与えることなく、標的細胞の細胞傷害性を増強することにおいて有効性を示した。いくつかの事例では、毒素/抗体の1つの分子でさえも、ネイキッド抗CD79b抗体の使用を上回る細胞傷害性を増強することが予測される。

【0268】

[0274]抗体-メイタンシノイドコンジュゲートを作製するための例示的な結合基には、例えば、本明細書に記載されるもの及び米国特許第5208020号;EP0 425 235B1;Chari et al.Cancer Research 52:127-131(1992);米国特許出願公開第2005/0276812号、同第2005/016993号に開示されるものが含まれ、それらの開示は参照により本明細書に明示的に援用される。

【0269】

(2)アウリスタチン及びドラスタチン
[0275]薬物部分には、ドラスタチン、アウリスタチン、及びそれらのアナログ及び誘導体が含まれる(米国特許第5635483号;同第5780588号;同第5767237号;同第6124431号)。アウリスタチンは、海生軟体動物化合物ドラスタチン-10の誘導体である。どのような特定の理論にも拘束されることを意図しないが、ドラスタチン及びアウリスタチンは、微小管動態、GTP加水分解及び核と細胞の分割を妨げ(Woyke et al(2001)Antimicrob.Agents and Chemother.45(12):3580-3584)、抗がん活性(米国特許第5663149号)及び抗真菌活性(Pettit et al(1998)Antimicrob.Agents Chemother.42:2961-2965)を有することが示されている。ドラスタチン/アウリスタチン薬物部分は、ペプチド薬物部分のN(アミノ)末端又はC(カルボキシル)末端を通して抗体に結合しうる(国際公開第02/088172号;Doronina et al(2003)Nature Biotechnology 21(7):778-784;Francisco et al(2003)Blood 102(4):1458-1465)。

【0270】

[0276]代表的なアウリスタチンの実施形態には、その開示の全体が参照により明示的に援用される米国特許第7498298号及び同第7659241号に開示される、N末端に連結されたモノメチルアウリスタチン薬物部分DE及びDFを含む:

2024-520901 - 知財ポータルサイト『IP Force』 (53)

[式中、DE及びDFの波線は、抗体又は抗体リンカー成分への共有結合部位を示し、各位置において独立して:
は、H及びC-Cアルキルから選択され;
は、H、C-Cアルキル、C-C炭素環、アリール、C-Cアルキル-アリール、C-Cアルキル-(C-C炭素環)、C-C複素環及びC-Cアルキル-(C-C複素環)から選択され;
は、H、C-Cアルキル、C-C炭素環、アリール、C-Cアルキル-アリール、C-Cアルキル-(C-C炭素環)、C-C複素環及びC-Cアルキル-(C-C複素環)から選択され;
は、H及びメチルから選択されるか;
又は、R及びRは、一緒になって炭素環を形成し、式-(CRaRb)n-を有し、ここで、Ra及びRbは、独立して、H、C-Cアルキル及びC-C炭素環から選択され、nは、2、3、4、5及び6から選択され;
は、H及びC-Cアルキルから選択され;
は、H、C-Cアルキル、C-C炭素環、アリール、C-Cアルキル-アリール、C-Cアルキル-(C-C炭素環)、C-C複素環及びC-Cアルキル-(C-C複素環)から選択され;
各Rは、独立して、H、OH、C-Cアルキル、C-C炭素環及びO-(C-Cアルキル)から選択され;
は、H及びC-Cアルキルから選択され;
10は、アリール又はC-C複素環から選択され;
Zは、O、S、NH又はNR12であり、ここで、R12は、C-Cアルキルであり;
11は、H、C-C20アルキル、アリール、C-C複素環、-(R13O)-R14、又は-(R13O)-CH(R15から選択され;
mは、1~1000の範囲の整数であり;
13は、C-Cアルキルであり;
14は、H又はC-Cアルキルであり;
15の各存在は、独立して、H、COOH、-(CH)n-N(R16、-(CH)n-SOH、又は-(CH)n-SO-C-Cアルキルであり;
16の各存在は、独立して、H、C-Cアルキル、又は-(CH)n-COOHであり;
18は、-C(R-C(R-アリール、-C(R-C(R-(C-C複素環)、及び-C(R-C(R-(C-C炭素環)から選択され;かつ
nは、0から6の範囲の整数である]。

【0271】

[0277]一実施形態では、R、R及びRは、独立して、イソプロピル又はsec-ブチルであり、Rは、-H又はメチルである。例示的な一実施態様では、R及びRは、各々がイソプロピルであり、Rは、-Hであり、Rは、sec-ブチルである。

【0272】

[0278]また別の実施形態では、R及びRは、各々がメチルであり、Rは、-Hである。

【0273】

[0279]さらに別の実施形態では、Rの各存在は、-OCHである。

【0274】

[0280]例示的な実施形態では、R及びRは、各々がイソプロピルであり、R及びRは、各々がメチルであり、Rは、-Hであり、Rは、sec-ブチルであり、Rの各存在は、-OCHであり、Rは、-Hである。

【0275】

[0281]一実施形態では、Zは、-O-又は-NH-である。

【0276】

[0282]一実施形態では、R10はアリールである。

【0277】

[0283]例示的な実施形態では、R10は、-フェニルである。

【0278】

[0284]例示的な実施形態では、Zが-O-であるとき、R11は、-H、メチル又はt-ブチルである。

【0279】

[0285]一実施形態では、Zが-NHであるとき、R11は、-CH(R15であり、ここで、R15は、-(CH)n-N(R16であり、R16は、-C-Cアルキル又は-(CH-COOHである。

【0280】

[0286]別の実施形態では、Zが-NHである場合、R11は、-CH(R15であり、式中、R15は、-(CH)n-SOHである。

【0281】

[0287]式DEの例示的なアウリスタチンの実施形態は、MMAEであり、波線は、抗CD79bイムノコンジュゲートのリンカー(L)への共有結合を示す:

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【0282】

[0288]式DFの例示的なアウリスタチンの実施形態は、MMAFであり、波線は、抗CD79bイムノコンジュゲートのリンカー(L)への共有結合を示す:

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【0283】

[0289]他の代表的な実施形態には、ペンタペプチドアウリスタチン薬物部分のC末端にフェニルアラニンカルボキシ修飾を有するモノメチルバリン化合物(国際公開第2007/008848)及びペンタペプチドアウリスタチン薬物部分のC末端にフェニルアラニン側鎖修飾を有するモノメチルバリン化合物(国際公開第2007/008603)が含まれる。

【0284】

[0290]MMAE又はMMAFと種々のリンカー成分とを含む式Iの抗CD79bイムノコンジュゲートの非限定的かつ例示的な実施形態は、以下の構造及び略記を有する(式中、「Ab」は、抗CD79b抗体であり;pは、1から約8であり、「Val-Cit」は、バリン-シトルリンジペプチドであり;「S」は、硫黄原子である:

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一部の実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、Ab-MC-vc-PAB-MMAEの構造を含み、ここで、pは、例えば、約1から約8;約2から約7;約3から約5;約3から約4;又は約3.5である。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、huMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE、例えば、MC-vc-PAB-MMAEの構造を含む抗CD79bイムノコンジュゲートであり、ここで、pは、例えば、約1から約8;約2から約7;約3から約5;約3から約4;又は約3.5であり、抗CD79抗体は、配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖を含み、軽鎖は、配列番号35のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、ポラツズマブベドチン(CAS番号1313206-42-6)である。ポラツズマブベドチンは、IUPHAR/BPS番号8404、KEGG番号D10761、INN番号9714を有し、「DCDS4501A」又は「RG7596」とも呼ぶことができる。

【0285】

[0291]MMAF及び種々のリンカー成分を含む式Iの抗CD79bイムノコンジュゲートの非限定的かつ例示的な実施形態は、Ab-MC-PAB-MMAF及びAb-PAB-MMAFをさらに含む。タンパク質分解的に切断可能ではないリンカーによって抗体に結合したMMAFを有するイムノコンジュゲートは、タンパク質分解的に切断可能なリンカーによって抗体に結合したMMAFを有するイムノコンジュゲートに匹敵する活性を保持することが示された(Doronina et al.(2006)Bioconjugate Chem.17:114-124)。いくつかのこのような実施形態において、薬物放出は、細胞における抗体分解によってもたらされると考えられる。

【0286】

[0292]典型的には、ペプチドベースの薬物部分は、2つ以上のアミノ酸及び/又はペプチド断片間にペプチド結合を形成することによって調製することができる。このようなペプチド結合は、例えば、液相合成法により調製することができる(例えば、E.Schroder and K.Lubke,“The Peptides”,volume 1,pp 76-136,1965,Academic Pressを参照)。アウリスタチン/ドラスタチン薬物部分は、いくつかの実施態様では、米国特許第7498298号;同第5635483号;同第5780588号;Pettit et al(1989)J.Am.Chem.Soc.111:5463-5465;Pettit et al(1998)Anti-Cancer Drug Design 13:243-277;Pettit、G.R.,et al.Synthesis,1996、719-725;Pettit et al(1996)J.Chem.Soc.Perkin Trans.1 5:859-863;及びDoronina(2003)Nat Biotechnol 21(7):778-784の方法に従って調製される。

【0287】

[0293]いくつかの実施態様では、MMAE等の式DE及びMMAF等の式DFのアウリスタチン/ドラスタチンの薬物部分と、薬物-リンカー中間体及びその誘導体、例えばMC-MMAF、MC-MMAE、MC-vc-PAB-MMAF、及びMC-vc-PAB-MMAEは、米国特許第7498298号;Doronina et al.(2006)Bioconjugate Chem.17:114124;及びDoronina et al.(2003)Nat.Biotech.21:778-784に記載される方法を使用して調製され、次いで対象の抗体にコンジュゲートされうる。

【0288】

(3)カリケアマイシン
[0294]いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、1つ又は複数のカリケアマイシン分子にコンジュゲーションした抗CD79b抗体を含む。カリケアマイシンファミリーの抗生物質、及びそれらのアナログは、ピコモル以下の濃度で二本鎖DNA破壊を生成することができる(Hinman et al.,(1993)Cancer Research 53:3336-3342;Lode et al.,(1998)Cancer Research 58:2925-2928)。カリケアマイシンは、細胞内作用部位を有するが、一部の事例では、原形質膜を容易に横断しない。したがって、いくつかの実施形態では、抗体媒介性内部移行を通したこれら薬剤の細胞取り込みによって、それらの細胞傷害性効果が大きく増強されうる。カリケアマイシン薬物部分を有する抗CD79b抗体イムノコンジュゲートを調製する非限定的かつ例示的な方法は、例えば米国特許第5712374号;同第5714586号;同第5739116号;及び同第5767285号に記載されている。

【0289】

(4)その他の薬物部分
[0295]いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、ゲルダナマイシン(Mandler et al(2000)J.Nat.Cancer Inst.92(19):1573-1581;Mandler et al(2000)Bioorganic & Med.Chem.Letters 10:1025-1028;Mandler et al(2002)Bioconjugate Chem.13:786-791);及び/又は酵素的に活性な毒素及びその断片を含み、これには、限定されないが、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、(緑膿菌からの)外毒素A鎖、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、アルファ-サルシン、シナアブラギリタンパク質、ジアンチンタンパク質、ヨウシュヤマゴボウタンパク質(PAPI、PAPII、及びPAP-S)、ツルレイシ阻害剤、クルシン、クロチン、サポンソウ(sapaonaria officinalis)阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン、フェノマイシン(phenomycin)、エノマイシン及びトリコテセンが含まれる。例えば、国際公開第93/21232を参照されたい。

【0290】

[0296]薬物部分は、核酸分解活性を有する化合物(例えば、リボヌクレアーゼ又はDNAエンドヌクレアーゼ)も含む。

【0291】

[0297]一部の実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、高放射性原子を含む。様々な放射性同位体が、放射性コンジュゲート抗体の生成に利用可能である。例には、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212、及びLuの放射性同位体が含まれる。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、検出に使用されるとき、シンチグラフ検査用の放射性原子、例えばTc99若しくはI123、又は核磁気共鳴(NMR)画像法用のスピン標識(磁気共鳴画像法、MRIとしても知られる)、例えばジルコニウム-89、ヨウ素-123、ヨウ素-131、インジウム-111、フッ素-19、炭素-13、窒素-15、酸素-17、ガドリニウム、マンガン若しくは鉄を含みうる。ジルコニウム-89は、例えばPET画像法のために、種々の金属キレート剤と錯体形成され、抗体にコンジュゲートされうる(国際公開第2011/056983号)。

【0292】

[0298]放射性標識又は他の標識は、既知の方法で抗CD79bイムノコンジュゲートに組み込まれうる。例えば、ペプチドは、例えば、1つ又は複数の水素の代わりに1つ又は複数のフッ素-19原子を含む適切なアミノ酸前駆体を使用して、生合成又は化学合成されうる。いくつかの実施形態では、Tc99、I123、Re186、Re188及びIn111等の標識を、抗CD79b抗体中のシステイン残基を介して結合させることができる。いくつかの実施形態では、イットリウム-90を、抗CD79b抗体のリジン残基を介して結合することができる。いくつかの実施形態では、IODOGEN法(Fraker et al(1978)Biochem.Biophys.Res.Commun.80:49-57)を使用してヨウ素-123を組み込むことができる。「Monoclonal Antibodies in Immunoscintigraphy」(Chatal,CRC Press 1989)は、特定の他の方法を記載している。

【0293】

[0299]一部の実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、プロドラッグ活性化酵素にコンジュゲートした抗CD79b抗体を含みうる。いくつかのこのような実施形態では、プロドラッグ活性化酵素は、プロドラッグ(例えば、ペプチジル化学療法剤、国際公開第81/01145号参照)を抗がん薬等の活性薬物に変換する。そのようなイムノコンジュゲートは、いくつかの実施形態では、抗体依存性酵素媒介プロドラッグ療法(「ADEPT」)において有用である。抗CD79b抗体にコンジュゲートされうる酵素には、限定されないが、リン酸塩含有プロドラッグを遊離薬物に変換するために有用なアルカリホスファターゼ;硫酸塩含有プロドラッグを遊離薬物に変換するために有用なアリールスルファターゼ;非毒性5-フルオロシトシンを抗がん薬物、5-フルオロウラシルに変換するために有用なシトシンデアミナーゼ;ペプチド含有プロドラッグを遊離薬物に変換するために有用なセラチアプロテアーゼ、サーモリシン、サブチリシン、カルボキシペプチダーゼ、及びカテプシン(例えば、カテプシンB及びL)等のプロテアーゼ;D-アミノ酸置換基を含有するプロドラッグを変換するために有用なD-アラニルカルボキシペプチダーゼ;グリコシル化プロドラッグを遊離薬物に変換するために有用なβ-ガラクトシダーゼ及びノイラミニダーゼ等の炭水化物切断酵素;β-ラクタムで誘導体化された薬物を遊離薬物に変換するために有用なβ-ラクタマーゼ;並びにアミン窒素において、フェノキシアセチル基又はフェニルアセチル基で誘導体化された薬物をそれぞれ遊離薬物に変換するために有用なペニシリンVアミダーゼ又はペニシリンGアミダーゼ等のペニシリンアミダーゼが含まれる。いくつかの実施形態では、酵素は、当技術分野で周知の組み換えDNA技術によって抗体に共有結合されうる。例えば、Neuberger et al.,Nature 312:604-608(1984)を参照されたい。

【0294】

D.薬物負荷
[0300]薬物負荷は、式Iの一分子中の抗CD79b抗体1つ当たりの薬物部分の平均数であるpにより表される。薬物負荷は、抗体1つ当たり1から20の薬物部分(D)の範囲でありうる。式Iの抗CD79bイムノコンジュゲートは、1から20の薬物部分範囲にコンジュゲートした抗CD79b抗体の集合を含む。コンジュゲーション反応からの抗CD79bイムノコンジュゲートの調製における抗CD79b抗体1つ当たりの薬物部分の平均数は、質量分析、ELISAアッセイ、及びHPLCといった従来の手段により特徴づけることができる。pの観点からも抗CD79bイムノコンジュゲート定量的分布が決定されうる。いくつかの事例では、pが特定の値である同種の抗CD79bイムノコンジュゲートを、他の薬物負荷を有する抗CD79bイムノコンジュゲートから分離し、精製し、特徴づけることは、逆相HPLC又は電気泳動法等によって達成されうる。

【0295】

[0301]いくつかの抗CD79bイムノコンジュゲートについて、pは、抗CD79b抗体上の結合部位の数によって制限されうる。例えば、上記の一部の例示的実施形態のように、結合がシステインチオールである場合、抗CD79b抗体は、1個のみ若しくは複数のシステインチオール基を有するか、又は1個のみ若しくは複数の十分に反応性のチオール基を有することができ、それを通してリンカーが結合されうる。一部の実施形態では、より高い、例えば、pが5超の薬物負荷は、特定の抗CD79bイムノコンジュゲートの凝集、不溶性、傷害性、又は細胞透過性の喪失を引き起こしうる。一部の実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートの平均薬物負荷は、1から約8;約2から約6;約3から約5;又は約3から約4の範囲である。実際、一部の抗体-薬物コンジュゲートでは、抗体1つ当たりの薬物部分の最適な比は、8未満であってよく、約2から約5でもよいことが示された(米国特許第7498298号)。一部の実施形態では、抗体1つ当たりの薬物部分の最適な比は、約3から約4である。一部の実施形態では、抗体1つ当たりの薬物部分の最適な比は、約3.5である。

【0296】

[0302]一部の実施形態では、理論上の最大数よりも少ない薬物部分が、コンジュゲーション反応中に抗CD79b抗体にコンジュゲートされる。抗体は、以下に説明されるように、例えば、薬物-リンカー中間体又はリンカー試薬と反応しないリジン残基を含有しうる。一般に、抗体は、薬物部分に連結しうる多くの遊離及び反応性システインチオール基を含有せず、実際、抗体におけるほとんどのシステインチオール残基は、ジスルフィド架橋として存在する。一部の実施形態では、抗CD79b抗体は、ジチオスレイトール(DTT)又はトリカルボニルエチルホスフィン(TCEP)等の還元剤により、部分又は完全還元条件下で還元されて、反応性システインチオール基を生成しうる。一部の実施形態では、抗CD79b抗体は、リジン又はシステイン等の反応性求核基を明らかにするために、変性条件に曝される。

【0297】

[0303]抗CD79bイムノコンジュゲートの負荷(薬物/抗体比)は、様々な方法で、例えば:(i)抗体と比較してモル過剰の薬物-リンカー中間体又はリンカー試薬を限定すること、(ii)コンジュゲーション反応時間又は温度を限定すること、及び(iii)システインチオール修飾のための部分又は限定的還元条件によって制御されうる。

【0298】

[0304]1つより多い求核基が薬物-リンカー中間体又はリンカー試薬と反応する場合、得られる生成物は、抗CD79b抗体に結合した1つ又は複数の薬物部分の分布を有する抗CD79bイムノコンジュゲート化合物の混合物であることが理解されるべきである。抗体1つ当たりの薬物の平均数は、抗体及び薬物に特異的である二重ELISA抗体アッセイによって混合物から算出されうる。個々の抗CD79bイムノコンジュゲート分子は、質量分析によって混合物中で同定され、HPLC、例えば、疎水性相互作用クロマトグラフィーによって分離されうる(例えば、McDonagh et al(2006)Prot.Engr.Design & Selection 19(7):299-307;Hamblett et al(2004)Clin.Cancer Res.10:7063-7070;Hamblett、K.J.,et al.“Effect of drug loading on the pharmacology、pharmacokinetics,and toxicity of an anti-CD30 antibody-drug conjugate,” Abstract No.624、American Association for Cancer Research,2004 Annual Meeting,March 27-31,2004,Proceedings of the AACR,Volume 45,March 2004;Alley,S.C.,et al.“Controlling the location of drug attachment in antibody-drug conjugates,” Abstract No.627,American Association for Cancer Research,2004 Annual Meeting,March 27-31,2004,Proceedings of the AACR,Volume 45,March 2004)参照。一部の実施形態では、単一の負荷値を有する同種の抗CD79bイムノコンジュゲートが、電気泳動法又はクロマトグラフィーによってコンジュゲーション混合物から単離されうる。

【0299】

E.抗CD79bイムノコンジュゲートの調製方法
[0305]式Iの抗CD79bイムノコンジュゲートは、限定されないが、例えば、(1)抗CD79b抗体の求核基と二価リンカー試薬との反応により共有結合を介してAb-Lを形成し、続いて薬物部分Dと反応させること、及び、(2)薬物部分の求核基を二価リンカー試薬と反応させ、共有結合を介してD-Lを形成し、続いて抗CD79b抗体の求核基と反応させることを含む当業者に既知の有機化学反応、条件及び試薬を用いる複数の経路によって調製されうる。後者の経路を介して式Iの抗CD79bイムノコンジュゲートを調製するための例示的な方法は、米国特許第7498298号に記載されており、これは、参照により本明細書に明示的に援用される。

【0300】

[0306]抗体上の求核基には、限定されないが:(i)N末端アミン基、(ii)側鎖アミン基、例えば、リジン、(iii)側鎖チオール基、例えば、システイン、及び(iv)抗体がグリコシル化される糖ヒドロキシル基又はアミノ基が含まれる。アミン、チオール、及びヒドロキシル基は、求核性であり、(i)活性エステル、例えばNHSエステル、HOBtエステル、ハロホルメート、及び酸ハロゲン化物;(ii)アルキル及びベンジルハロゲン化物、例えばハロアセトアミド、並びに(iii)アルデヒド、ケトン、カルボキシル、及びマレイミド基を含むリンカー部分及びリンカー試薬上の求電子基と反応して共有結合を形成することができる。一部の抗体は、還元可能な鎖間ジスルフィド、すなわちシステイン架橋を有する。抗CD79b抗体は、抗CD79b抗体が完全に又は部分的に還元されるように、DTT(ジチオスレイトール)又はトリカルボニルエチルホスフィン(TCEP)等の還元剤での処理によってリンカー試薬とのコンジュゲーションに対して反応性に作製することができる。したがって、各システイン架橋は、理論上、2つの反応性チオール求核試薬を形成するであろう。追加の求核基を、リジン残基の修飾を通して、例えば、リジン残基と2-イミノチオラン(Traut’s試薬)とを反応させて、アミンをチオールへと変換させることによって抗CD79b抗体中に導入することができる。また、反応性のチオール基は、1つ、2つ、3つ、4つ、又はそれよりも多いシステイン残基を導入することによって(例えば、1つ又は複数の非天然システインアミノ酸残基を含む変異型抗体を調製することによって)抗CD79b抗体中に導入されうる。

【0301】

[0307]本明細書に記載される抗CD79bイムノコンジュゲートはまた、抗CD79b抗体上の求電子基、例えば、アルデヒド基又はケトンカルボニル基と、リンカー試薬又は薬物上の求核基との間の反応によって生成されうる。リンカー試薬上の有用な求核基には、限定されないが、ヒドラジド、オキシム、アミノ、ヒドラジン、チオセミカルバゾン、ヒドラジンカルボキシレート、及びアリールヒドラジドが含まれる。一実施形態において、抗CD79b抗体は、リンカー試薬又は薬物上の求核置換基と反応することのできる求電子部分を導入するように修飾される。別の実施形態では、グリコシル化抗CD79b抗体の糖類を、例えば、過ヨウ素酸酸化試薬で酸化させて、リンカー試薬又は薬物部分のアミン基と反応しうるアルデヒド基又はケトン基を形成してもよい。結果として得られるイミンシッフ塩基は、安定した結合を形成することができるか、又は例えば水酸化ホウ素試薬によって還元されて、安定したアミン結合を形成することができる。一実施形態では、グリコシル化された抗CD79b抗体の炭水化物部分と、ガラクトースオキシダーゼ又はメタ過ヨウ素酸ナトリウムとを反応させると、抗CD79b抗体において、薬物上の適切な基と反応することのできるカルボニル(アルデヒド及びケトン)基が得られる(Hermanson,Bioconjugate Techniques)。別の実施形態では、N末端セリン又はスレオニン残基を含有する抗CD79b抗体は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムと反応することができ、それによって第1のアミノ酸の代わりにアルデヒドが生成される(Geoghegan & Stroh,(1992)Bioconjugate Chem.3:138-146;米国特許第5362852号)。このようなアルデヒドは、薬物部分又はリンカー求核剤と反応することができる。

【0302】

[0308]薬物部分上の例示的な求核基には、限定されないが、(i)活性エステル、例えばNHSエステル、HOBtエステル、ハロホルメート、及び酸ハロゲン化物、(ii)アルキル及びベンジルハロゲン化物、例えばハロアセトアミド、(iii)アルデヒド、ケトン、カルボキシル、及びマレイミド基を含むリンカー部分及びリンカー試薬上の求電子基と反応して共有結合を形成することのできる、アミン、チオール、ヒドロキシル、ヒドラジド、オキシム、ヒドラジン、チオセミカルバゾン、ヒドラジンカルボキシレート、及びアリールヒドラジド基が含まれる。

【0303】

[0309]抗CD79bイムノコンジュゲートを調製するために使用されうる非限定的かつ例示的な架橋試薬は、本明細書の「例示的なリンカー」と題するセクションに記載される。タンパク質性部分及び化学的部分を含む2つの部分を連結するためにそのような架橋試薬を使用する方法は、当技術分野で既知である。いくつかの実施形態では、抗CD79b抗体及び細胞傷害性剤を含む融合タンパク質は、例えば組み換え技術又はペプチド合成によって作製されうる。組み換えDNA分子は、抗体をコードする領域と、コンジュゲートの細胞傷害性部分とを、互いに隣接して又はコンジュゲートの所望の特性を破壊しないリンカーペプチドをコードする領域によって分離されて、含みうる。また別の実施形態では、抗CD79b抗体は、腫瘍のプレターゲティングにおける利用のために「受容体」(ストレプトアビジン等)にコンジュゲートしていてもよく、この場合、抗体-受容体コンジュゲートが患者に投与され、続いて清澄剤を使用して循環から非結合コンジュゲートを除去し、次いで細胞傷害性剤(例えば、薬物又は放射性核種)にコンジュゲートしている「リガンド」(例えば、アビジン)が投与される。抗CD79bイムノコンジュゲートに関するさらなる詳細は、米国特許第8545850号及び国際公開第2016/049214号に提供されており、その内容は、参照によりその全体が本明細書に明示的に援用される。

【0304】

[0310]いくつかの実施形態において提供されるのは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、例えば、再発性/難治性のDLBCLを、その治療を必要とする個体(ヒト個体)において治療する方法における使用のための、式

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[式中、Abは、(i)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(ii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(iii)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(iv)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(v)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(vi)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む抗CD79b抗体であり、pは、1と8との間である]を有するイムノコンジュゲートであり、その方法は、個体に対して、有効量のイムノコンジュゲート、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)を投与することを含む。いくつかの実施形態では、個体は、イムノコンジュゲート、免疫調節薬(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療中又は治療後に、少なくとも疾患の安定(SD)(例えば、少なくともSD、少なくとも部分寛解(PR)又は完全寛解(CR))を達成する。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、本明細書に記載される方法における使用のためのものである。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含むVH及び(ii)配列番号20のアミノ酸配列を含むVLを含む抗CD79b抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、ポラツズマブベドチンである。

【0305】

[0311]いくつかの実施形態において提供されるのは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、例えば、再発性/難治性のDLBCLを、その治療を必要とする個体(ヒト個体)において治療するための医薬の製造における、式

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[式中、Abは、(i)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(ii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(iii)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(iv)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(v)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(vi)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む抗CD79b抗体であり、pは、1と8との間である]を含むイムノコンジュゲートの使用であり、その医薬は、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)と、抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)との組み合わせ投与のため(例えば、製剤化のため)のものである。いくつかの実施形態では、個体は、医薬、免疫調節薬(例えば、レナリドミド)、及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)による治療中又は治療後に、少なくとも疾患の安定(SD)(例えば、少なくともSD、少なくとも部分寛解(PR)又は完全寛解(CR))を達成する。いくつかの実施形態では、医薬(すなわち、イムノコンジュゲートを含む医薬)は、本明細書に記載される方法における使用のためのものである。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含むVH及び(ii)配列番号20のアミノ酸配列を含むVLを含む抗CD79b抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、ポラツズマブベドチンである。

【0306】

[0312]いくつかの実施形態において提供されるのは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、例えば、再発性/難治性のDLBCLを、その治療を必要とする個体(ヒト個体)において治療する方法における使用のための、式

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[式中、Abは、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含むVH及び(ii)配列番号20のアミノ酸配列を含むVLを含む抗CD79b抗体であり、pは、2と5との間である]を含むイムノコンジュゲートであり、その方法は、個体に対して、有効量の(a)イムノコンジュゲート、(b)レナリドミド、及び(c)オビヌツズマブを投与することを含み、イムノコンジュゲートは、約1.4と約1.8mg/kgとの間の用量で投与され、レナリドミドは、約10mgと20mgとの間の用量で投与され、オビヌツズマブは、1000mgの用量で投与される。いくつかの実施形態では、個体は、イムノコンジュゲート、レナリドミド、及びオビヌツズマブによる治療中又は治療後に、少なくとも疾患の安定(SD)(例えば、少なくともSD、少なくとも部分寛解(PR)、又は完全寛解(CR)を達成する。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、本明細書に記載される方法による使用のためのものである。いくつかの実施形態では、pは、3と4との間である。いくつかの実施形態では、pは、3.5である。いくつかの実施形態では、pは、3.4である。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖を含む抗CD79b抗体を含み、軽鎖は、配列番号35のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号37のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号35のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む抗CD79抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号38のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む抗CD79抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、ポラツズマブベドチンである。

【0307】

[0313]いくつかの実施形態において提供されるのは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、例えば、再発性/難治性のDLBCLを、その治療を必要とする個体(ヒト個体)において治療する方法における使用のための、式

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[式中、Abは、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含むVH及び(ii)配列番号20のアミノ酸配列を含むVLを含む抗CD79b抗体であり、pは、2と5との間である]を含むイムノコンジュゲートであり、その方法は、個体に対して、有効量の(a)イムノコンジュゲート、(b)レナリドミド、及び(c)リツキシマブを投与することを含み、イムノコンジュゲートは、約1.4と約1.8mg/kgとの間の用量で投与され、レナリドミドは、約10mgと20mgとの間の用量で投与され、リツキシマブは、375mg/mの用量で投与される。いくつかの実施形態では、個体は、イムノコンジュゲート、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療中又は治療後に、少なくとも疾患の安定(SD)(例えば、少なくともSD、少なくとも部分寛解(PR)又は完全寛解(CR))を達成する。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、本明細書に記載される方法による使用のためのものである。いくつかの実施形態では、pは、3と4との間である。いくつかの実施形態では、pは、3.5である。いくつかの実施形態では、pは、3.4である。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖を含む抗CD79b抗体を含み、軽鎖は、配列番号35のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号37のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号35のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む抗CD79抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号38のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む抗CD79抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、ポラツズマブベドチンである。

【0308】

[0314]いくつかの実施形態において提供されるのは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、例えば、再発性/難治性のDLBCLを、その治療を必要とする個体(ヒト個体)において治療するための医薬の製造における使用のための、式

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[式中、Abは、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含むVHと(ii)配列番号20のアミノ酸配列を含むVLとを含む抗CD79b抗体であり、pは、2と5との間である]を含むイムノコンジュゲートであり、その医薬は、レナリドミドとオビヌツズマブとの組み合わせ投与のためのもの(例えば、製剤化のためのもの)であり、医薬は、約1.4と約1.8mg/kgとの間の用量でのイムノコンジュゲートの投与のために製剤化され、レナリドミドは、約10mgと20mgとの間の用量での投与のためのものであり、オビヌツズマブは、約1000mgの用量での投与のためのものである。いくつかの実施形態では、個体は、医薬、レナリドミド、及びオビヌツズマブによる治療中又は治療後に、少なくとも疾患の安定(SD)(例えば、少なくともSD、少なくとも部分寛解(PR)又は完全寛解(CR))を達成する。いくつかの実施形態では、医薬(すなわち、イムノコンジュゲートを含む医薬)は、本明細書に記載される方法による使用のためのものである。いくつかの実施形態では、pは、3と4との間である。いくつかの実施形態では、pは、3.5である。いくつかの実施形態では、pは、3.4である。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖を含む抗CD79b抗体を含み、軽鎖は、配列番号35のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号37のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号35のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む抗CD79抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号38のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む抗CD79抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、ポラツズマブベドチンである。

【0309】

[0315]いくつかの実施形態において提供されるのは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、例えば、再発性/難治性のDLBCLを、その治療を必要とする個体(ヒト個体)において治療するための医薬の製造における使用のための、式

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[式中、Abは、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含むVHと、(ii)配列番号20のアミノ酸配列を含むVLとを含む抗CD79b抗体であり、pは、2と5との間である]を含むイムノコンジュゲートであり、その医薬は、レナリドミドとリツキシマブとの組み合わせ投与のためのもの(例えば、製剤化のためのもの)であり、医薬は、約1.4と約1.8mg/kgとの間の用量でのイムノコンジュゲートの投与ために製剤化され、レナリドミドは、約10mgと20mgとの間の用量での投与のためのものであり、リツキシマブは、375mg/mの用量での投与のためのものである。いくつかの実施形態では、個体は、医薬、レナリドミド、及びリツキシマブによる治療中又は治療後に、少なくとも疾患の安定(SD)(例えば、少なくともSD、少なくとも部分寛解(PR)又は完全寛解(CR))を達成する。いくつかの実施形態では、医薬(すなわち、イムノコンジュゲートを含む医薬)は、本明細書に記載される方法による使用のためのものである。いくつかの実施形態では、pは、3と4との間である。いくつかの実施形態では、pは、3.5である。いくつかの実施形態では、pは、3.4である。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖を含む抗CD79b抗体を含み、軽鎖は、配列番号35のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号37のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号35のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む抗CD79抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号38のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む抗CD79抗体を含む。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、ポラツズマブベドチンである。

【0310】

V.免疫調節剤
[0316]免疫調節剤(例えば、「IMiD(登録商標)」としても知られているサリドマイド、レナリドマイド、及びポマリドマイド)は、多面的特性を示す経口的に利用可能な抗新生物薬又は抗がん剤のクラスである。例えば、免疫調節剤は、NK細胞及びT細胞活性を刺激し、抗血管新生、抗炎症、アポトーシス促進及び抗増殖効果も呈する。免疫調節薬がその効果を発揮する作用機序は、まだ完全には特徴づけられていない。

【0311】

[0317]レナリドミドは、本明細書に記載される方法において使用される例示的な免疫調節剤である。レナリドミドの化学名は、3-(4-アミノ-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-2-イル)ピペリジン-2,6-ジオンであり、レナリドミドは、以下の化学構造を有する:

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【0312】

[0318]レナリドミド(CAS Resgistry #191732-72-6)は、分子式C1313と、分子量259.261g/molとを有する。レナリドミドは、CC-5103、IMiD3 cdpとしても知られている。レナリドミドは、REVLIMID(登録商標)の商品名で治療的使用のために市販されており、2.5mg、5mg、10mg、15mg、20mg、及び25mgのカプセルとして提供されている。レナリドミドは、例えば、2.5mg、5mg、10mg、15mg、20mg、又は25mgの用量で提供されうる。

【0313】

VI.抗CD20剤
[0319]CD20抗原に対する抗CD20抗体の結合特性及び生物活性に応じて、2種類の抗CD20抗体(I型及びII型の抗CD20抗体)を、Cragg、M.S.,et al.,Blood 103(2004)2738-2743;and Cragg,M.S.,et al.,Blood 101(2003)1045-1052によって区別することができる。表S参照。
表S:I型及びII型の抗CD20抗体の特性

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【0314】

[0320]I型抗CD20抗体の例には、例えば、リツキシマブ、HI47 IgG3(ECACC、ハイブリドーマ)、2C6 IgG1(国際公開第2005/103081号に開示されている)、2F2 IgG1(国際公開第2004/035607号及び同第2005/103081号に開示されている)及び2H7 IgG1(国際公開第2004/056312号に開示されている)が含まれる。

【0315】

[0321]いくつかの実施形態では、本明細書に提供される治療の方法において使用される抗CD20抗体は、Kabat et al.における番号付けによる、リツキシマブのCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2及びCDR-L3を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される治療方法において使用される抗CD20抗体は、リツキシマブのVH及びVLを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される治療方法において使用される抗CD20抗体は、リツキシマブの重鎖及び軽鎖を含む。本明細書で使用される用語「リツキシマブ」は、CAS登録番号174722-31-7を有する抗CD20抗体を指す。いくつかの実施形態では、本明細書に提供される治療方法で使用される抗CD20抗体は、リツキシマブである。いくつかの実施形態では、リツキシマブ(参照抗体;I型抗CD20抗体の例)は、ヒトCD20抗原に対するモノクローナル抗体を含有する遺伝子操作されたキメラヒトガンマ1マウス定常ドメインである。しかしながら、この抗体は、糖鎖操作されておらず、アフコシル化されておらず、したがって、少なくとも85%のフコース量を有する。このキメラ抗体は、ヒトガンマ1定常ドメインを含み、IDEC Pharmaceuticals Corporationに譲渡された、1998年4月17日に発行された米国特許第5,736,137号(Andersen、et.al.)において「C2B8」という名称によって同定される。リツキシマブは、再発性又は難治性の、低悪性度又は濾胞性の、CD20陽性B細胞非ホジキンリンパ腫を有する患者の治療について承認されている。in vitro作用機序研究により、リツキシマブがヒト補体依存性細胞傷害性(CDC)を呈することが示された(Reff、M.E.,et.al,Blood 83(2)(1994)435-445)。加えて、抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を測定するアッセイにおいて活性を呈する。

【0316】

[0322]いくつかの実施形態では、本明細書に提供される治療方法において使用される抗CD20抗体は、アフコシル化抗CD20抗体である。

【0317】

[0323]II型抗CD20抗体の例には、例えば、ヒト化B-Ly1抗体IgG1(国際公開第2005/044859号に開示されているようなキメラヒト化IgG1抗体)、11B8 IgG1(国際公開第2004/035607号に開示されているような)及びAT80 IgG1が含まれる。典型的には、IgG1アイソタイプのII型抗CD20抗体は、特徴的なCDC特性を示す。II型抗CD20抗体は、IgG1アイソタイプのI型抗体と比較して減少したCDCを有する(IgG1アイソタイプの場合)。いくつかの実施形態では、II型抗CD20抗体、例えば、GA101抗体は、上昇した抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を有する。いくつかの実施形態では、II型抗CD20抗体、より好ましくは国際公開第2005/044859号及び同第2007/031875号に記載されているようなアフコシル化ヒト化B-Ly1抗体。

【0318】

[0324]いくつかの実施形態では、本明細書に提供される治療方法において使用される抗CD20抗体は、GA101抗体である。いくつかの実施形態では、本明細書で使用されるGA101抗体は、ヒトCD20に結合する以下の抗体のいずれか1つを指す:(1)配列番号5のアミノ酸配列を含むHVR-H1、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR-H2、配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR-H3、配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR-L1、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR-L2、及び配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む抗体、(2)配列番号11のアミノ酸配列を含むVHドメイン及び配列番号12のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む抗体、(3)配列番号13のアミノ酸配列及び配列番号14のアミノ酸配列を含む抗体、(4)オビヌツズマブとしてしられている抗体、又は(5)配列番号13のアミノ酸配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、かつ配列番号14のアミノ酸配列に対して少なくとも95%、96%、97%、98%又は99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む抗体。一実施形態では、GA101抗体は、IgG1アイソタイプ抗体である。

【0319】

[0325]いくつかの実施形態では、本明細書に提供される治療方法において使用される抗CD20抗体は、ヒト化B-Ly1抗体である。いくつかの実施形態では、ヒト化B-Ly1抗体は、国際公開第2005/044859号及び同第2007/031875号に開示されるヒト化B-Ly1抗体を指し、それは、マウスモノクローナル抗CD20抗体B-Ly1(マウス重鎖の可変領域(VH):配列番号3、マウス軽鎖の可変領域(VL):配列番号4:Poppema,S.and Visser,L.,Biotest Bulletin 3(1987)131-139)参照)から、IgG1由来のヒト定常ドメインとのキメラ化及びその後のヒト化によって得られた(国際公開第2005/044859号及び同第2007/031875号参照)。ヒト化B-Ly1抗体は、国際公開第2005/044859号及び国際公開第2007/031875号に詳細に開示されている。

【0320】

[0326]いくつかの実施形態では、ヒト化B-Ly1抗体は、配列番号15~16及び40~55(国際公開第2005/044859号及び同第2007/031875号のB-HH2~B-HH9及びB-HL8~B-HL17に対応する)の群から選択される重鎖の可変領域(VH)を有する。いくつかの実施形態では、可変ドメインは、配列番号15、16、42、44、46、48及び50(国際公開第2005/044859号及び同第2007/031875号のB-HH2、BHH-3、B-HH6、B-HH8、B-HL8、B-HL11及びB-HL13に対応する)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、ヒト化B-Ly1抗体は、配列番号55(国際公開第2005/044859号及び同第2007/031875号のB-KV1に対応する)の軽鎖の可変領域(VL)を有する。いくつかの実施形態では、ヒト化B-Ly1抗体は、配列番号42の重鎖の可変領域(VH)(国際公開第2005/044859号及び同第2007/031875号のB-HH6に対応する)及び配列番号55の軽鎖の可変領域(VL)(国際公開第2005/044859号及び同第2007/031875号のB-KV1に対応する)を有する。いくつかの実施形態では、ヒト化B-Ly1抗体は、IgG1抗体である。そのようなアフコシル化ヒト化B-Ly1抗体は、国際公開第2005/044859号、同第2004/065540号、同第2007/031875号、Umana,P.et al.,Nature Biotechnol.17(1999)176-180及び国際公開第99/154342号に記載される手順に従って、Fc領域において糖鎖操作(GE)されている。いくつかの実施形態では、アフコシル化された、糖鎖操作されたヒト化B-Ly1は、B-HH6-B-KV1GEである。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、オビヌツズマブ(推奨INN、WHO Drug Information,Vol.26,No.4,2012,p.453)である。本明細書で使用される場合、オビヌツズマブは、GA101又はRO5072759と同義である。オビヌツズマブは、商品名GAZYVA(登録商標)で治療的使用のために市販されており、1000mg/40mL(25mg/mL)の単回用量バイアルとして提供されている。これは、すべての以前のバージョンを差し替え(例えばVol.25,No.1,2011,p.75-76)、以前はアフツズマブとして知られていたものである(推奨INN、WHO Drug Information,Vol.23,No.2,2009,p.176;Vol.22,No.2,2008,p.124)。いくつかの実施形態では、ヒト化B-Ly1抗体は、配列番号17のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号18のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む抗体、又はそのような抗体の抗原結合断片である。いくつかの実施態様では、ヒト化B-Ly1抗体は、配列番号17の3つの重鎖CDRを含む重鎖可変領域と、配列番号18の3つの軽鎖CDRを含む軽鎖可変領域とを含む。

【0321】

[0327]いくつかの実施態様では、ヒト化B-Ly1抗体は、アフコシル化糖鎖操作ヒト化B-Ly1である。このような糖鎖操作ヒト化B-Ly1抗体は、Fc領域におけるグリコシル化のパターンが変化しており、好ましくはフコース残基のレベルが低下している。いくつかの実施形態では、フコースの量は、Asn297におけるオリゴ糖の総量の約60%以下である(一実施形態では、フコースの量は、約40%と約60%との間であり、別の実施形態では、フコースの量は、約50%以下であり、さらに別の実施形態では、フコースの量は、約30%以下である)。いくつかの実施形態では、Fc領域のオリゴ糖は二分される。これらの糖鎖操作ヒト化B-Ly1抗体は、増加したADCCを有する。

【0322】

[0328]「リツキシマブと比較した抗CD20抗体のRaji細胞(ATCC-No.CCL-86)上のCD20に対する結合能の比」は、実施例2に記載されるように、Raji細胞(ATCC-No.CCL-86)を含むFACSArray(Becton Dickinson)においてCy5とコンジュゲートされた抗CD20抗体及びCy5とコンジュゲートされたリツキシマブを使用して、直接免疫蛍光測定によって決定され(平均蛍光強度(MFI)が測定され)、以下のように計算される:
Raji細胞上のCD20に対する結合能の比(ATCC-No.CCL-86)=
MFI(Cy5-抗CD20抗体)/MFI(Cy5-リツキシマブ) ×
Cy5-標識比率(Cy5-リツキシマブ)/Cy5-標識比率(Cy5-抗CD20抗体)

【0323】

[0329]MFIは、平均蛍光強度である。本明細書で使用される「Cy5標識比率」は、抗体分子1つ当たりのCy5標識分子の数を意味する。

【0324】

[0330]典型的には、前記II型抗CD20抗体は、リツキシマブと比較した第2の抗CD20抗体のRaji細胞(ATCC-No.CCL-86)上のCD20に対する結合能の比が0.3から0.6であり、一実施形態では、0.35から0.55、また別の実施形態では0.4から0.5である。

【0325】

[0331]「増加した抗体依存性細胞傷害性(ADCC)を有する抗体」とは、当業者に既知の任意の適切な方法によって決定してADCCの増加を有する、本明細書でその用語が定義される抗体を意味する。

【0326】

[0332]例示的な許容されるin vitroADCCアッセイを以下に記載する。
1)アッセイは、抗体の抗原結合領域によって認識される標的抗原を発現することが知られている標的細胞を使用する;
2)アッセイは、エフェクター細胞として、無作為に選ばれた健常なドナーの血液から単離されたヒト末梢血単核細胞(PBMC)を使用する;
3)アッセイは、以下のプロトコールに従って行われる:
i)PBMCを標準的な密度遠心分離手順を使用して単離し、5×10細胞/mlでRPMI細胞培養培地中に懸濁する;
ii)標的細胞を標準的な組織培養法によって増殖させ、90%より高い生存率で指数増殖期から回収し、RPMI細胞培養培地で洗浄し、100マイクロキュリーの51Crで標識し、細胞培養培地で2回洗浄し、10細胞/mlの密度で細胞培養培地に再懸濁する;
iii)100マイクロリットルの上記の最終標的細胞懸濁液を96ウェルマイクロタイタープレートの各ウェルに移す;
iv)抗体を細胞培養培地中で4000ng/mlから0.04ng/mlに連続希釈し、得られた抗体溶液50マイクロリットルを96ウェルマイクロタイタープレート中の標的細胞に加え、上記の全濃度範囲をカバーする種々の抗体濃度を三連で試験する;
v)最大放出(MR)コントロールとして、標識された標的細胞を含有するプレート中の3つの追加のウェルに、抗体溶液の代わりに(上記iv)、50マイクロリットルの2%(VN)非イオン性界面活性剤(Nonidet,Sigma,St.Louis)の水溶液を入れる;
vi)自然放出(SR)コントロールとして、標識された標的細胞を含有するプレート中の3つの追加のウェルに、抗体溶液の代わりに(上記iv)、50マイクロリットルのRPMI細胞培養培地を入れる;
vii)次いで、96ウェルマイクロタイタープレートを50×gで1分間遠心分離し、4℃で1時間インキュベートする;
viii)50マイクロリットルのPBMC懸濁液(上記i)を各ウェルに加え、25:1のエフェクター:標的細胞比を得て、プレートを5%CO2雰囲気下のインキュベーター内に37℃で4時間置く;
ix)各ウェルから無細胞上清を回収し、実験的に放出された放射能(ER)をガンマカウンターを使用して定量する;
x)特異的溶解のパーセンテージは、式(ER-MR)/(MR-SR)×100(式中、ERは、その抗体濃度について定量された平均放射能(上記ix参照)であり、MRは、MRコントロール(上記V参照)について定量された平均放射能(上記ix参照)であり、SRは、SRコントロール(上記vi参照)について定量された平均放射能(上記ix参照)である)に従って各抗体濃度について計算される;
4)「増加したADCC」は、上記試験した抗体濃度範囲内で観察される特異的溶解の最大パーセンテージの増加、及び/又は上記試験した抗体濃度範囲内で観察される特異的溶解の最大パーセンテージの2分の1を達成するために必要な抗体濃度の減少のいずれかと定義される。一実施形態では、ADCCの増加は、比較抗体(増加したADCCを欠く)が、GnTIIIを過剰発現するように操作された及び/又はフコシルトランスフェラーゼ8(FUT8)遺伝子(例えば、FUT8ノックアウトのために操作されたものを含む)からの発現を減少させるように操作された宿主細胞によって生成されなかったことを除いて当業者に既知の同じ標準的な生成、精製、製剤化及び貯蔵方法を使用し、同種の宿主細胞によって生成された同じ抗体によって媒介される、上記アッセイで測定されたADCCと比較したものである。

【0327】

[0333]いくつかの実施形態では、「増加したADCC」は、例えば、前記抗体の変異導入及び/又は糖鎖工学法によって得ることができる。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、GlcNAcによって二分される抗体のFc領域に結合した二分岐オリゴ糖を有するように糖鎖操作される。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、タンパク質フコシル化が欠損している宿主細胞(例えば、Lec13 CHO細胞又はアルファ-1,6-フコシルトランスフェラーゼ遺伝子(FUT8)が欠失しているか、FUT遺伝子発現がノックダウンされている細胞)において抗体を発現させることによって、Fc領域に結合した炭水化物上にフコースを欠くように糖鎖操作される。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体配列は、ADCCを増強するようにそのFc領域において操作された。いくつかの実施形態では、このような操作された抗CD20抗体バリアントは、Fc領域の298、333、及び/又は334位(残基のEU番号付け))に1つ又は複数のアミノ酸置換を有するFc領域を含む。

【0328】

[0334]いくつかの実施形態では、「補体依存性細胞傷害(CDC)」という用語は、補体の存在下での本発明による抗体によるヒトがん標的細胞の溶解を指す。CDCは、補体の存在下での本発明による抗CD20抗体によるCD20発現細胞の調製物の処理によって測定することができる。CDCは、抗体が4時間後に腫瘍細胞の20%以上の溶解(細胞死)を100nMの濃度で誘導する場合に見出される。いくつかの実施形態では、アッセイは、51Cr又はEuで標識された腫瘍細胞と、放出された51Cr又はEuの測定とを用いて実施される。コントロールは、補体を含むが抗体を含まない腫瘍標的細胞のインキュベーションを含む。

【0329】

[0335]いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、モノクローナル抗体、例えば、ヒト抗体である。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、抗体断片、例えば、Fv、Fab、Fab’、scFv、ダイアボディ、又はF(ab’)2断片である。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体は、実質的に完全長の抗体、例えば、本明細書に定義されるIgG1抗体、IgG2a抗体又は他の抗体クラス若しくはアイソタイプである。

【0330】

VII.抗体
[0336]いくつかの実施形態では、本明細書に提供される治療方法において使用される抗体(例えば、抗CD79b抗体又は抗CD20抗体)には、以下に記載されるような特徴のいずれかを単独で又は組み合わせて組み込むことができる。

【0331】

A.抗体親和性
[0337]一部の実施形態では、本明細書に提供される治療方法において使用される抗体(例えば、抗CD79b抗体又は抗CD20抗体)は、≦1μM、≦100nM、≦50nM、≦10nM、≦5nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、又は≦0.001nMの解離定数(Kd)を有し、任意選択的に,≧10-13M(例えば、10-8M以下、例えば、10-8Mから10-13M、例えば、10-9Mから10-13M)である。

【0332】

[0338]一実施形態では、Kdは、以下のアッセイにより記載されるように、目的の抗体のFabバージョン及びその抗原を用いて実施された放射標識抗原結合アッセイ(RIA)によって測定される。抗原に対するFabの溶液結合親和性は、非標識抗原の滴定系列の存在下で、最小濃度の(125I)標識抗原でFabを平衡化し、次いで、結合した抗原を抗Fab抗体でコーティングされたプレートで捕捉することにより測定される(例えば、Chen et al.,J.Mol.Biol.293:865-881(1999)を参照されたい)。アッセイの条件を確立するために、MICROTITER(登録商標)マルチウェルプレート(Thermo Scientific)を、50mMの炭酸ナトリウム(pH9.6)中の5μg/mLの捕捉用抗Fab抗体(Cappel Labs)で一晩コーティングし、その後、PBS中の2%(w/v)ウシ血清アルブミンで2から5時間にわたって室温(およそ23℃)でブロックする。非吸着性プレート(Nunc#269620)中で、100pM又は26pMの[125I]-抗原を、目的のFabの段階希釈物と混合する(例えば、Presta et al.,Cancer Res.57:4593-4599(1997)における抗VEGF抗体Fab-12の評価と一致する)。次いで、目的のFabを一晩インキュベートするが、平衡に確実に到達させるために、インキュベーションをより長い期間(例えば、約65時間)続けてもよい。その後、室温でのインキュベーション(例えば、1時間)のために混合物を捕捉プレートに移す。次いで、溶液を除去し、プレートを、PBS中0.1%のポリソルベート20(TWEEN-20(登録商標))で8回洗浄する。プレートが乾燥したら、150μL/ウェルの閃光物質(MICROSCINT-20TM、Packard)を加え、プレートをTOPCOUNTTMガンマ計数器(Packard)上で10分間計数する。20%以下の最大結合をもたらす各Fabの濃度が、競合結合アッセイにおける使用のために選択される。

【0333】

[0339]別の実施形態によれば、Kdは、BIACORE(登録商標)-2000又はBIACORE(登録商標)-3000(BIAcore,Inc.,Piscataway,NJ)を使用する表面プラズモン共鳴アッセイを使用して、25℃で、約10の応答単位(RU)で固定化抗原CM5チップを用いて測定される。簡潔には、カルボキシメチル化デキストランバイオセンサーチップ(CM5、BIACORE,Inc.)を、供給業者の指示に従って、N-エチル-N’-(3-ジメチルアミノプロピル)-カルボジイミド塩酸塩(EDC)及びN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)で活性化する。抗原を、pH4.8の10mMの酢酸ナトリウムによって、5μg/ml(約0.2μM)に希釈した後、5μl/分の流量で注入し、カップリングされたタンパク質のおよそ10応答単位(RU)を達成する。抗原の注入後、1Mのエタノールアミンを注入して、未反応基をブロックする。動力学測定のため、Fabの2倍段階希釈物(0.78nMから500nM)を、およそ25μL/分の流量で25℃で0.05%のポリソルベート20(TWEEN-20TM)界面活性剤(PBST)を含むPBS中に注入する。会合速度(kon)及び解離速度(koff)を、単純な1対1のラングミュア結合モデル(BIACORE(登録商標)Evaluation Softwareバージョン3.2)を使用して、会合センサグラム及び解離センサグラムを同時に適合することによって、算出する。平衡解離定数(Kd)は、koff/kon比として計算される。例えば、Chen et al.,J.Mol.Biol.293:865-881(1999)を参照されたい。上記表面プラズモン共鳴アッセイによる会合速度が106M-1s-1を超える場合、会合速度は、流動停止を備えた分光光度計(Aviv Instruments)又は撹拌キュベットを備えた8000シリーズSLM-AMINCOTM分光光度計(ThermoSpectronic)等の分光計で測定される場合に、増加する抗原濃度の存在下で、25℃で、PBS中20nMの抗抗原抗体(Fab型)(pH7.2)の蛍光放出強度(励起=295nm、放出=340nm、16nm帯域通過)の増加又は減少を測定する蛍光消光技法を使用することにより決定することができる。

【0334】

B.抗体断片
[0340]一部の実施形態では、本明細書中で提供される治療方法において使用される抗体(例えば、抗CD79b抗体又は抗CD20抗体)は、抗体断片である。抗体断片には、限定されないが、Fab断片、Fab’断片、Fab’-SH断片、F(ab’)2断片、Fv断片、及びscFv断片、及び以下に記載される他の断片が含まれる。特定の抗体断片の総説として、Hudson et al.Nat.Med.9:129-134(2003)を参照されたい。scFv断片の総説として、例えば、Pluckthun,in The Pharmacology of Monoclonal Antibodies,vol.113、Rosenburg and Moore eds.,(Springer-Verlag、New York),pp.269-315(1994);国際公開第93/16185号;並びに米国特許第5,571,894号及び同第5,587,458も参照されたい。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含み、in vivo半減期が長くなったFab及びF(ab’)2断片の説明については、米国特許第5,869,046号を参照されたい。

【0335】

[0341]ダイアボディは、二価又は二重特異性でありうる2つの抗原結合部位を有する抗体断片である。例えば、EP 404,097;国際公開第1993/01161号、Hudson et al.,Nat.Med.9:129-134(2003);及びHollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:6444-6448(1993)を参照されたい。また、トリアボディ及びテトラボディは、Hudson et al.,Nat.Med.9:129-134(2003)に記載されている。

【0336】

[0342]単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインの全部若しくは一部又は軽鎖可変ドメインの全部若しくは一部を含む抗体断片である。一部の実施形態では、単一ドメイン抗体は、ヒト単一ドメイン抗体である(Domantis,Inc.,Waltham、MA;例えば、米国特許第6,248,516号を参照)。

【0337】

[0343]抗体断片は、本明細書に記載されるように、組み換え宿主細胞(例えばE.coli又はファージ)による、インタクトな抗体のタンパク分解、及び生成を含むがこれらに限定されない各種技術により製造可能である。

【0338】

C.キメラ抗体及びヒト化抗体
[0344]一部の実施形態では、本明細書に提供される治療方法において使用される抗体(例えば、抗CD79b抗体又は抗CD20抗体)は、キメラ抗体である。特定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号;及びMorrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851-6855(1984))に記載されている。一実施例では、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、又はサル等の非ヒト霊長類に由来する可変領域)とヒト定常領域とを含む。さらなる実施例では、キメラ抗体は、クラス又はサブクラスが親抗体のそれらから変更されている「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体は、その抗原結合断片を含む。

【0339】

[0345]一部の実施形態では、キメラ抗体は、ヒト化抗体である。典型的には、非ヒト抗体は、ヒトに対する免疫原性を低減し、一方親非ヒト抗体の特異性及び親和性は保持するようにヒト化される。一般に、ヒト化抗体は、HVR、例えば、CDR(又はその一部分)が非ヒト抗体由来であり、FR(又はその一部分)がヒト抗体配列由来である1つ又は複数の可変ドメインを含む。ヒト化抗体は、任意選択的に、ヒト定常領域の少なくとも一部分も含む。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体のいくつかのFR残基は、例えば、抗体特異性又は親和性を回復又は改善するために、非ヒト抗体(例えば、HVR残基が由来する抗体)由来の対応する残基で置換される。

【0340】

[0346]ヒト化された抗体及びその作製方法については、例えば、Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619-1633(2008)に総説があり、さらに以下に記載されてる:Riechmann et al.,Nature 332:323-329(1988);Queen et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 86:10029-10033(1989);米国特許第5,821,337号、同第7,527,791号、同第6,982,321号及び同第7,087,409号;Kashmiri et al.,Methods 36:25-34(2005)(SDR(a-CDR)グラフト化を記載);Padlan,Mol.Immunol.28:489-498(1991)(「リサーフェシング」を記載);Dall’Acqua et al.,Methods 36:43-60(2005)(「FRシャッフル」を記載);並びに Osbourn et al.,Methods 36:61-68(2005)及びKlimka et al.,Br.J.Cancer,83:252-260(2000))(FRシャッフルの「ガイド付き選択アプローチを記載)。

【0341】

[0347]ヒト化に使用されうるヒトフレームワーク領域には、限定されないが、「ベストフィット」方法を使用して選択されるフレームワーク領域(例えば、Sims et al.J.Immunol.151:2296(1993)参照);軽鎖又は重鎖可変領域の特定のサブグループのヒト抗体のコンセンサス配列由来のフレームワーク領域(例えば、Carter et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285(1992);及びPresta et al.J.Immunol.,151:2623(1993)参照);ヒト成熟(体細胞性変異を受けた)フレームワーク領域又はヒト生殖系列フレームワーク領域(例えば、Almagro and Fransson,Front.Biosci.13:1619-1633(2008)参照);並びに、FRライブラリーのスクリーニングから得られるフレームワーク領域(例えば、Baca et al.,J.Biol.Chem.272:10678-10684(1997)及びRosok et al.,J.Biol.Chem.271:22611-22618(1996)参照)が含まれる。

【0342】

D.ヒト抗体
[0348]一部の実施形態では、本明細書に提供される治療方法において使用される抗体(例えば、抗CD79b抗体又は抗CD20抗体)は、ヒト抗体である。ヒト抗体は、当技術分野で既知の種々の技術を使用して生成することができる。ヒト抗体の概説は、van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol.5:368-74(2001)及びLonberg,Curr.Opin.Immunol.20:450-459(2008)に記載されている。

【0343】

[0349]ヒト抗体は、抗原曝露に応答して、インタクトなヒト抗体又はヒト可変領域を有するインタクトな抗体を生成するように修飾されたトランスジェニック動物に免疫原を投与することによって調製されうる。このような動物は、典型的には、内因性免疫グロブリン遺伝子座に取って代わるか、又は染色体外に存在するか若しくは動物の染色体にランダムに組み込まれるヒト免疫グロブリン遺伝子座の全部又は一部を含有する。このようなトランスジェニックマウスでは、内因性免疫グロブリン遺伝子座は、通常不活性化されている。トランスジェニック動物からヒト抗体を得るための方法の概説については、Lonberg,Nat.Biotech.23:1117-1125(2005)を参照されたい。また、例えば、XENOMOUSETM技術を記載する米国特許第6,075,181号及び同第6,150,584号;HuMab(登録商標)技術を記載する米国特許第5,770,429号;K-M MOUSE(登録商標)技術を記載する米国特許第7,041,870号;及び、VelociMouse(登録商標)技術を記載する米国特許出願公開第2007/0061900号も参照されたい。このような動物によって生成されたインタクトな抗体由来のヒト可変領域は、例えば、異なるヒト定常領域と組み合わせることによって、さらに修飾されうる。

【0344】

[0350]ヒト抗体は、ハイブリドーマに基づく方法によっても作製することができる。ヒトモノクローナル抗体の生成のためのヒト骨髄腫細胞株及びマウス-ヒト異種骨髄腫細胞株が記載されている。(例えば、Kozbor J.Immunol.,133:3001(1984);Brodeur et al.,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51-63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987);及びBoerner et al.,J.Immunol.,147:86(1991)を参照されたい)。また、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して生成されたヒト抗体が、Li et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557-3562(2006)に記載されている。追加の方法には、例えば、米国特許第7,189,826号(ハイブリドーマ細胞株由来のモノクローナルヒトIgM抗体の生成を記載)、及びNi、Xiandai Mianyixue,26(4):265-268(2006)(ヒト-ヒトハイブリドーマを記載)が含まれる。ヒトハイブリドーマ技術(トリオーマ技術)は、Vollmers and Brandlein,Histology and Histopathology,20(3):927-937(2005)及びVollmers and Brandlein,Methods and Findings in Experimental and Clinical Pharmacology,27(3):185-91(2005)にも記載されている。

【0345】

[0351]ヒト抗体は、ヒト由来のファージディスプレイライブラリーから選択されるFvクローン可変ドメイン配列を単離することによっても生成されうる。次いで、そのような可変ドメイン配列は、所望のヒト定常ドメインと組み合わせられうる。抗体ライブラリーからヒト抗体を選択するための技術を以下に記載する。

【0346】

E.ライブラリー由来の抗体
[0352]いくつかの実施形態では、本明細書に提供される治療方法において使用される抗体(例えば、抗CD79b抗体又は抗CD20抗体)は、1つ以上の所望の活性を有する抗体に関するコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって単離されうる。例えば、ファージディスプレイライブラリーを作成し、所望の結合特性を有する抗体についてこのようなライブラリーをスクリーニングするための様々な方法が当技術分野で知られている。このような方法の概説は、例えば、Hoogenboom et al.in Methods in Molecular Biology 178:1-37(O’Brien et al.,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2001)、並びに、例えば、McCafferty et al.,Nature 348:552-554;Clackson et al.,Nature 352:624-628(1991);Marks et al.,J.Mol.Biol.222:581-597(1992);Marks and Bradbury,in Methods in Molecular Biology 248:161-175(Lo,ed.,Human Press,Totowa,NJ,2003);Sidhu et al.,J.Mol.Biol.338(2):299-310(2004);Lee et al.,J.Mol.Biol.340(5):1073-1093(2004);Fellouse,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 101(34):12467-12472(2004);及びLee et al.,J.Immunol.Methods 284(1-2):119-132(2004)に記載されている。

【0347】

[0353]特定のファージディスプレイ法では、VH及びVL遺伝子のレパートリーは、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって別個にクローニングされ、ファージライブラリー中でランダムに再結合され、次いで、Winter et al.,Ann.Rev.Immunol.,12:433-455(1994)に記載されているように抗原結合ファージについてスクリーニングすることができる。ファージは、一般的には、単鎖Fv(scFv)断片として、又はFab断片として、抗体断片を提示する。免疫源からのライブラリーは、ハイブリドーマを構築する必要なしに、免疫原に対する高親和性抗体を提供する。代替的に、ナイーブレパートリーは、Griffiths et al.,EMBO J、12:725-734(1993)によって記載されているように、免疫化を行わずに、広範囲の非自己抗原及びまた自己抗原に対する抗体の単一の供給源を提供するために、(例えば、ヒトから)クローニングすることができる。最後に、ナイーブライブラリーは、Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381-388(1992)に記載されているように、幹細胞から再配列されていないV遺伝子セグメントをクローニングし、ランダムな配列を含むPCRプライマーを使用して、可変性の高いCDR3領域をコードし、in vitroで再配列を達成することにより合成的に作製することもできる。ヒト抗体ファージライブラリーについて記載する特許公報には、例えば:米国特許第5,750,373号、並びに米国特許出願公開第2005/0079574号、同第2005/0119455号、同第2005/0266000号、同第2007/0117126号、同第2007/0160598号、同第2007/0237764号、同第2007/0292936号、及び同第2009/0002360号が含まれる。

【0348】

[0354]ヒト抗体ライブラリーから単離された抗体又は抗体断片は、本明細書ではヒト抗体又はヒト抗体断片とみなされる。

【0349】

F.多重特異性抗体
[0355]一部の実施形態では、本明細書に提供される治療方法において使用される抗体(例えば、抗CD79b抗体又は抗CD20抗体)は、多重特異性抗体、例えば、二重特異性抗体である。多重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる部位に対して結合特異性を有するモノクローナル抗体である。一部の実施形態では、結合特異性のうちの一方は1つの抗原(例えば、CD79b又はCD20)に対するものであり、他方は他のいずれかの抗原に対するものである。一部の実施形態では、結合特異性のうちの一方は1つの抗原(例えば、CD79b又はCD20)に対するものであり、他方はCD3に対するものである。例えば、米国特許第5,821,337号を参照されたい。一部の実施形態では、二重特異性抗体は、単一の抗原(例えば、CD79b又はCD20)の異なるエピトープに結合しうる。二重特異性抗体を使用して、抗原(例えば、CD79b又はCD20)を発現する細胞に細胞傷害性剤を局在化することもできる。二重特異性抗体は、完全長抗体又は抗体断片として調製することができる。

【0350】

[0356]多重特異性抗体を作製するための技術には、限定されないが、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖-軽鎖対の組み換え共発現(Milstein and Cuello,Nature 305:537(1983))、国際公開第93/08829号、及びTraunecker et al.,EMBO J.10:3655(1991))、及び「ノブ・イン・ホール」操作(例えば、米国特許第5,731,168号参照)が含まれる。多重特異性抗体は、静電的ステアリング効果を操作して抗体Fc-ヘテロ二量体分子を作製すること(国際公開第2009/089004号);2つ以上の抗体又は断片を架橋すること(例えば、米国特許第4676980号、及びBrennan et al.,Science,229:81(1985)参照)、ロイシンジッパーを使用して二重特異性抗体を生成すること(例えば、Kostelny et al.,J.Immunol.,148(5):1547-1553(1992)参照)、「ダイアボディ」技術を使用して二重特異性抗体断片を作製すること(例えば、Hollinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6444-6448(1993)参照)、及び単鎖Fv(sFv)二量体を使用すること(例えば、Gruber et al.,J.Immunol.,152:5368(1994)参照)、並びに例えば、Tutt et al.J.Immunol.147:60(1991)に記載される三重特異性抗体を調製することによっても作製されうる。

【0351】

[0357]「オクトパス抗体」を含む3つ以上の機能的抗原結合部位を有する操作された抗体も、本明細書に含まれる(例えば、米国特許出願公開第2006/0025576号参照)。

【0352】

[0358]本明細書の抗体又は断片には、CD79b及び別の異なる抗原に結合する抗原結合部位を含む、「二重作用性Fab」又は「DAF」も含まれる(例えば、米国特許出願公開第2008/0069820号参照)。

【0353】

G.抗体バリアント
[0359]一部の実施形態では、本明細書に提供される治療方法において使用される抗体(例えば、抗CD79b抗体又は抗CD20抗体)のアミノ酸配列バリアントが企図される。例えば、抗CD79b抗体又は抗CD20抗体の結合親和性及び/又は他の生物学的特性を改善することが望ましい場合がある。抗体のアミノ酸配列バリアントは、抗体をコードするヌクレオチド配列中に適切な修飾を導入することによって、又はペプチド合成によって調製されうる。このような修飾には、例えば、抗体のアミノ酸配列内の残基からの欠失、及び/又は抗体のアミノ酸配列内の残基への挿入、及び/又は抗体のアミノ酸配列内の残基の置換が含まれる。欠失、挿入、及び置換の任意の組み合わせを、最終コンストラクトが所望の特徴、例えば、抗原結合を有する限り、最終コンストラクトに到達するように作製することができる。

【0354】

(i)置換、挿入、及び欠失バリアント
[0360]一部の実施形態では、1つ又は複数のアミノ酸置換を有する抗体バリアントが提供される。置換による突然変異誘発のための目的の部位には、HVR及びFRが含まれる。保存的置換は、「好ましい置換」という見出しで表Tに示される。より実質的な変化は、「例示的な置換」という見出しで表Tに示され、アミノ酸側鎖クラスを参照して以下にさらに記載される通りである。アミノ酸置換を、目的の抗体に導入し、生成物を、所望の活性、例えば、抗原結合の保持/改善、免疫原性の低減、又はADCC若しくはCDCの改善についてスクリーニングすることができる。
表T

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【0355】

[0361]アミノ酸は、一般的な側鎖特性に従ってグループ化されうる。
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性:Asp、Glu;
(4)塩基性:His、Lys、Arg;
(5)鎖配向に影響を及ぼす残基:Gly、Pro;
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。

【0356】

[0362]非保存的置換は、これらクラスのうちの1つのメンバーを別のクラスと交換することを伴うであろう。

【0357】

[0363]置換バリアントの一種は、親抗体(例えば、ヒト化抗体又はヒト抗体)のうちの1つ又は複数の超可変領域残基を置換することを含む。一般に、さらなる試験のために選択される、得られる1つ以上のバリアントは、親抗体に対する特定の生物学的特性(例えば、親和性の上昇、免疫原性の低下)の修飾(例えば、改善)を有し、及び/又は親抗体の実質的に保持された特定の生物学的特性を有するであろう。例示的な置換バリアントは、親和性成熟抗体であり、例えば、本明細書に記載されるもののようなファージディスプレイに基づく親和性成熟技術を使用して、簡便に生成されうる。簡潔には、1つ又は複数のHVR残基が変異し、変異抗体がファージに提示され、特定の生物活性(例えば、結合親和性)についてスクリーニングされる。

【0358】

[0364]変更(例えば、置換)は、抗体親和性を改善するために、例えば、HVRにおいて行われてもよい。そのような変更は、HVRの「ホットスポット」、すなわち、体細胞成熟プロセスの間に高頻度で変異が起こるコドンによってコードされる残基(例えば、Chowdhury,Methods Mol.Biol.207:179-196(2008)参照)、及び/又はSDR(a-CDR)において行われてよく、得られたバリアントVH又はVLが、結合親和性について試験される。二次ライブラリーの構築及びそこからの再選択による親和性成熟は、例えば、Hoogenboom et al.in Methods in Molecular Biology 178:1-37(O’Brien et al.,ed.,Human Press,Totowa,NJ,(2001)に記載されている。親和性成熟のいくつかの実施形態では、多様性が、様々な方法(例えば、エラープローンPCR、鎖シャフリング、又はオリゴヌクレオチド指定突然変異)のうちのいずれかによって、成熟のために選択された可変遺伝子に導入される。次いで、二次ライブラリーが作製される。次いで、このライブラリーをスクリーニングして、所望の親和性を有する任意の抗体バリアントを同定する。多様性を導入するための別の方法は、複数のHVR残基(例えば、一度に4~6の残基)をランダム化する、HVR指向性アプローチを含む。抗原結合に関与するHVR残基は、例えば、アラニンスキャニング変異誘発又はモデル化を使用して、特異的に同定されうる。特にCDR-H3及びCDR-L3が標的とされることが多い。

【0359】

[0365]一部の実施形態では、置換、挿入、又は欠失は、そのような変更が抗原に結合する抗体の能力を実質的に低下させない限り、1つ又は複数のHVR内で起こってよい。例えば、結合親和性を実質的に低下させない保存的改変(例えば、本明細書に提供される保存的置換)が、HVR中で行われうる。そのような変更は、HVRの「ホットスポット」又はSDRの外側でもよい。上記に提供されるバリアントVH及びVL配列の一部の実施形態では、各HVRは、変化していないか、又は1つ、2つ若しくは3つ以下のアミノ酸置換を含有する。

【0360】

[0366]突然変異誘発の標的となりうる抗体の残基又は領域を同定するための有用な方法は、Cunningham and Wells(1989)Science,244:1081-1085に記載されているように、「アラニンスキャニング突然変異誘発」と呼ばれる。この方法では、残基又は標的残基(例えば、arg、asp、his、lys、及びglu等の荷電残基)のグループが同定され、中性又は負に荷電したアミノ酸(例えば、アラニン又はポリアラニン)により置き換えられて、抗体と抗原との相互作用が影響を受けるかどうかが決定される。さらなる置換が、最初の置換に対する機能的感受性を示すアミノ酸の位置に導入されてもよい。代替的に、又は追加的に、抗原-抗体複合体の結晶構造を使用して、抗体と抗原との間の接触点が同定される。そのような接触残基及び隣接残基は、置換の候補として標的にしても排除してもよい。バリアントは、所望の特性を含むかどうかを決定するためにスクリーニングされうる。

【0361】

[0367]アミノ酸配列の挿入には、1個の残基から100個以上の残基を含むポリペプチドまでの長さの範囲のアミノ末端及び/又はカルボキシル末端融合、並びに単一若しくは複数のアミノ酸残基の配列内挿入が含まれる。末端挿入の例には、N末端メチオニル残基を有する抗体が含まれる。抗体分子の他の挿入バリアントには、抗体の血清半減期を増加させる酵素(例えば、ADEPTのための)又はポリペプチドへの抗体のN末端若しくはC末端の融合が含まれる。

【0362】

(ii)グリコシル化バリアント
[0368]一部の実施形態では、本明細書に提供される治療方法において使用される抗体(例えば、抗CD79b抗体又は抗CD20抗体)は、その抗体がグリコシル化される程度を増大又は低下させるために変更される。抗体へのグリコシル化部位の付加又は欠失は、1つ又は複数のグリコシル化部位が作り出されるか又は除去されるようにアミノ酸配列を変更することによって、簡便に達成されうる。

【0363】

[0369]抗体がFc領域を含む場合、それに結合した炭水化物が変更されうる。哺乳動物細胞によって生成される天然抗体は、典型的には、通常N結合によってFc領域のCH2ドメインのAsn297に結合される分岐状の二分岐オリゴ糖を含む。例えば、Wright et al.TIBTECH 15:26-32(1997)を参照されたい。オリゴ糖には、種々の炭水化物、例えば、マンノース、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトース、及びシアル酸、並びに二分岐オリゴ糖構造の「幹」のGlcNAcに結合したフコースが含まれうる。いくつかの実施形態では、本発明の抗体中のオリゴ糖の修飾が、特定の改良された特性を有する抗体バリアントを生成するために行われてもよい。

【0364】

[0370]一実施形態では、Fc領域に(直接的又は間接的に)付着したフコースを欠く炭水化物構造を有する抗体バリアントが提供される。例えば、そのような抗体のフコースの量は、1%から80%、1%から65%、5%から65%又は20%から40%でありうる。フコースの量は、例えば、国際公開第2008/077546号に記載されているように、MALDI-TOF質量分析によって測定されたAsn297(例えば、複合体構造、ハイブリッド構造、及び高マンノース構造)に結合したすべての糖構造体の合計に対する、Asn297における糖鎖内のフコースの平均量を計算することによって決定される。Asn297は、Fc領域内の約297位(Fc領域残基のEU番号付け)に位置するアスパラギン残基を指す;しかしながら、Asn297は、抗体におけるマイナーな配列差異に起因して、297位から約±3アミノ酸の上流又は下流、すなわち、294位と300位との間に位置してもよい。このようなフコシル化バリアントは、改善されたADCC機能を有しうる。例えば、米国特許出願公開第2003/0157108号(Presta,L.);同第2004/0093621号(Kyowa Hakko Kogyo Co.,Ltd)を参照されたい。「脱フコシル化」又は「フコース欠損」した抗体バリアントに関する刊行物の例には:米国特許出願公開第2003/0157108号;国際公開第2000/61739号;同第2001/29246号;米国特許出願公開第2003/0115614号;同第2002/0164328号;同第2004/0093621号;同第2004/0132140号;同第2004/0110704号;同第2004/0110282号;同第2004/0109865号;国際公開第2003/085119号;同第2003/084570号;同第2005/035586号;同第2005/035778号;同第2005/053742号;同第2002/031140号;Okazaki et al.J.Mol.Biol.336:1239-1249(2004);Yamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004)が含まれる。脱フコシル化抗体を生成することのできる細胞株の例には、タンパク質フコシル化を欠損するLec13 CHO細胞(Ripka et al.Arch.Biochem.Biophys.249:533-545(1986);米国特許出願公開第2003/0157108号、Presta、L、及び国際公開第2004/056312号、Adams et al.,特に実施例11)、及びノックアウト細胞株、例えばアルファ-1,6-フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8、ノックアウトCHO細胞(例えば、Yamane-Ohnuki et al.Biotech.Bioeng.87:614(2004);Kanda,Y.et al.,Biotechnol.Bioeng.,94(4):680-688(2006);及び国際公開第2003/085107号を参照されたい)。

【0365】

[0371]例えば、抗体のFc領域に結合した二分岐オリゴ糖がGlcNAcにより二分されている、二分されたオリゴ糖を有する抗体バリアントがさらに提供される。このような抗体バリアントは、低減されたフコシル化及び/又は改善されたADCC機能を有しうる。そのような抗体バリアントの例は、例えば、国際公開第2003/011878(Jean-Mairet et al.);米国特許第6,602,684号(Umana et al.);及び米国特許出願公開第2005/0123546号(Umana et al.)に記載されている。Fc領域に結合したオリゴ糖中に少なくとも1つのガラクトース残基を有する抗体バリアントも提供される。そのような抗体バリアントは、改善されたCDC機能を有しうる。このような抗体バリアントは、例えば、国際公開第1997/30087号(Patel et al.);同第1998/58964号(Raju,S.);及び同第1999/22764号(Raju、S.)に記載されている。

【0366】

(iii)Fcバリアント
[0372]一部の実施形態では、1つ又は複数のアミノ酸修飾を、本明細書に提供される治療方法において使用される抗体(例えば、抗CD79b抗体又は抗CD20抗体)のFc領域に導入することができ、それにより、Fc領域バリアントが生成される。Fc領域バリアントは、1つ又は複数のアミノ酸位置にアミノ酸修飾(例えば、置換)を含むヒトFc領域配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、又はIgG4 Fc領域)を含みうる。

【0367】

[0373]一部の実施形態では、本発明は、すべてではなくいくつかのエフェクター機能を保有することにより、in vivoでの抗体の半減期が重要ではあるが特定のエフェクター機能(補体及びADCC等)が不要又は有害である用途に望ましい候補となる抗体バリアントが企図される。CDC及び/又はADCC活性の低下/枯渇を確認するために、in vitro及び/又はin vivoの細胞傷害性アッセイを実行することができる。例えば、抗体がFcγR結合を欠いている(そのため、ADCC活性を欠いている可能性が高い)が、FcRn結合能を保持することを確認するために、Fc受容体(FcR)結合アッセイを実行することができる。ADCCを媒介するための一次細胞であるNK細胞は、Fc(RIIIのみを発現し、一方単球は、Fc(RI、Fc(RII、及びFc(RIIIを発現する。造血細胞上でのFcRの発現は、Ravetch and Kinet,Annu.Rev.Immunol.9:457-492(1991)の464頁の表3に要約されている。目的の分子のADCC活性を評価するためのin vitroアッセイの非限定的な例は、米国特許第5,500,362号(例えば、Hellstrom,I.et al.Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 83:7059-7063(1986))及びHellstrom,I et al.,Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 82:1499-1502(1985);5,821,337(see Bruggemann,M.et al.,J.Exp.Med.166:1351-1361(1987)参照)に記載されている。代替的に、非放射性アッセイ方法が用いられてもよい(例えば、フローサイトメトリーのためのACTITM非放射性細胞傷害性アッセイ(CellTechnology,Inc.Mountain View,CA);及びCytoTox96(登録商標)非放射性細胞傷害性アッセイ(Promega,Madison,WI)参照)。このようなアッセイに有用なエフェクター細胞は、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞を含む。代替的に、又は追加的に、目的の分子のADCC活性は、例えば、Clynes et al.Proc.Nat’l Acad.Sci.USA 95:652-656(1998)に開示されるような動物モデルにおいて、in vivoで評価されうる。また、抗体がC1qに結合することができず、したがってCDC活性を欠くことを確認するために、C1q結合アッセイを実行してもよい。例えば、国際公開第2006/029879号及び同第2005/100402号のC1q及びC3c結合ELISAを参照されたい。補体活性化を評価するために、CDCアッセイを実施してもよい(例えば、Gazzano-Santoro et al.,J.Immunol.Methods 202:163(1996);Cragg,M.S.et al.,Blood 101:1045-1052(2003);及びCragg,M.S.and M.J.Glennie,Blood 103:2738-2743(2004)参照)。FcRn結合及びin vivoクリアランス/半減期の決定はまた、当技術分野で既知の方法を使用して実施することができる(例えば、Petkova,S.B.et al.,Int’l.Immunol.18(12):1759-1769(2006)を参照されたい)。

【0368】

[0374]エフェクター機能が低減した抗体には、Fc領域の残基238、265、269、270、297、327及び329のうちの1つ又は複数の置換を含むものが含まれる(米国特許第6,737,056号)。このようなFcバリアントには、残基265及び297のアラニンへの置換を有するいわゆる「DANA」Fc変異体(米国特許第7,332,581号)を含む、アミノ酸265位、269、270、297及び327位のうちの2つ以上に置換を有するFc変異体が含まれる。

【0369】

[0375]FcRへの結合が改善又は減少した特定の抗体バリアントが記載されている。(例えば、米国特許第6,737,056号;国際公開第2004/056312号,及びShields et al.,J.Biol.Chem.9(2):6591-6604(2001)を参照されたい。)

【0370】

[0376]一部の実施形態では、抗体バリアントは、ADCCを改善する1つ又は複数のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の298、333、及び/又は334位(残基のEU番号付け)での置換を有するFc領域を含む。

【0371】

[0377]いくつかの実施形態では、例えば、米国特許第6,194,551号、国際公開第99/51642号、及びIdusogie et al.J.Immunol.164:4178-4184(2000)に記載されているように、C1q結合及び/又は補体依存性細胞傷害(CDC)の変化(すなわち改善又は減少)をもたらすFc領域内での変更が行われる。

【0372】

[0378]半減期が増加し、母体IgGを胎児に移入する役割を果たす新生児Fc受容体(FcRn)(Guyer et al.,J.Immunol.117:587(1976)and Kim et al.,J.Immunol.24:249(1994))への結合が向上した抗体が、米国特許出願公開第2005/0014934号(Hinton et al.)に記載されている。それら抗体は、FcRnに対するFc領域の結合を改善する1つ以上の置換をその中に有するFc領域を含む。このようなFcバリアントには、Fc領域残基:238、256、265、272、286、303、305、307、311、312、317、340、356、360、362、376、378、380、382、413、424又は434のうちの1つ又は複数における置換、例えば、Fc領域残基434の置換が含まれる(米国特許第7,371,826号)。

【0373】

[0379]Fc領域バリアントの他の例に関する、Duncan & Winter,Nature 322:738-40(1988);米国特許第5,648,260号;同第5,624,821号;及び国際公開第94/29351号も参照されたい。

【0374】

(iv)システイン操作抗体バリアント
[0380]一部の実施形態では、本明細書に提供される治療方法において使用される抗CD79b抗体又は抗CD20抗体の1つ又は複数の残基がシステイン残基で置換されたシステイン操作抗体、例えば「thioMAb」を作製することが望ましい場合がある。一部の実施形態では、置換された残基は、抗体のアクセス可能な部位に存在する。これら残基をシステインで置換することにより、反応性チオール基は、それによって抗体のアクセス可能な部位に位置づけられ、本明細書にさらに記載されるように、抗体を薬物部位又はリンカー薬物部位といった他の部位にコンジュゲーションしてイムノコンジュゲートを作製するために使用されうる。一部の実施形態では、以下の残基のいずれか1つ以上をシステインで置換することができる:軽鎖のV205(Kabat番号付け);重鎖のA118(EU番号付け);及び重鎖Fc領域のS400(EU番号付け)。システイン操作抗体は、例えば、米国特許第7,521,541号に記載されるように生成されうる。

【0375】

(v)抗体誘導体
[0381]一部の実施形態では、本明細書に提供される治療方法において使用される抗体(例えば、抗CD79b抗体又は抗CD20抗体)は、当技術分野において既知であり、容易に利用可能な追加の非タンパク質性部分を含有するようにさらに修飾されうる。抗体の誘導体化に適した部分には、水溶性ポリマーが含まれるが、これに限定されない。水溶性ポリマーの非限定的な例には、限定されないが、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ-1,3-ジオキソラン、ポリ-1,3,6-トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、ポリアミノ酸(ホモポリマー又はランダムコポリマー)、及びデキストラン又はポリ(n-ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロピレングリコールホモポリマー、プロリプロピレン(prolypropylene)オキシド/エチレンオキシドコポリマー、ポリオキシエチル化ポリオール(例えば、グリセロール)、ポリビニルアルコール、並びにこれらの混合物が含まれる。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、水中でのその安定性に起因して製造における利点を有しうる。ポリマーは、任意の分子量であってよく、分岐していても、分岐していなくてもよい。抗体に結合しているポリマーの数は様々であってよく、複数のポリマーが結合している場合、それらは同じ分子又は異なる分子でありうる。一般に、誘導体化のために使用されるポリマーの数及び/又は種類は、限定されないが、改善される抗体の特定の特性又は機能、抗体誘導体が定義された条件下で治療に使用されるかどうか等の考慮事項に基づいて決定されうる。

【0376】

[0382]別の実施形態では、放射線への曝露によって選択的に加熱されうる抗体及び非保護性部位のコンジュゲートが提供される。一実施形態では、非保護性部分は、カーボンナノチューブである(Kam et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 102:11600-11605(2005))。放射線は、任意の波長であってよく、通常の細胞に害を与えず、限定されないが、抗体-非保護性部位に近位の細胞が死滅する温度まで非保護性部位を加熱する波長を含む。

【0377】

H.組み換え方法及び組成物
[0383]抗体は、例えば、米国特許第4,816,567号に記載される組み換え方法及び組成物を使用して生成されうる。一実施形態において、本明細書に記載される抗体をコードする単離された核酸が提供される。そのような核酸は、抗体のVLを含むアミノ酸配列及び/又は抗体のVHを含むアミノ酸配列(例えば、抗体の軽鎖及び/又は重鎖)をコードしうる。さらなる実施形態では、そのような核酸を含む1つ又は複数のベクター(例えば、発現ベクター)が提供される。さらなる実施形態では、このような核酸を含む宿主細胞が提供される。そのような一実施形態では、宿主細胞は:(1)抗体のVLを含むアミノ酸配列と、抗体のVHを含むアミノ酸配列とをコードする核酸を含むベクター、又は(2)抗体のVLを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第1のベクター、及び抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第2のベクターを含む(例えば、それらで形質転換されている)。一実施態様において、宿主細胞は、真核生物細胞、例えばチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、又はリンパ系細胞(例えばY0、NS0、Sp20細胞)である。一実施形態において、抗体の作製方法が提供され、この方法は、上述される抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を、抗体の発現に適した条件下で培養することと、任意選択的に、抗体を宿主細胞(又は宿主細胞培養培地)から回収することとを含む。

【0378】

[0384]抗体の組み換え生成に関しては、例えば、上述の抗体をコードする核酸が単離され、宿主細胞内でのさらなるクローニング及び/又は発現のために、1つ又は複数のベクターに挿入される。そのような核酸は、従来の手順を使用して(例えば、抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することのできるオリゴヌクレオチドプローブを使用することによって)容易に単離され、配列決定されうる。

【0379】

[0385]抗体コード化ベクターのクローニング又は発現のために適した宿主細胞には、本明細書に記載される原核細胞又は真核細胞が含まれる。例えば、抗体は、特にグリコシル化及びFcエフェクター機能が不要であるとき、細菌中で生成されうる。細菌中での抗体断片及びポリペプチドの発現については、例えば、米国特許第5,648,237号、同第5,789,199号、及び同第5,840,523号を参照されたい。(大腸菌中での抗体断片の発現を記載している、Charlton,Methods in Molecular Biology,Vol.248(B.K.C.Lo,ed.,Humana Press,Totowa,NJ,2003)、pp.245-254も参照されたい。)発現後、本発明の抗体は、可溶型画分中で細菌細胞ペーストから単離されてもよく、さらに精製することができる。

【0380】

[0386]原核生物に加えて、糸状菌又は酵母といった真核微生物は、抗体をコードするベクターのクローニング又は発現宿主として適しており、それには、グリコシル化経路が「ヒト化」された真菌及び酵母株が含まれ、その結果、部分的又は完全にヒトのグリコシル化パターンを有する抗体が生成される。Gerngross,Nat.Biotech.22:1409-1414(2004)、及びLi et al.,Nat.Biotech.24:210-215(2006)参照。

【0381】

[0387]また、グリコシル化抗体の発現のために適した宿主細胞は、多細胞生物(無脊椎動物及び脊椎動物)に由来する。無脊椎動物細胞の例には、植物細胞及び昆虫細胞が含まれる。昆虫細胞と併せて、特にヨトウガ(Spodoptera frugiperda)細胞のトランスフェクションに使用されうる多数のバキュロウイルス株が同定された。

【0382】

[0388]植物細胞培養物も、宿主として利用することができる。例えば、米国特許第5,959,177号、同第6,040,498号、同第6,420,548号、同第7,125,978号、及び同第6,417,429号(トランスジェニック植物で抗体を生成するためのPLANTIBODIESTM技術を記載)を参照されたい。

【0383】

[0389]脊椎動物細胞も、宿主として使用されうる。例えば、懸濁液中で増殖するように適合された哺乳動物細胞株は、有用でありうる。有用な哺乳動物宿主細胞株の他の例は、SV40(COS-7)によって形質転換されたサル腎臓CV1株;ヒト胚腎臓株(例えば、Graham et al.,J.Gen Virol.36:59(1977)に記載される293細胞又は293細胞);ベビーハムスター腎臓細胞(BHK);マウスセルトリ細胞(例えば、Mather,Biol.Reprod.23:243-251(1980)に記載されるTM4細胞);サル腎臓細胞(CV1);アフリカミドリサル腎臓細胞(VERO-76);ヒト子宮頸癌細胞(HELA);イヌ腎臓細胞(MDCK):バッファローラット肝臓細胞(BRL 3A);ヒト肺細胞(W138):ヒト肝臓細胞(Hep G2);マウス乳房腫瘍(MMT 060562);例えば、Mather et al.,Annals N.Y.Acad.Sci.383:4468(1982)に記載されるTRI細胞;MRC5細胞;及びFS4細胞である。他の有用な哺乳動物宿主細胞株には、DHFR-CHO細胞(Urlaub et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980))を含むチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞;並びにY0、NS0、及びSp2/0等の骨髄腫細胞株が含まれる。抗体生成に適した特定の哺乳類宿主細胞株の概説については、例えば、Yazaki and Wu,Methods in Molecular Biology,Vol.248(B.K.C.Lo,ed.,Humana Press,Totowa,NJ),pp.255-268(2003)。

【0384】

I.アッセイ
[0390]本明細書に提供される治療方法において使用される抗体(例えば、抗CD79b抗体又は抗CD20抗体)は、当技術分野で既知の種々のアッセイにより、物理的/化学的特性及び/又は生物活性について同定、スクリーニング、又は特徴づけされうる。

【0385】

[0391]一態様では、本明細書に提供される治療方法において使用される抗体(例えば、抗CD79b抗体又は抗CD20抗体)が、その抗原結合活性について、例えば、ELISA、BIACore(登録商標)、FACS又はウエスタンブロット等の既知の方法によって試験される。

【0386】

[0392]別の態様では、競合アッセイを使用して、標的抗原への結合について本明細書に記載される抗体のいずれかと競合する抗体を同定することができる。一部の実施形態では、このような競合抗体は、本明細書に記載される抗体が結合する同じエピトープ(例えば、直線状又は立体配座エピトープ)に結合する。抗体が結合するエピトープをマッピングするための詳細な例示的方法が、Morris(1996)“Epitope Mapping Protocols,” in Methods in Molecular Biology vol.66(Humana Press,Totowa,NJ)に提供されている。

【0387】

[0393]例示的な競合アッセイでは、固定化された抗原は、抗原に結合する第1の標識抗体(例えば、本明細書に記載される抗体のいずれか)、及び抗原への結合について第1の抗体と競合する能力について試験される第2の非標識抗体を含む溶液中でインキュベートされる。第2の抗体は、ハイブリドーマ上清中に存在しうる。コントロールとして、固定化抗原が、第1の標識抗体を含むが第2の非標識抗体は含まない溶液中でインキュベートされる。抗原に対する第1の抗体の結合を許容する条件下でのインキュベーション後、過剰な非結合抗体を除去し、固定化された抗原に関連する標識の量を測定する。固定化された抗原に関連する標識の量が、コントロール試料と比較して試験試料中で実質的に減少している場合、それは、第2の抗体が抗原への結合について第1の抗体と競合していることを示す。Harlow and Lane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual ch.14(Cold Spring Harbor Laboratory,Cold Spring Harbor,NY)参照。

【0388】

VIII.薬学的製剤
[0394]本明細書に記載される方法のいずれかにおける使用のための、本明細書に記載される薬剤のいずれかの薬学的製剤(例えば、抗CD79bイムノコンジュゲート、抗CD20剤、及び免疫調節剤)は、1つ又は複数の任意選択的な薬学的に許容される担体を含む、所望の純度を有する1つ以上のこのような薬剤を混合することにより、凍結乾燥製剤又は水溶液の形態で調製される(Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980))。薬学的に許容される担体は一般に、用いられる投薬量及び濃度でレシピエントに対して非毒性であり、限定しないが、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸等のバッファー;アスコルビン酸及びメチオニンを含む抗酸化物質;防腐剤(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル、若しくはベンジルアルコール;メチル若しくはプロピルパラベン等のアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾール等);低分子量(約10残基未満)のポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、若しくは免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、若しくはリジン等のアミノ酸;単糖類、二糖類、及びグルコース、マンノース、若しくはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTA等のキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロース、若しくはソルビトール等の糖類;ナトリウム等の塩形成対イオン;金属複合体(例えば、Zn-タンパク質複合体);並びに/又はポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤を含む。本明細書における例示的な薬学的に許容される担体は、可溶性の中性活性ヒアルロニダーゼ糖タンパク質(sHASEGP)、例えば、rHuPH20(HYLENEX(登録商標)、Baxter International,Inc.)等のヒト可溶性PH-20ヒアルロニダーゼ糖タンパク質等の介在性薬物分散剤をさらに含む。rHuPH20を含む、特定の例示的なsHASEGP及び使用方法は、米国特許出願公開第2005/0260186号及び同第2006/0104968号に記載されている。一態様では、sHASEGPは、1つ又は複数の追加のグリコサミノグリカナーゼ、例えばコンドロイチナーゼと組み合わせられる。

【0389】

[0395]例示的な凍結乾燥抗体又はイムノコンジュゲート製剤は、米国特許第6,267,958号に記載されている。水性抗体製剤又はイムノコンジュゲート製剤は、米国特許第6171586号及び国際公開第2006/044908号に記載されているものを含み、後者の製剤はヒスチジン-アセテートバッファーを含む。

【0390】

[0396]本明細書の製剤はまた、治療される特定の適応症に必要な1つより多い活性成分を含んでもよく、好ましくは、互いに悪影響を及ぼさない相補的な活性を有するものを含んでもよい。

【0391】

[0397]活性成分は、例えばコアセルベーション技術又は界面重合法によって調製されたマイクロカプセル、例えば、それぞれ、ヒドロキシメチルセルロースマイクロカプセル又はゼラチン-マイクロカプセル、及びポリ-(メチルメタクリレート)(poly-(methylmethacylate))マイクロカプセルに、コロイド薬物送達系(例えばリポソーム、アルブミンミクロスフィア、マイクロクロエマルジョン、ナノ粒子、及びナノカプセル)に、又はマクロエマルジョンに封入することができる。このような技術は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 16th edition,Osol,A.Ed.(1980)に開示されている。

【0392】

[0398]徐放性調製物が調製されてもよい。徐放性製剤の適切な例は、抗体又はイムノコンジュゲートを含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスを含み、このマトリックスは、成形品、例えば、フィルム又はマイクロカプセルの形態である。

【0393】

[0399]in vivo投与のために使用される製剤は、通常無菌である。無菌状態は、例えば滅菌濾過膜を通した濾過によって容易に達成されうる。

【0394】

[0400]抗CD79イムノコンジュゲートを含む薬学的製剤に関するさらなる詳細は、国際公開第2009/099728号に提供されており、その内容は、参照によりその全体が本明細書に明示的に援用される。

【0395】

IX.キット及び製造品
[0401]別の実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲート(例えば、本明細書に記載されるもの)及び少なくとも1つの追加の薬剤を含む製造品又はキットが提供される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の薬剤は、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)である。いくつかの実施形態では、製造品又はキットは、個体におけるB細胞増殖性障害(例えば、DLBCL、例えば、再発性/難治性DLBCL)を治療するために、又はその進行を遅延させるために、抗CD79bイムノコンジュゲートを、少なくとも1つの追加の薬剤、例えば免疫調節剤(例えば、レナリドミド)及び抗CD20抗体(例えば、オビヌツズマブ又はリツキシマブ)と併せて使用するための説明書を含む添付文書をさらに含む。当技術分野で既知であるか又は本明細書に記載される抗CD79bイムノコンジュゲート、免疫調節剤、及び/又は抗CD20抗体、並びに任意選択的に1つ又は複数の追加の抗がん剤のいずれもが、製造品又はキットに含まれうる。いくつかの実施形態では、キットは、以下の式

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[式中、Abは、(i)配列番号21のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(ii)配列番号22のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(iii)配列番号23のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(iv)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(v)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR-L2;及び(vi)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR-L3を含む抗CD79b抗体であり、pは、1と8との間である]を有するイムノコンジュゲートを含む。いくつかの実施形態では、キットは、以下の式

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【0396】

[0402][式中、Abは、(i)配列番号19のアミノ酸配列を含むVHを含む重鎖と、(ii)配列番号20のアミノ酸配列を含むVLを含む軽鎖とを含む抗CD79b抗体であり、pは、2と5との間である]を含むイムノコンジュゲートを含む。いくつかの実施形態では、pは、3と4との間、例えば、3.4又は3.5である。いくつかの実施形態では、イムノコンジュゲートは、配列番号36のアミノ酸配列を含む重鎖と、配列番号35のアミノ酸配列を含む軽鎖とを含む抗CD79b抗体を含む。一部の実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、Ab-MC-vc-PAB-MMAEの構造を含む。いくつかの実施形態では、抗CD79bイムノコンジュゲートは、ポラツズマブベドチン(CAS番号1313206-42-6)である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の薬剤は、免疫調節剤(例えばレナリドミド)及び抗CD20抗体(例えばオビヌツズマブ又はリツキシマブ)である。いくつかの実施形態では、キットは、本明細書に提供される方法による、個体、例えばヒト(例えば、本明細書に記載される1つ又は複数の特性を有するヒト)における、DLBCL、例えば、R/R DLBCLの治療における使用のためのものである。

【0397】

[0403]いくつかの実施形態では、抗CD79イムノコンジュゲート、免疫調節剤(例えば、レナリドミド)及び抗CD20抗体(例えばオビヌツズマブ又はリツキシマブ)は、同じ容器又は別個の容器に入っている。適切な容器には、例えば、ボトル、バイアル、袋、及びシリンジが含まれる。容器は、ガラス、プラスチック(例えばポリ塩化ビニル若しくはポリオレフィン)、又は金属合金(例えばステンレス鋼若しくはハステロイ)等の様々な材料から形成されうる。いくつかの実施態様では、容器は、製剤を保持し、容器上のラベル又は容器に付随するラベルは、使用のための指示を示しうる。製造品又はキットは、他のバッファー、希釈剤、フィルター、針、シリンジ、及び使用説明書付きの添付文書を含む、商業的観点及び使用者の観点から望ましい他の材料をさらに含みうる。いくつかの実施形態では、製造品は、別の薬剤(例えば、化学療法剤及び抗新生物薬)のうちの1つ以上をさらに含む。1つ又は複数の作用物質に適した容器には、例えば、ボトル、バイアル、袋、及びシリンジが含まれる。
表U:アミノ酸配列

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【0398】

[0404]本明細書は、当業者が本発明を実践することを可能にするために十分であるとみなされる。本明細書に示され記載されるものに加えて、本発明の種々の修正が、前述の説明から当業者に明らかになり、それらは特許請求の範囲に含まれるであろう。本明細書に引用されるすべての出版物、特許、及び特許出願は、あらゆる目的のために参照によりそれらの全体が本明細書に援用される。

【実施例

【0399】

[0405]以下は、本開示の方法及び組成物の実施例である。上記に提供される一般的な説明を考慮すると、種々の他の実施形態が実施されうることが理解される。

【0400】

実施例1:再発性又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)における、抗CD20抗体及び免疫調節剤と組み合わせた抗CD79bイムノコンジュゲートの第Ib/II相試験
[0406]この実施例では、再発性又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(R/R DLBCL)を有する患者における、抗CD79bイムノコンジュゲート(ポラツズマブベドチン;本明細書では「Pola」とも呼ぶ)及び免疫調節剤(レナリドミド;本明細書では「Len」とも呼ぶ)と組み合わせた抗CD20抗体(リツキシマブ;本明細書では「R」とも呼ぶ)の安全性及び有効性を評価する第Ib/II相試験について記載する。

【0401】

I.試験の目的及び評価項目
[0407]この試験は、R/R DLBCL患者における、ポラツズマブベドチン及びレナリドミドと組み合わせたリツキシマブ(R+Pola+Len)を含む誘導治療と、それに続く、誘導終了(EOI)時に完全寛解(CR)又は部分寛解(PR)を達成するDLBCL患者における、リツキシマブ+レナリドミド(R+Len;強化と呼ぶ)による誘導後治療の安全性、有効性、及び薬物動態を評価した。

【0402】

A.安全性目標
[0408]この試験の安全性目標は以下の通りであった:
・固定用量のポラツズマブベドチン及びリツキシマブと組み合わせて投与されたときの、推奨される第II相用量(RP2D)を、以下の評価項目に基づいて決定すること:
o試験治療の初回サイクル中の用量制限毒性(DLT)の発生。
・R+Pola+Lenの安全性及び忍容性を、以下の評価項目に基づいて評価すること:
oDLTを含む有害事象の性質、頻度、重症度及びタイミング。
o試験治療適用中及び適用後のバイタルサイン、心電図(ECG)、及び臨床検査結果の変化。

【0403】

B.一次的及び二次的有効性目標
[0409]この試験の一次的有効性目標は、R/R DLBCLにおけるR+Pola+Lenによる誘導治療の有効性を、以下の評価項目に基づいて評価することであった:
・PET-CTスキャンに基づいてIRCにより決定されたEOI時のCR。

【0404】

[0410]この試験の二次的有効性目標は、R/R DLBCLにおけるR+Pola+Lenによる誘導治療、及びR+Lenによる強化治療の有効性を、以下の評価項目に基づいて評価することであった:
・PET-CTスキャンに基づいて治験責任医師により決定されたEOI時のCR。
・CTスキャンのみに基づいてIRC及び治験責任医師により決定されたEOI時のCR。
・PET-CTスキャンに基づいてIRC及び治験責任医師により決定されたEOI時の客観的奏功(CR又はPRと定義)。
・CTスキャンのみに基づいてIRC及び治験責任医師により決定されたEOI時の客観的奏功(CR又はPRと定義)。
・CTスキャンのみに基づいて治験責任医師により決定された、試験中のCR又はPRの最良応答。

【0405】

[0411]応答は、以降Lugano2014基準と呼ぶ悪性リンパ腫の修正版Lugano応答基準(Cheson et al.2014)を使用して、ポジトロン放射断層撮影(PET)及びコンピューター断層撮影(CT)スキャン又はCTスキャンのみに基づいて決定された(表8参照)。応答は、独立審査委員会(IRC)及び治験責任医師により決定された。

【0406】

C.探索的有効性目標
[0412]この試験の探索的有効性目標は、R+Pola+Lenの長期有効性を、以下の評価項目に基づいて評価することであった:
・EOIの時点で陽性PETスキャンを有する患者について:
oPET-CTスキャンに基づいてIRC及び治験責任医師により決定された強化終了時(EOC)のCR。
・試験治療の開始から、治験責任医師により決定された疾患の進行若しくは再発の最初の発生又はいずれかの原因による死亡までの時間として定義される、無増悪生存(PFS)。
・試験治療の開始から、(例えば、CTスキャンのみに基づいて)治験責任医師によって決定された、疾患の進行若しくは再発を含むいずれかの治療失敗、新規抗リンパ腫療法の開始、又はいずれかの原因による死亡までの時間のうち最初に起こるものまでの時間として定義される、無事象生存期間(EFS)。
・CRを達成する患者の中で、実証されたCRの最初の発生から、(例えば、CTスキャンのみに基づいて)治験責任医師により決定された再発又はいずれかの原因による死亡までの時間のうち最初に起こるものまでの時間として定義される、無病生存期間(DFS)。
・試験治療の開始からいずれかの原因による死亡までの時間として定義される、全生存(OS)。

【0407】

D.薬物動態学的目標
[0413]この試験の薬物動態学的(PK)目標は、併用において投与されたときのリツキシマブ、ポラツズマブベドチン、及びレナリドミドのPKプロフィールを、以下の評価項目に基づいて特徴づけることであった:
・観察された血漿/血清リツキシマブ濃度。
・ポラツズマブベドチン及び関連する被分析物(全抗体(Tab)、抗体にコンジュゲートしたモノ-メチルアウリスタチンE(acMMAE)、及び非コンジュゲートMMAE)の、観察された血漿/血清濃度。
・観察された血漿/血清レナリドミド濃度。

【0408】

E.免疫原性目標
[0414]この試験の免疫原性目標は、リツキシマブ及びポラツズマブベドチンに対する免疫応答を、以下の評価項目に基づいて評価することであった:
・ベースラインでのヒト抗キメラ抗体(HACA)の有病率と比べた、試験中のリツキシマブに対するHACAの発生率。
・ベースラインでの抗治療抗体(ATA)の有病率と比べた、試験中のポラツズマブベドチンに対するATAの発生率。

【0409】

[0415]この試験の探索的な免疫原性目標は、HAHAとATAとの間の潜在的な関係を、以下の評価項目に基づいて評価することであった:
・HACA状態とATA状態との間の相関及び相対的な有効性、安全性、バイオマーカー、又はPK評価項目。

【0410】

F.バイオマーカー目標
[0416]この試験の探索的バイオマーカーの目標は、試験治療に対する応答を予測するか(すなわち、予測バイオマーカー)、より重篤な疾患状態への進行に関連するか(すなわち、予後バイオマーカー)、試験治療に対する獲得耐性に関連するか、有害事象の発生に対する感受性に関連するか、試験治療活性の証拠を提供することができるか、リンパ腫生物学又は試験治療作用機序の知識及び理解を高めることができるか、又は診断アッセイの改善に寄与することができる非遺伝性バイオマーカーを、以下の評価項目に基づいて同定することであった:
・非遺伝性バイオマーカー(表9参照)と、有効性、安全性、薬物動態、又は免疫原性評価項目との間の関連。

【0411】

II.試験設計
[0417]試験は、初期用量漸増期、続いて拡大期を含み、その間に、ポラツズマブベドチン及びレナリドミドがRP2Dで投与された。試験の概要を図1に示す。

【0412】

A.用量漸増期
[0418]用量漸増期の目的は、R/R DLBCL患者における誘導治療として1.8mg/kgのポラツズマブベドチン及び375mg/mのリツキシマブと組み合わせたときのレナリドミドのRP2Dを同定することであった。

【0413】

[0419]DLBCL-用量漸増期に登録した患者は、表1に示される28日サイクルで投与される誘導治療を受けた。試験治療が同じ日に行われたとき、それらは、以下の順序で逐次的に投与された:レナリドミド、オビヌツズマブ、及びポラツズマブベドチン。
表1.用量漸増期の誘導治療

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【0414】

[0420]EOIにCR又はPRを達成した患者は、以下の表2に記載される、R+Lenによる強化治療を受けた。ポラツズマブベドチンは、強化治療として投与されなかった。強化治療は、サイクル6の1日目の8週後(±1週)に開始され、疾患の進行又は許容されない毒性まで6カ月継続された。
表2.用量漸増期の強化治療

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【0415】

[0421]図2に示されるように、標準の3+3用量漸増スキーマを使用した。リツキシマブとポラツズマブベドチンの用量レベルを用量漸増期中は固定し、レナリドミドの用量のみを漸増させた。用量漸増コホートA~Cを表3に示す。
表3.用量漸増コホート

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【0416】

[0422]コホートAの用量が安全かつ忍容性とみなされた場合、コホートBの登録により漸増を継続した。コホートBの用量が安全かつ忍容性とみなされた場合、コホートCの登録により漸増を継続した。

【0417】

B.拡大期
[0423]拡大期が、DLBCL患者における、固定用量のリツキシマブ及びポラツズマブベドチンと組み合わせたときのレナリドミドの安全性及び有効性をさらに評価するために設計された。

【0418】

[0424]拡大期に登録されたすべての患者は、表4に概要を示す誘導治療を受けた。試験治療が同じ日に行われたとき、それらは、以下の順序で逐次的に投与された:レナリドミド、オビヌツズマブ、及びポラツズマブベドチン。拡大期中、患者は、リツキシマブ及びポラツズマブを、RP2Dのレナリドミドと組み合わせて投与された。
表4.拡大期の誘導治療

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【0419】

[0425]EOIにCR又はPRを達成した患者は、表5に概要を示すリツキシマブ及びレナリドミドによる誘導後治療(強化と呼ぶ)を受けた。ポラツズマブベドチンは、誘導後期中投与されなかった。誘導後治療は、導入の最初のサイクルの1日目の8週後(±1週)に開始され、疾患の進行又は許容されない毒性まで、強化治療の最大6カ月間継続された。
表5.拡大期の強化治療

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【0420】

C.投薬及び投与
[0426]図3は、この試験で使用される誘導治療レジメン及び誘導後治療レジメンの概要を示している。

【0421】

リツキシマブ
[0427]リツキシマブは、誘導治療中サイクル1~6の1日目に、及び強化治療中隔月の1日目に(すなわち、2カ月毎に)、375mg/mの用量でIV注入により投与された。

【0422】

[0428]リツキシマブの注入は、患者のインフュージョンリアクション(高い腫瘍負荷又は高い末梢リンパ球数)のリスクが増加する場合、2日に分割された。リツキシマブ注入中に有害事象を経験する患者に対して、必要に応じて、翌日にリツキシマブの投与を継続した。リツキシマブの用量が2日に分割された場合、両注入は、適切な前投薬及び第1の注入速度で行われた。リツキシマブは、専用ラインを通して低速IV注入として投与された。

【0423】

[0429]リツキシマブ注入は、表6の説明に従って投与された。
表6.リツキシマブの初回及びその後の注入の投与

2024-520901 - 知財ポータルサイト『IP Force』 (84)

【0424】

[0430]インフュージョンリアクション(IRR)の発生及び重症度を低減するために、コルチコステロイド、鎮痛剤/解熱剤、及び抗ヒスタミンによる前投薬が必要とされた。

【0425】

ポラツズマブベドチン
[0431]用量漸増期及び拡大期中、ポラツズマブベドチンの用量は、1.8mg/kgに固定された。ポラツズマブベドチンは、誘導治療中のみ、各サイクルの1日目にIV注入により投与された。

【0426】

[0432]初期用量は、90(±10)分かけて、十分水分補給した患者に投与された。前投薬(例えば、500~1000mgの経口アセトアミノフェン又はパラセタモール及び50~100mgのジフェンヒドラミン)を、ポラツズマブベドチンの投与の前に個々の患者に投与してもよかった。コルチコステロイドの投与は、治療する医師の裁量で許可された。前投薬の非存在下での最初の注入でIRRが観察された場合、前投薬を後続用量の前に投与した。

【0427】

[0433]注入関連症状を経験している患者については、ポラツズマブベドチン注入を減速させるか又は中断した。初期用量に続いて、発熱、寒気、悪寒、低血圧、悪心又は他の注入関連症状について患者を90分間観察した。先行する注入が十分に忍容された場合、後続用量のポラツズマブベドチンを30(±10)分にわたって投与し、続いて注入後30分間の観察期間を設けた。

【0428】

レナリドミド
[0434]レナリドミドは、誘導治療中、サイクル1~6(28日サイクル)の1~21日目に1日1回、及び強化中、各月の1~21日目に、経口投与された。用量漸増期中、レナリドミドは、10、15、又は20mgの用量で投与された。用量は、5mgまで漸減させることができた。拡大期中、レナリドミドは、誘導治療中にRP2Dで、及び強化治療中に10mgで投与された。

【0429】

[0435]レナリドミドは、血栓塞栓症(TE)のリスクを増加させる。すべての患者は、レナリドミド治療中及びレナリドミドの最終用量後28日まで、TE予防のために毎日アスピリン(75~100mg)を服用する必要があった。アスピリンに忍容性でなかった患者、TEの既往歴を有する患者、及びTEのリスクが高い患者は、ワルファリン又は低分子量ヘパリン(LMWH)を投与された。

【0430】

[0436]表7は、この試験において投与された前投薬の概要を示している。
表7.前投薬

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【0431】

併用療法
[0437]TE予防治療及び前投薬は、上述のように投与された。

【0432】

[0438]造血成長因子が許可された。G-CSFは、American Society of Clinical Oncology(ASCO),EORTC、及びEuropean Society for Medical Oncology(ESMO)のガイドラインに従って(Smith et al.,J Clin Oncol(2006)24:3187-205)又は制度上の基準に従って、治療法の各サイクルにおいて、好中球減少症の一次予防として投与することが許可された。

【0433】

[0439]赤血球新生剤又は血栓症のリスクを上昇させうる他の薬剤、例えばエストロゲン含有療法(例えば、経口避妊薬)は、レナリドミドを摂取する患者においてTEのリスクを上昇させるため、注意深く使用された。

【0434】

[0440]血小板減少症関連事象を悪化させる可能性のある併用薬(例えば、血小板阻害剤及び抗凝血剤)を使用する患者は、出血のリスクがより大きい可能性がある。可能であれば、先行するビタミンKアンタゴニスト療法を、サイクル1の1日目に先立ってLMWHで置き換えた。

【0435】

[0441]ジゴキシンを投与されている患者は、レナリドミドとの薬物相互作用の可能性があるため、ジゴキシン血漿レベルの定期的モニタリングを受けた。ワルファリンの投与を受ける患者では、国際標準化比(INR)及びプロトロンビン時間(PT)の厳重なモニタリングが推奨された。

【0436】

[0442]レナリドミドと共に、単純に添加剤でありうるスタチンが投与されるとき、横紋筋融解のリスクが上昇する。必要があれば、特に治療の第1週の間に、臨床的モニタリング及び検査的モニタリングの強化が行われた。

【0437】

[0443]ポラツズマブベドチンと組み合わせて強力なCYP3A4阻害剤又はP-糖タンパク質(P-gp)阻害剤を投与された患者は、少しでも存在すれば、有害反応について厳重にモニタリングされた。

【0438】

[0444]抗生物質による予防治療が、標準の慣行に従って適用された。

【0439】

III.試験参加者
[0445]この試験には、以下の適格基準を満たしたDLBCL患者が含まれた。

【0440】

A.組み込み及び除外基準
[0446]この試験には、以下の組み込み基準を満たす患者が含まれた:
・成人、18歳以上。
・0、1、又は2の、米国東海岸がん臨床試験グループ(ECOG)パフォーマンスステータス。
・自家造血幹細胞移植に適格でないか又は高用量化学療法+自家造血幹細胞移植による治療後に疾患の進行を経験した患者における、抗CD20モノクローナル抗体を含む少なくとも1つの先行する化学免疫療法レジメンによる治療後の再発性又は難治性のDLBCL(R/R DLBCL)。
・組織学的に確認されたCD20陽性B細胞リンパ腫。
・フルオロデオキシグルコース(FDG)親和性リンパ腫(すなわち、PET陽性リンパ腫)。
・少なくとも1つの二次元的に測定可能な病変(CTスキャン又は磁気共鳴画像法[MRI]によるその最大寸法が>1.5cm)。

【0441】

[0447]この試験では、以下の除外基準のいずれかを満たす患者は除外された:
・DLBCLへの無痛性疾患の形質転換の既往歴。
・再発又は進行における既知のCD20陰性状態。
・中枢神経系リンパ腫又は軟骨膜浸潤。
・先行する同種異系幹細胞移植(SCT)。
・サイクル1の1日目に先行する100日以内の自己SCTの完了。
・レナリドミドに対する耐性の既往歴又は<1年の応答期間(先行するレナリドミド含有レジメンに対する応答があった患者について)。
・以下に明記される先行する標準又は治験抗がん療法:
oサイクル1の1日目に先行する12カ月以内のレナリドミド、フルダラビン、又はアレムツズマブ;サイクル1の1日目に先行する12週以内の放射性イムノコンジュゲート;サイクル1の1日目に先行する5半減期又は4週のうち長い方の期間内のモノクローナル抗体又は抗体-薬物コンジュゲート(ADC)療法;サイクル1の1日目に先行する2週以内の放射線治療、化学療法、ホルモン療法、又は標的化小分子療法。
・サイクル1の1日目に先行する、グレード≦2(NCI CTCAE、Version 4.0により)まで解消しなかった先行する治療法に起因する臨床的に有意な毒性(脱毛症以外)。
・サイクル1の1日目に先行する2週以内の、プレドニゾン、アザチオプリン、メトトレキサート、サリドマイド及び抗腫瘍壊死因子剤を含むがこれらに限定されない全身免疫抑制薬による治療。・吸入コルチコステロイド及びミネラルコルチコイドによる治療が許可された。・試験治療の開始前にリンパ腫症状の制御のためにコルチコステロイド治療が緊急に必要とされた場合、最大100mg/日のプレドニゾン又は同等物が最大5日間投与されたが、すべての腫瘍評価はコルチコステロイド治療の開始前に先立って完了した。
・ヒト化又はマウスモノクローナル抗体に対する重度のアレルギー又はアナフィラキシー反応の既往歴;マウス製品又はリツキシマブ、ポラツズマブベドチン、若しくはレナリドミド製剤のいずれかの成分に対して既知の感受性又はアレルギー。
・サリドマイド及びレナリドマイド等の免疫調節誘導体による先行する治療後の多形紅斑、≧グレード3の発疹、又は落屑(水疱形成)の既往歴。
・活性の細菌、ウイルス、真菌、又は他の感染;スクリーニングにおいてB型肝炎表面抗原(HBsAg)、総B型肝炎コア抗体(HBcAb)、又はC型肝炎ウイルス(HCV)抗体に対して陽性;HIV陽性状態の既知の既往歴;サイクル1の1日目に先行する28日以内の生ウイルスワクチンを含むワクチン接種。
・進行性多巣性白質脳症の既往歴。
・プロトコールの順守又は結果の解釈に影響を及ぼしうる他の悪性腫瘍の既往歴。但し、以下を例外とする;
o治癒的に治療された子宮頸部上皮内癌;乳房の予後良好な上皮内乳管癌;基底細胞皮膚がん又は扁平上皮皮膚がん;ステージIの黒色腫;又は低悪性度早期限局性前立腺がん。
o登録に先行する≧2年間に治療なしで寛解していた以前に治療されたいずれかの悪性腫瘍。
・血栓塞栓症(TE)予防のための治療の禁忌。
・グレード≧2の神経系疾患。
・有意な心血管疾患(例えばニューヨーク心臓病学会クラスIII又はIVの心疾患、過去6ヶ月以内の心筋梗塞、不安定な不整脈、又は不安定な狭心症)又は有意な肺疾患(例えば閉塞性肺疾患又は気管支痙攣の既往歴)を含む、プロトコールの遵守又は結果の解釈に影響を及ぼす可能性のある有意で制御されていない合併症の証拠。
・サイクル1の1日目に先行する28日以内の診断以外の大規模な外科手技、又は試験の経過中に予想される大規模な外科手技。
・以下に規定される、不十分な腎臓、肝臓、又は血液学的機能(根底にあるリンパ腫に起因するのでない限り):ヘモグロビン<9g/dL;好中球絶対数(ANC)<1.5×109/L;血小板数<75×109/L。
・以下の異常な臨床検査値のいずれか(根底にあるリンパ腫に起因するのでない限り):
oクレアチニンクリアランス計算値<50mL/分(コッククロフト・ゴールト式を使用);アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)又はアラニントランスアミナーゼ(ALT)>2.5×正常上限(ULN);血清総ビリルビン>1.5×ULN(又はジルベール病患者の場合>3×ULN);治療的抗凝固療法の非存在下での国際標準化比(INR)又はプロトロンビン時間(PT)>1.5×ULN;ループス抗凝固因子の非存在下での、部分トロンボプラスチン時間(PTT)又は活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)>1.5×ULN。

【0442】

IV.研究評価
A.臨床的パラメーター
[0448]疾患既往歴、診断、及び予後指標に関する以下の臨床的パラメーターは、スクリーニングの時点で記録された:
・ECOGパフォーマンスステータス。
・Ann Arborステージ分類。
・国際予後指標
・B症状(原因不明の発熱>38℃、寝汗、及び6カ月で>10%の原因不明の体重減少)
・抗リンパ腫治療の先行ライン及び先行する治療法に対する応答、先行する治療法の開始日と関連した疾患進行日、及び先行する治療法の最終用量日。

【0443】

B.腫瘍及び応答の評価
[0449]応答は、Lugano2014基準を使用し、スクリーニング時の骨髄障害を有する患者に対する骨髄検査の結果を考慮し、PETスキャン及びCTスキャンに基づいて、IRC及び治験責任医師により評価された。

【0444】

[0450]この試験では、PET-CTに基づくCRのLugano2014基準は、スクリーニング時に骨髄障害を有する患者には正常な骨髄を必要とするようにやや修正された。形態学的に決定不能である場合、免疫組織化学は陰性でなければならない。加えて、PET-CTに基づくPRの指定は、PRに対するPET-CTに基づく応答基準に加えて、CR又はPRに対するCTに基づく応答基準が満たされることを必要とする。

【0445】

[0451]表8は、修正版Lugano基準のまとめを示している。
表8.悪性リンパ腫に対する改訂版Lugano応答基準(Cheson et al.2014)

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【0446】

C.放射線による評価
[0452]PETスキャンは、頭蓋骨の基部から大腿部の中央領域までを含んでいた。全身のPETスキャンが、臨床的に適切であるとき実施された。経口及びIV造影剤によるCTスキャンは、胸部、腹部、及び骨盤のスキャンを含んでいた。頚部のCTスキャンは、臨床的に示される場合に(すなわち、身体検査による疾患の証拠がある場合に)含まれ、ベースラインにおいて疾患が関与していた場合、試験を通して繰り返された。造影剤が医学的に禁忌でない(例えば、患者が造影剤アレルギー又は腎機能障害を有する)場合、胸部、腹部、及び骨盤(及び臨床的に示された場合は頚部)のMRIスキャンと、胸部の非造影CTスキャンが実施された。MRIスキャンが取得できた場合、造影剤を用いないCTスキャンが、試験治療期間中標的病変の一貫した正確な測定を可能にする限りにおいて、許可された。すべての応答評価に対し、同じ放射線による評価モダリティが使用された。放射線による評価を含む完全な腫瘍評価が、疾患の進行又は再発が疑われたときに随時実施された。

【0447】

D.骨髄評価
[0453]すべての患者において、ステージ分類を目的としてスクリーニングにおいて骨髄検査が必要とされ、サイクル1の1日目に先行するおよそ3カ月以内に実施された。骨髄浸潤がスクリーニング時に存在していた場合、CRを達成したかもしれないすべての患者のEOI応答評価において骨髄生検が必要とされた。PR及び継続的な骨髄障害を有する患者では、その後の時点でCRを確認するために、後続の骨髄検査が使用された。

【0448】

E.検査による評価
[0454]以下の臨床検査のための試料を分析した:
・血液学:ヘモグロビン、ヘマトクリット、血小板数、赤血球(RBC)数、白血球(WBC)数、及びWBC分析血液像算定の割合又は絶対値(好中球、好酸球性、好塩基球、単球、リンパ球、その他細胞)。
・化学パネル(血清又は血漿):ナトリウム、カリウム、グルコース、BUN又は尿素、クレアチニン、クレアチニンクリアランス計算値、カルシウム、総ビリルビン、直接ビリルビン、総タンパク、アルブミン、ALT、AST、アルカリホスファターゼ、LDH、尿酸、グリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)、アミラーゼ、及びリパーゼ(導入中のみアミラーゼ及びリパーゼ)。
・甲状腺刺激ホルモン、トリヨードチロニン、チロキシン
・β2ミクログロブリン。
・凝固:INR、aPTT(又はPTT)、及びPT。
・ウイルス血清学:B型肝炎の試験には、HBsAg及び総HBcAbが含まれた;C型肝炎の試験には、HCV抗体が含まれた;HIVの試験。
・定量免疫グロブリン:IgA、IgG、及びIgM。
・検証済みアッセイを使用したリツキシマブ PK分析のための血清試料。
・検証済みアッセイを使用したポラツズマブベドチンのPK分析のための血清試料及び血漿試料。
・検証済みアッセイを使用したレナリドミドのPK分析のための血漿試料。
・検証済みアッセイを使用したリツキシマブHACAの評価のための血清試料。
・検証済みアッセイを使用したポラツズマブベドチンATAの評価のための血清試料。
・腫瘍組織試料(DLBCLの試験治療の開始に先行する6カ月以内に得られたもの)と、DLBCLの診断の遡及的中央確認のため及び候補バイオマーカーの評価のための対応する病理学報告書。
・候補バイオマーカーの評価のための進行時に得られた腫瘍生検試料。
・候補バイオマーカーの評価のための血漿試料及び全血試料。
・リンパ球の免疫表現型検査のための全血。

【0449】

F.バイオマーカーの評価
[0455]この試験で評価されるバイオマーカーには、DLBCL起始細胞の予後サブグループ(ABC及びGCB)、Bcl-2過剰発現、Myc陽性、BCL2の再構成、Bcl-2及びMycの過剰発現、CD79bの発現、並びに最小残存病変(MR)が含まれる。加えて、疾患の生物学(免疫遺伝子発現プロファイル及び疾患サブタイプ遺伝子発現パターンとそれに関連する変異、すなわち、MYD88及びCD79b)に関連するバイオマーカー、試験薬物の作用機序(すなわち、限定されないが、レナリドミドの調節された基質、すなわち、CRBN、MYC、IRF4、又は免疫レパートリーシグネチャーを含む)、並びに耐性の機序が評価された。

【0450】

[0456]この試験に含まれたバイオマーカーを表9にまとめる。
表9.非遺伝性バイオマーカー

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【0451】

G.安全性評価
[0457]National Cancer Institute Common Terminology Criteria for Adverse Events(NCI CTCAE;バージョン4.0)に基づいて、有害事象を評価した。NCI CTCAEに特に列挙されていない有害事象は、以下のようにグレード付けした:
・グレード1:軽症;症状がない又は軽度の症状がある;臨床所見又は診断的所見のみ;若しくは介入を要さない。
・グレード2:中等症;最小限、局所的、又は非侵襲的介入を要する;若しくは年齢相応の手段的日常生活動作の制限。
・グレード3:重症又は医学的に重大であるが、ただちに生命を脅かすものではない;入院又は入院期間の延長を要する;活動不能/動作不能;若しくは身の回りの日常生活動作の制限。
・グレード4:生命を脅かす結果又は緊急治療を要する。
・グレード5:有害事象に関連した死亡。

【0452】

H.試験集団
[0458]以下の集団が規定された:
・一次的安全性及び有効性集団は、併用治療のいずれかの成分の少なくとも1つの用量を投与される患者を含んでいた。
・治療対象集団には、本試験に登録された患者が含まれた。

【0453】

V.有害事象、用量修正/低減、及び毒性の管理
A.特定の有害事象及び用量修正/低減
ポラツズマブベドチン
[0459]好中球減少症及び末梢神経系疾患は、ポラツズマブベドチンの特定済みのリスクである。ポラツズマブベドチンの潜在的なリスクには、感染、PML、インフュージョンリアクション、腫瘍溶解症候群、骨髄毒性、免疫原性、繁殖毒性、胃腸毒性、低血糖症、及び肝毒性が含まれる。

【0454】

[0460]ポラツズマブベドチンの用量は、開始用量に基づき、表10に概説される用量低減ステップに従って、神経毒性によってのみ低減された。
表10.ポラツズマブベドチンの用量低減ステップ。

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【0455】

レナリドミド
[0461]レナリドミドに関連付けられるリスクには、胚-胎児毒性、好中球減少症、血小板減少症、静脈及び動脈の血栓塞栓症、腫瘍フレア反応(TFR)、重度の皮膚反応、腫瘍溶解症候群、肝毒性、腎臓障害、甲状腺障害、末梢神経系疾患、二次原発悪性腫瘍、心血管反応、心臓毒性、及び幹細胞動員不全が含まれる。

【0456】

[0462]レナリドミドの用量は、表11に概説されるように、開始用量に応じて、誘導中又は誘導後に5mg刻みで1回又は2回低減された。用量低減は、1回の治療サイクルにつき1回しか行われなかった。導入中にレナリドミド用量を5mgに低減した場合、強化用量は、導入後に10mgで開始するように増加することが許可された。他のすべての場合において、レナリドミドの用量を低減させた場合、再漸増は許可されなかった。
表11.レナリドミドの用量低減ステップ。

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【0457】

[0463]レナリドミド治療中(すなわち、サイクルの21日目より前)にレナリドミド関連毒性が生じた場合、レナリドミドは、回復基準が満たされる(すなわち、グレード<2又はベースライン値に改善する)まで保留した。先行して又はサイクルの15日目に回復が観察された場合、サイクルの残りについて同じ用量でレナリドミドを再開した(21日目まで;投与されなかった用量は追加しなかった)。サイクル内で同じ用量でレナリドミドを再開することが患者にとって許容できないリスクとなる場合、レナリドミドは、低減された用量で再開されたか、又はサイクルの残りの期間保留された。後続のサイクルについて、レナリドミドを、低減された用量で再開した。サイクルの15日目の後に回復が観察された場合も、現行のサイクルについてはレナリドミドを再開しなかった。後続のサイクルについて、レナリドミドを、低減された用量で再開した。

【0458】

リツキシマブ
[0464]以下の有害事象は、リツキシマブに関連するか又は関連している可能性のある重要なリスクと考慮される:IRR、感染(重度の感染を含む)、進行性多巣性白質脳症(PML)、B型肝炎の再活性化、好中球減少症(持続性好中球減少症を含む)、腫瘍溶解症候群(TLS)、免疫化応答不全、重度皮膚反応(スティーブンス・ジョンソン症候群[SJS]/中毒性表皮壊死剥離症[TEN])、及び消化管(GI)穿孔。

【0459】

[0465]リツキシマブの用量低減はなかった。

【0460】

腫瘍溶解症候群の予防
[0466]高い腫瘍負荷(例えば、リンパ球数≧25×109/L又は巨大なリンパ節症)を有すると考えられる患者及び腫瘍溶解のリスクがあると考えられる患者は、腫瘍溶解予防(例えば、試験治療の12~24時間に開始される、経口でのアロプリノール≧300mg/日又は適切な代替治療)を受け、サイクル1の1日目には試験治療の開始前に十分に水分補給された。患者は、引き続きアロプリノールによる予防を繰り返し受け、その後の各注入前に十分に水分補給された。

【0461】

B.誘導治療中の毒性の管理
導入中の血液学的毒性の管理
[0467]血液学的毒性は、好中球減少症、貧血症、又は血小板減少症と定義された。リンパ球減少症は、血液学的毒性ではなく、治療の予想される結果であると考えられた。表12は、誘導治療中に発生した血液学的毒性の管理のためのガイドラインを示している。
表12.誘導治療中に発生した血液学的毒性の管理のためのガイドライン

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【0462】

導入中の非血液学的毒性
[0468]表13は、誘導治療中に発生する非血液学的毒性の管理のためのガイドラインを示している。
表13.導入中の非血液学的毒性の管理のためのガイドライン

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【0463】

C.強化治療中の毒性の管理
[0469]表14は、強化治療中に発生する毒性の管理のためのガイドラインを示している。
表14.強化治療中に発生する毒性の管理のためのガイドライン

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【0464】

実施例2:再発性又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)における、抗CD20抗体及び免疫調節剤と組み合わせた抗CD79bイムノコンジュゲートの第Ib/II相試験の一次分析
[0470]この実施例では、再発性又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(R/R DLBCL)を有する患者における、抗CD79bイムノコンジュゲート(ポラツズマブベドチン;本明細書では「Pola」とも呼ぶ)及び免疫調節剤(レナリドミド;本明細書では「Len」とも呼ぶ)と組み合わせた抗CD20抗体(リツキシマブ;本明細書では「R」とも呼ぶ)の安全性及び有効性を評価する、実施例1に記載した第Ib/II相試験の一次分析について記載する。

【0465】

I.方法
[0471]実施例1に詳細に記載されるように、R/R DLBCL患者は、以下のように、ポラツズマブベドチン、リツキシマブ、及びレナリドミド(Pola-R-Len)による治療の28日サイクルを6回含む誘導治療を受けた:
・ポラツズマブベドチンは、1.8mg/kgの用量でサイクル1~6の1日目に静脈内投与された。
・リツキシマブは、375mg/mの用量でサイクル1~6の1日目に静脈内投与された。
・レナリドミドは、(用量漸増期中に)10mgと20mgとの間の用量で経口投与されるか、又は推奨される第II相用量(RP2D)で1~21日目に毎日投与された。

【0466】

[0472]導入終了(EOI)時に応答を達成した患者は、375mg/mの用量で2カ月毎の1日目に静脈内投与されるリツキシマブと、10mgの用量で毎月1~21日目に経口投与されるレナリドミドとを含む6カ月の強化治療を受けた。

【0467】

[0473]試験設計の概要を図4に示す。

【0468】

[0474]この試験の主要評価項目は、修正版Lugano基準を使用して独立審査委員会(IRC)により評価される、EOIにおける安全性及び忍容性、並びにポジトロン放射断層撮影(PET)-完全寛解(CR)率であった。

【0469】

[0475]この第Ib/II相試験の一次分析の結果を以下に記載する。

【0470】

II.結果
[0476]一次分析では、57名の患者が試験に登録された。図5は、一次分析の試験集団の概要を示している。

【0471】

A.患者の特性
[0477]患者の特性を表15に示す。
表15.患者の特性

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【0472】

B.安全性
[0478]全体で、56名の患者(98%)が試験中に≧1の有害事象(AE)を経験した。発熱に起因する好中球減少症が1名の患者(2%)に報告された。末梢神経系疾患が10名の患者(18%)に起こり、すべての症例がグレード1又は2であった。≧15%の患者に発生するAEを表16にまとめる。
表16.≧15%の患者に起こるAE

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【0473】

[0479]グレード3~4のAEを、43名の患者(75%)が経験した。最も多いグレード3-4のAEは、好中球減少症(58%)、血小板減少症(14%)及び感染(14%)であった。22名の患者(39%)が重度のAEを経験した。6名の患者(11%)がグレード5のAEを有しており、そのうちの1例は治療関連であった(好中球減少性敗血症)。治療の中止、遅延/中断又はいずれかの薬物の用量低減を招いたAEは、それぞれ6名(11%)、38名(67%)及び15名(26%)の患者で起こった。

【0474】

[0480]AEは、それぞれ患者の25%及び63%にレナリドミドの用量低減又は中断をもたらした。1例のグレード5の治療関連AE又は好中球減少性敗血症が報告された。

【0475】

C.有効性
[0481]全体で、49名の患者が、RP2Dである1.8mg/kgの用量のポラツズマブベドチン及び20mgの用量のレナリドミドで治療された。

【0476】

[0482]IRCによって評価されるEOI時のPET-CR率は、修正版Lugano基準に基づき、29%であった。治験責任医師(INV)によって評価される最良の全体応答(BOR)は、36/49名(74%)の患者に見られ、17/49名(35%)の患者がCRを達成した。CRを達成した患者のうち、14/17名(82%)が寛解を維持した。

【0477】

[0483]持続的応答が、Pola-R-Lenで治療された患者に観察された(図6)。

【0478】

[0484]無増悪生存(PFS)及び全生存(OS)のカプラン・マイヤー生存曲線が、図7に示されている。EOI 時にCRを達成した13名の患者のうち(治験責任医師が評価)、11名(85%)が寛解を維持した。

【0479】

[0485]応答の持続時間の中央値は、8.1カ月であった(95%の信頼区間[CI]:4.7~評価不能[NE]).フォローアップ期間の中央値である9.5カ月(範囲 0.1-23.7)の後、無増悪生存(PFS)期間及び全生存(OS)期間の中央値は、それぞれ6.3カ月(95% CI:4.5~9.7)及び10.9カ月(95% CI:7.4~NE)であった。

【0480】

[0486]有効性の結果を表17にまとめる。
表17.有効性結果のまとめ

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【0481】

[0487]活性が、起源の細胞(COO)のすべて、及びダブルエクスプレッサーリンパ腫(DEL)サブグループ、特に活性化B細胞(ABC)サブタイプを有する患者に観察された(表18)。
表18.バイオマーカー分析。

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【0482】

[0488]CR(INV)を達成する患者のサブグループ分析により、1の先行する治療ラインを有する患者又は最後の治療に非抵抗性であった患者は、EOI時にCRを達成する確立が高かった(それぞれ10/13名(77%)及び8/13名(62%)の患者)。

【0483】

[0489]EOI時にINVによるCRを達成する13名の患者では、年齢の中央値は75歳(範囲:50-92)であり、9名(69%)がベースラインで国際予後指標(IPI)3-5を有し、4名(31%)が巨大腫瘤病変(≧7cm)を有し、4名(31%)が一次治療に抵抗性の疾患を有し、2名(15%)が先行するASCTを受けており、1名(8%)が先行するキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法を受けていた。

【0484】

III.結論
[0490]新規の3つの組み合わせであるPola-R-Lenは、許容可能な安全性プロファイルを示した。Pola-R-Lenの安全性プロファイルは、個々の薬物の既知のプロファイルと一貫していた。AEは、支持療法により管理可能であった。

【0485】

[0491]この実施例に記載された有効性結果は、治療困難なR/R DLBCL集団、特にEOI時にCRを達成する患者において有望な活性を示し、このような患者の大部分は寛解を維持した。非難治性疾患を有する患者及び1度だけ先行する治療ラインで治療された患者は、難治性疾患を有する患者又は先行する治療の複数ラインを有する患者と比較して、より高いCR率を達成した。

【0486】

[0492]上記発明は、理解を明瞭にする目的で説明及び例示によりある程度詳細に記載されたが、それら記載及び例示は本発明の範囲を限定するものではない。本明細書に引用されるすべての特許及び科学文献の開示は、参照によりその全体が本明細書に明示的に援用される。

図1

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図2

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図3

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図4

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図5

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図6

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図7

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【配列表】

【国際調査報告】

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